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最強魔王の躾け方!  作者: ー零ー
第6章 -その道の先に-
110/1017

6-8

※セラフィ視点

カガリは敵の攻撃を掻い潜りつつ攻撃を続ける。流石に無傷というわけにはいかず徐々に傷を増やしているものの―――代わりに私の推測に対する答えをくれた。


『ギゥエアアアア!!』


カガリが胴体にむけて全力の一刀を叩きこむと守護者が明らかに苦しんでいる。それどころか―――


「守護者の首が………消えた?」


同じく前線で耐えてくれているクリスが呟く。


そう、カガリの一撃によって甲羅に深い傷が入る。恐らく内部まで傷ついたであろうこのダメージを受けた守護者の悲鳴と共に首の一つが消えた。しかも、復活する兆候もない。


「そういうことか………!」


「セラ!もう準備できたよ!胴体めがけて放てってことよね!!」


私が頷くとミラが魔法を開放。クリスとカガリはすぐに距離を取る。


浄化の極光(セイント・レイ)!!」


ミラの魔法を残った8つの首のうち6つが受け止める。やはり胴体に本体があり、首は尻尾のようなもの。幾ら切っても死ぬことはないのだろう。でも―――


「これで終わりよ。消えなさい!」


私は杖を左に持ち変えて右手を掲げる。そして魔力を解き放つと稲妻が掲げた右手の平で槍のような形状になる。ミラの魔法によって防御は浅くなっているこの好機に私は自分の持つ魔法の中で最も貫通力のある魔法―――


「いっけぇ!撃滅の雷槍(ブリッツ・ストライク)!!」


守護者めがけて雷槍を放つと残る2つの首が防御に回るが轟音と共に首ごと胴体を貫通。数分、まるで時が止まったかのように動きを止めるが肉体が徐々に崩壊し、そのまま塵となって消えた。


「これは………」


「勝った………?」


そうだと回答するかのように大広間の奥の扉が開く。今回は流石に危なかったもののなんとか勝つことができた。………私達の勝利だ。


「ん、大丈夫そうだな。


おめでとう。お前らの勝利だ」


今回ばかりは苦戦したけど、疲労もあるけど、でも達成感もあった。カガリも、ミラも、クリスも、頑張ってくれた。良かった。本当に。


「流石に疲れたわ………少し休みたい」


特に頑張ったカガリはその場に座りこむ。見ると傷だらけだし魔力もだいぶ消耗しているみたい。当然といえば当然で、守護者の攻撃の大半はカガリに集中していた。避け切れず何度も攻撃を喰らっていた。ミラも途中から魔法の準備のために補助ができなかったため余計に、だ。


「凄いね、カガリさん。良かったら僕が背負うから安全なところで休もう」


そういってクリスが手を差し伸べるがカガリはその手を取らず、すぐに立ち上がる。


「大丈夫。もう少し動けるから。いきましょ」


肩で息をしているものの気を引き締め直したのかふらつくことはない―――が、ここでジークがさっとカガリを抱き上げる。お姫様抱っこの状態となりカガリは赤面するも疲れているのか暴れることはない。


「どうせ休憩するんだから大人しくしとけ。………治癒魔法はかけてやるから」


カガリの身体を淡い光が纏うと本人が目を細める。なんというか、気持ちよさそうね。


「じゃあここを降りたところで休むか。採点もしてやる」


有無を言わせず歩き出すジーク。カガリは降ろされるまで何も言わず大人しくしていた。

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