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神代闘師ギルドライバー  作者: 黒羽光一 (旧黒羽光壱)
第1話:葛木葵との遭遇
3/22

アンノウン・ビヨンド

第1話 2/3

 

 

 

 

「……は?」

 

 丸眼鏡の少女の第一声である。面食らったのも無理はない。

 突然この場に現れた青年。二十代に見える男は涼やかな笑みを浮かべながら、なんら躊躇もなくJCにしか見えない手品師風の少女の顔面に膝を叩き込んだ。

 

「ぉ˝……、あ˝ぁ˝……?」

 

「逃げるよ」

「え?」

 

 顔面を抑えてうずくまる手品師風の少女。それに背を向け目もくれず、言ってのける青年。幼女を肩に俵か何かのごとく担ぎ、また女子高生を脇の下に抱えて、ひょひょいと、重さを感じさせない足取りで走る。梅雨明けの雑木林。枯れ葉やら枝やらしめった地面、石など、足場はさほど安定していないにも関わらず、一切それらを第三者に感じさせない軽快なステップだった。

 

 ネットと呼ばれた男も、自分の契約者がそんな有様なものになったせいか、それとも現れた青年のあまりにもあんまりな手際のせいか、茫然としたように動いていなかった。

 

「お˝……、お˝って!」

『あー、で、でも、さすがに捨て置けないって……』

 

 鼻を抑えながらそう言う彼女に、しかしネットはそう言って、額のあたりにあった手のひらサイズの、何かの紋章のようなものを取り外した。

 とたん、全身が光り、まったく異なる姿に。端的に言えば、小太りの男だ。全身緑っぽい作業着姿に、頭にはヘルメット。ただ腰のポーチにはカメラが複数入っている。

 

「(どうしてそういうときだけ人間味を発揮するのかしら、人でなしのくせに)」

 

 蹲っている彼女は思いはしたが何も言わない。と、そんな彼女に向けて男はしゃがみ込み、ポーチからビデオカメラを取り出した――――。

 

 何をしてるかと思えば、タイトスカートめがけてカメラアングルを向けて、ライトで照らしている。

 

「……うん、これはこれで」

「私の映像売りさばいたら、貴方、本気で血祭に上げますよ?」

 

 冗談冗談と、男はさっとカメラを隠した。

 

 

 

 

 

   ※

 

 

 

 

 

「お~! ろ~! せ~!」

「下したところでどうにもならないという説もある。けど何かな?」

 

 と、少女たちを抱えて逃走した男。恐ろしいのはその体勢のまま街中へと堂々と繰り出して、しかも相変わらず涼し気な微笑のままという点だ。

 一体男が何者なのか。なぜ逃げるのに力を貸してくれたか。というか逃げている割にこの荷物扱いはなんなのか、などなど。様々な疑問が脳裏をよぎる丸眼鏡の少女。後頭部の大きな三つ編みが、重力やら慣性やらにひっぱられて自分の頬をたたいているのも鬱陶しい。

 

 ともあれ雑木林、小山を抜けて坂を下り、男は駅前の高架下を抜ける。見上げれば「月城駅」という看板が見えたが、いったいこの男はどこを目指しているというのか。

 というか、こんな奇行に走ってる明らかに不審者だろうこの青年に対して、駅前のスーパーで買い物しているおばちゃんたちは、何を「ああ、またいつものアレか」みたいな目で見ているのだろうか。

 

「どこって、病院だけど」

 

 そしてどうやら考えていたことが言葉に出ていたらしい。慌てて自分の口をふさぐ少女だが、しかしそんな場合ではない。

 

「びょ、病院はまだ駄目!」

「なんでかな?」

「だって、そしたら病院も巻き込まれるじゃない!」

「巻き込まれる、ね。そこのところ詳しく話してくれるかな?」

 

 ここでようやく足を止た。と思ったら、彼はコンビニに入った。イートインスペースがあるコンビニである。四人掛けの席、奥のほうに血を流している女子高生を寝かせて、その向かいの席の片方に少女を座らせた。

 

「ちょっと待ってて。何か甘いもの買ってくるから」

「いや、ちょっとアンタ――――」

 

 少女の言葉を聞いているのかいないのか、平然と無視して青年は涼しい微笑み。スイーツコーナーからシュークリームを二つと、消毒薬、包帯、ガーゼなどを購入した。

 

「やれやれ、またですか? ビヨンド(ヽヽヽヽ)さん」

「ええ。すみません」

「まぁ結果的に人助けになるならって、店長も半ば黙認してますけど……。あ、2306円になります」

 

 眼鏡の少女にシューを手渡すと、慣れた手つきで少女を触診する。ぱっと見やっていることはセクハラでしかないのだが、薄い涼し気な微笑みのまま、腕やら足やらの具合と少女のリアクションを見ているそれは、いやらしさのない説得力があった。

 体を一通り診た後、頭を軽くなぜ、様子を見る。

 

「骨は折れてなさそうかな。呼吸器も……問題はなさそうだね。

 頭蓋の方はちょっと心配かもしれないから、あとで病院に行くとして。

 とりあえず表面上は、少し切っただけみたいだね」

「…………」

 

 特にこれといって躊躇する様子もなく、ガーゼに消毒液を浸してぬぐう青年。えぐれた傷口に目もくれず、これまた慣れた手つきで消毒し、包帯を巻いていく。

 

