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審判の箱  作者: 千人
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緑の扉

「ウィル、本当に心当たりがないんだな?」

「もうっ!しつこいですってば!」


もう何度目かもわからない同じ質問に嫌気がさしたのかウィルはそっぽを向いて頬を膨らませていた。

やはり、嘘をついているようには見えない。これ以上この話を続けても無駄か…。


「わかったよ…今はこれからどうするかを考えよう。」

「そうしてください!変なことばかり言っていると信用を失いますよ?」

「………」


こいつにだけは言われたくない。


「悪かったよ。緑の扉を進めばいいんだっけ?」

「そうですね。赤と青の扉はダメな気がします。」


結局、この点だけはウィルは譲らなかった。

根拠ははっきりしないくせしてダメなものはダメだという。

その話については散々言い合った後なので、もはや蒸し返す気にはなれない。


「開けるぞ!」

「はい!」


ドアノブを回し緑の扉を開ける…

ぎいぃーー


「ほう…」

「きれいですねぇ~。」


そこには青々と生い茂る草木が広がっていた!

部屋の中だというのに木々は光に照らされており、透ける葉はエメラルドのように輝いていた。


「私たちの部屋とは大違いですね。」

「そうだな。」


僕の部屋には何一つ物はなかったし、ウィルの部屋は暗いこと以外僕の部屋と大差なかった。

すぅぅーー

自然の香りが心地いい。


「いい匂いですねぇ~ 木陰の下で本でも読みたい気分ですぅ~」

目をトロ~ンと細めてウィルは木にもたれかかる。


「本を読むのか?部屋には何もなかったが?」

「気分の問題ですっ! それに本を読まなくたってある程度の知識、私の頭には入っていますっ!」


ん?

その知識は誰かから聞いたりしたものなのだろうか?


「それなら、その知識はどうやって知ったんだ?」

「わかりませんが、知っているものは知っているんですッ‼」

「………」


何だか初めて会った時より生意気というか無遠慮になってきてないか?

人をアホの子扱いしたりしてくるしな。

打ち解けてきたってことなのだろうか?もはや自分がが知らないということを胸を張って言うまである。

これ以上その知識がどこからきているのかなんて聞いたところで望む返事が得られないのは分かりきっているのでもう聞かない。


「とにかく、この部屋を調べるぞ。」

「はいっ!頑張ってくださいっ!」

「……」

「このまま眠れそうですぅ~」


ウィルは木陰でそこがさも天国であるかのようにうっとりしていた…。


「おまえも調べるんだよっ‼」

「えぇ~~。」


こいつぅ……

ここらで上下関係というものを教えてやろうか。

頭の中で物騒なことを考えているとウィルが部屋の隅のほうを指さした。


「あそこに何かいますよ!」

そちらを見ると膝下ほどの大きさをした何かがあった。


「あれはなんだ…?」


慎重に忍び足で近づく…

すると、それには鳥の翼のようなものがついており、ゆっくりと上下していた。

鳥…なのか?


すぅー…すぅー…

ねむっている?

近づこうと一歩踏み出したそのときっ!


「へくちっっ‼」

「!?」


後ろをついてきていたウィルが木の葉にあたりくしゃみをした!

「なぁにぃ~?」

眠っていた何かが体を起こす。


「ぐ、グリフォン?」


その姿は物語に出てくる伝説上の生物…グリフォンそのものだった。


自分で見直していると思っていた以上に誤字脱字が合ってびっくりしますね。もし、間違いを見つけられた方がいましたらご指摘していただければなと思います。

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