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審判の箱  作者: 千人
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炎のトカゲ

「死ぬかと思った…。」

「やきとりになっちゃうところだったよぅ…。」

「だからやめた方がいいって言ったんですよ。危うく火だるまになるところでした。だいたい……。」


ウィルに文句を言われているあいだ、僕とグリンは緊張が解けてぐったりと壁にもたれかかっていた。

ここには普通いるはずのない幻想上の生物なんかがいるというのはウィルとグリンに出会ってわかってはいたが、まさかあんな危険なものまでいるとは。


「聞いてます?ナノさんっ!」


話を右から左へと聞き流していた僕の正面には頬をぷっくりと膨らませたウィルが迫っていた。


「もうわかったから、これからのことを話そう。」

「本当に分かってます?」

「あぁ、あんな危険な思いをするのはもうごめんだし。なぁ、グリン?」

「うん…あついのはもういやだよぅ。」


グリンは口から舌を出し、ぐでっとしている。

グリンには相当堪えた様だな。

もしかしたら暑さに弱いのかもしれない。


「では、これから赤い扉は開けないことっ!これは決定事項です。」

「あぁ。」

「うん。」

「ひとまず今回のことはこれで水に流してあげます。」


ようやくウィルの説教モードは終わり、これからについて話すことができそうだ。


「それにしても扉の先に火の塊が見えたのですけれどあれは何だったんですかね?」

「ぼくはひばしらがみえたよ!」

「扉の奥には巨大なトカゲがいた。」


そう、僕は見た。吹き付ける熱風の奥にたたずむ炎を纏った巨大なトカゲの姿を。


「トカゲ…ですか?」

「あぁ、トカゲといっても普通のトカゲじゃない。炎を纏っていて、全長3メートル以上ある巨大トカゲだった。」

「トカゲがもえていたとかじゃなくて?」

「そんな感じじゃなかった。むしろ炎を操っているようにさえ見えたよ。」


もしも、神殿の部屋のでのグリンのように何も考えず扉の先へ進むようことをしていたらと思うと恐ろしくなる。


「それってもしかしてサラマンダーではないですか?」

「さらまんだー?」


グリンは聞き覚えがないようで首を傾げている。


「サラマンダーとは四大精霊のうち、火を司る精霊といわれています。神話・伝説の類ですね。」

「グリンと同じようものだな。」

「ぼくってせいれいだったの⁉」

「そういうわけじゃないんだが…。」

「なぁんだぁ…。」


グリンはがっかりしたように言う。そんなに精霊がよかったのか?


「グリンさんだって立派なものですよ?鳥の王たる鷲、獣の王たるライオンとが合体していることから王家の象徴とまで言われているんですから。」

「ぼくっておうさま?やったー‼」


ウィルの言葉を聞いてグリンが翼をばたつかせてはしゃいでいる。


「それは少し違うんですが…まぁ、喜んでいるようなのでいいですよね?」

「そうだな。」


はしゃぐのに夢中で聞いていないグリンを横目に見ながら僕らは笑みを浮かべた。


小説を書いていると話とは関係ないことを考えてしまうことがよくあります。今回で言うと焼いたトカゲってうまいのかな?とか思いながら書いておりました。最終的な結論としては目の前にそれがあったところで食べる勇気はないなという結論に至るわけですが、あとがきってこんなことを書く場所でしたっけ?

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