5-19
※セラフィ視点
―――それから順調に進み20階層に到達。手ごろな場所を見つけてそこで休むことになった。
岩場の隅にテントを張り、周囲を覆う結界を張るジーク。私達は休めとのことで岩場の手頃な岩に腰かけてそれを眺めているところである。
「何をしてるの?」
なにやら魔具らしきものを取り出し、それを近くに置く。少なくとも3つはある。
「食事と寝具と風呂の準備。その魔具を解放すると食材と調理器具出てくるからそれで適当に作る。
寝具といってもそんな立派なものじゃあないがないよりはいいだろう。風呂は………まぁ、簡易的なものだからあんまり期待するなよ?」
説明しつつ設備を整えると魔具を解放して食材と調理器具を取り出す。
「ジークが………作るの?」
ミラが戸惑い混じりに確認する。言いたいことは分かるわ。ジークに料理ができるイメージが一ミリたりともないもの。
「え、大丈夫なの?って感じだな。
安心しろ。一人暮らししてる時は自炊もしてたし、今回は鍋の予定だ。そんな不味い飯にはならないよ」
「え、違うの。それはそれで驚いたけど、折角なら私が作るわ。お世話になってばかりというのも気が引けるし」
ここですかさずミラがジークの隣に座り食材を確認。器具の種類と使用方法も確認し、頷く。
「ならお願いしようかな。食材や調味料その他欲しいものがあったら言ってくれれば提供するから」
「えぇ、任せて」
気合十分なミラ。私もお世話になってるし、そういうことなら―――
「なら私もやるわ。これでも料理は出来る方よ」
必要な時に困らないようにと家事炊事は一通り学んでるし、一人で旅をしていた時には獣の解体までやってる私に死角はないのだ。すぐにジークの隣に座って器具の使い方を教わる。
「………セラが手料理を!」
クリスが興奮気味にこちらを見ているがこれはスルーしよう。この場においてクリスができることは何もないし。
「じゃあ二人に任せよう。俺は他の設置とかしてるから。カガリと勇者くんは二人に指示を仰げ」
そういうなりジークはテントを3つほど、慣れた手つきで設営。3人くらいは余裕で入れそうな大きさ2つと1人用と思われるものが1つ。
大きなテントの1つには風呂と書かれている。なるほど、これなら安心ね。
「えっと、僕は―――」
「「見張りをしてて」」
「私は?」
「食材切って貰っていい?」
扱いについては仕方ない。そしてこの一件で気づいたのだけどカガリは実は料理が上手い―――というより包丁捌きが別次元。切った野菜は寸分狂いなく均等で、魚を捌くにも完璧にこなしてくれた。
料理をしたことがあるかと聞いたところ―――
「お父さんと私だけで、必然的に家事炊事は私が担当してたの。時には近所の子供達のお世話をしたり一緒に料理したり………そんなことしてたからかしら」
楽しそうにそう話していた。
………もしかして、カガリって嫁力高い?




