石像
石像といいますと私は昔プレイしたワンダと巨像というゲームを連想してしまします。あれは…いいものだぁ!
「ひとまずこれまでの状況をまとめようか。」
一旦心を落ち着けようと僕はそう二人に言った。
「そうですね。」
「うん!」
そういって今の状況について話し合おうとしていのだが、はしゃぎすぎて疲れたのかグリンはあっという間にスヤスヤと眠りこけてしまった。
「まだまだ子供だな。」
「あんなにはしゃいでいましたからねぇ。もう少し寝かせておいてあげましょう。」
「そうだな。」
こんな状況だ。休めるうちに休んでおいた方がいいだろう。
何があるか分かったもんじゃないからな。
いや、比喩でも冗談でもなく。
「疑問を解決するためにこの扉を調べに戻ってきたわけですが、結局また新たな疑問が生まれてしまいましたね。」
「あぁ、どうしたもんかな…。」
僕たちは神殿の部屋で感じた違和感を払拭するためにこの赤い扉まで戻ってきた訳だが、扉の先にあったのはサラマンダーの待ち構える炎が吹き荒れ、熱風の吹き付ける部屋だった。
位置関係でいえば神殿の部屋に通じているはずなのだが…扉の先には神殿の部屋とは別の空間が存在していた。
「空間でも歪んでいるのか?ここは。」
「そうかもしれませんねぇ~」
いや、冗談で言ったつもりなんだが…
「現実としてそれ以外説明がつきませんしね。ここまで階段や坂なんかはありませんでしたし、高度が違うってわけはありませんし。」
「はぁ…、サラマンダーだの空間の歪みだの冗談みたいなことばかりだな、頭が痛くなってくる…。実は全部夢でしたーなんてオチはないよな?」
「現実から逃げないでください。頬でもつねってあげましょうか?」
ウィルは握りこぶしをつくりながら言う。
「いや、おかしいよねっ⁉それ、つねるときの手の形じゃないよねっ⁉」
「親にこうやれって教えられたので。」
「おまえ天涯孤独って言ってたじゃないか!?」
「ちっ、ばれましたか…。」
今舌打ちしなかった?
本当に遠慮がなくなってきているな…。
僕が何も言わなかったらそのまま殴られていたのだろうか…なにそれ恐い。
「何はともあれ分からないことについてこれ以上議論してもしょうがないですし、神殿の部屋にあった緑の扉の先へ進みましょう。」
「そうするか…」
ウィルがサラッと青い扉を選択肢から消していたが何も言うまい。
「起きろ、グリン。先へ進むぞ。」
グリンの体をゆするとまだ眠たそうに目をしょぼつかせながら「はぁい…」と返事をした。
返事はしたものの夢うつつ状態であるグリンを連れて神殿の部屋へと戻ってきた。
「それでは緑の扉を調べましょうか。」
「あぁ。」
後ろにある青い扉も気になるんだけどなぁ…。
赤い扉でのことがあるしここはウィルの直感に従っておくか。
「あのせきぞうをしらべようよ。」
部屋の最奥にある3メートルはあろうかという石像。部屋に入った時から気にはなっていたが扉のことがあったのでまだ調べられていない。
「そうだな。扉を調べるのは石像を見た後にしよう。」
「わかりました。」
石像に近づき、あらためて観察してみる。
それは人型をしていて、その手足は丸太のように太くゴツゴツしており、胴体は岩の鎧でもつけているかのようだ。
その頭を見ると岩をのせて目の部分をくり抜いただけというような無骨な形をしている。
「う~ん、おかしいなぁ~」
「どうしたんだグリン?」
「さっきはこっちからみられているようなきがしたんだけどなぁ~。」
グリンは石像の後ろを覗き込みながら言う。
視線か…。だから急に石像を調べようなんて言い出したのか。感覚的な話だしグリンの勘違いということも十分あり得る。
「何もないようですし先に進みましょうか。」
「そうだな。行こうか、グリン。」
「う~、たしかにかんじたんだけどなぁ~。」
まだ納得がいかないというグリンを置いて僕らは先に緑の扉へと向かった。
僕らが扉へたどり着いたとき、
「ワシの体に触れるでないっ!」
「わぁっ! な、なに?」
さっきまで調べていた石像の方向からから大きな声が聞こえ顔を向ける。
すると、そこには石像につかまれるグリンの姿があった!
「グリンっ‼」
「グリンさんっ‼」
石像が動いているだとっ?
どうやって助け出す?あんな岩の塊みたいなやつどうすりゃいい?
四の五の言っている場合じゃないっ!
一刻も早く助け出すべくグリンのもとへと駆けるっ。
アドレナリンが分泌されているせいか時間がゆっくりに感じられグリンとの距離が遠い。
「今助けてやるからなグリンっ‼」
数秒間…たったそれだけの時間を何倍も長く感じた時の中でようやく石像につかまれたグリンのもとへたどり着くというところで僕はウィルによって静止されていた。