「さて。状況が読めない以上は一刻も早く病院にいって、CTなりなんなりで見てもらうのが妥当だと思うのだけれど、そのうえでなおすぐ病院に駆けつけられない。理由を話してもらってもいいかな?」

 

 

 

「――――って、こっちのほうが聞きたいことが山のようにあるわ!」

 

 

 

 少女、絶叫である。店内の何人かがぎょっとした顔でこちらを見たが、しかし青年は一瞬目を閉じただけで、特に何も気にした様子はない。それが更に少女を苛立たせて、再び絶叫しようと息を吸い――――。

 

「――、ふぎゅ」

「店内、迷惑だからね。マルメガネ(ヽヽヽヽヽ)

 

 と、軽くデコピンされて、叫ぶタイミングを狂わされた。げほげほとむせる彼女に、ミネラルウォーターのペットボトルを差し出す青年。「開封済でよければ」とか涼し気な笑顔で言ってくるのが、地味に腹が立つ。腹が立つが、しかしそれを理由に断るのも癪なので、ひったくるように奪い取って、一口飲んだ。

 

「………アリガト」

「うん。そういうことが言えるのは良い子だと思うよ。

 さて、とはいえどあまり時間がないにはないからね。手早く済ませてしまいたいところだけれど、どれくらい聞きたいことがある?」

「………… 一つに集約してあげるわ。アンタ、何なの?」

 

 少女の言葉に、彼は懐から名刺を取り出した。

 

「僕は、こういう者だけど」

 

 

 

 ――――葛城探偵事務所  所長 葛城・”ビヨンド”・葵――――

 

 

 

「……ビヨンド?」

 

 名刺を見て、最初に少女がつぶやいた一言である。青年は涼やかな笑みのまま「そ、ビヨンド」と返した。

 

「僕はビヨンド。葛城 葵(かつらぎ あおい)を超える者だね」

「……いや、まず葛城葵っていうのが誰かっていうのがわからないんだけど」

「そりゃ、この身体の持ち主だよ」

 

 自分の胸を指さす、自称、ビヨンド。女みたいな名前ね、と思いはしたが、いや、それ以前に名刺の素性が正しければ、つまりは私立探偵っていうことかこの男。

 

「……そんな職業、実在したんだ」

「おいおい、そりゃ全国の探偵事務所諸兄、および探偵学校関係者たちに悪いじゃないか。腕の良しあしはともかく、一定数実在する職業だよ? 探偵っていうのは」

 

 なにより案外簡単になれるものだしね、と、薄く微笑みながら続けるビヨンド。

 

「まぁ、興信所っていう方が『いかがわしさ』がない感じになるのかな? ともあれ、そういう氏素性だね。で、君とその少女は?」

「…………私は、”DxM(デクシム)”」

 

 眼鏡の位置を調整して、少女は嫌そうに言う。そしてそれを聞いたビヨンドは。

 

「そうか。じゃあ、略してマルメガネだ」

「………… 一体全体どこをどう略したら、デクシムからマルメガネになるってのよ! というか、文字数伸びてるじゃない?」

「いや、ちゃんと略せてはいるんだよね。

 ”デクシムを名乗る丸メガネの少女”だから、略してマルメガネ。どう考えても、デクシムだっけ? 本名じゃないでしょ」

「そんなこと言いだしたら、そもそも私に本名なんてないわよ!」

「そう。じゃあ、よろしくマルメガネ」

 

 どうでもいいことだが、完全にビヨンドのペースである。幼い少女は彼の飄々とした態度と涼し気な微笑みにブチギレながら、ぜーはーぜーはー息をした。そして手に持っていたシュークリームの袋を破き、一口。と、あまりに勢い余ったせいか、クリームでむせた。

 さ、と再びテーブルにミネラルウォーターを置くビヨンド。

 

「あげよっか?」

「…………」

 

 涙目になりながらそれを再び奪い取る少女、マルメガネであった。

 

「で、マルメガネ。君とその、ハルカちゃんだっけ? 叫んでたのが聞こえたけど。君たちは何をしていたんだい?」

「何をしていたって……、っていうか、アンタ、『どこから見てたの』?」

「フレートライナーっぽいのが君たちに落下したあたりかな」

「トレーラのこと……? そう。だったら大体見てるじゃない」

「んん、一応自分の目で見た光景を否定したいところも、ないわけじゃなかったんだけどね」

 

 なにせ一切の誇張を抜きにしてあの状況を言ってしまえば、雑木林で、女子高生が変身したスーパーヒロインが、怪人(という割にはデザインラインは似通っていたが)と対決していたという光景でしかない。いくらこの男が表面上は平然としているように見えても、それに対して我が目を疑うくらいはしているらしかった。

 

「だけど、まぁ、あれを現実の光景として受け入れると。つまり君たちをこのまま病院とか担ぎ込むと、もし彼らが君たちの足跡を突き止めたら、その時点で病院がバトルフィールドになってしまうと」

「言葉の選び方が馬鹿っぽいけど、まぁそういうこと」

「んー、でも明らかにこのままハルカちゃんを放置しておくのもまずいよね。何か対抗策とかってないのかい?」

「……ないわけじゃないけど、無理よ」

「そう? じゃあ、僕が君たちに提示してあげられる方法は二つ」

 

 へ? と。まるで意味が分からないとばかりに、自分の横に座るビヨンドを見上げるマルメガネ。

 

「一つは、『病院を巻き込まない』という選択肢を諦めること。少なくとも、ハルカちゃんは完全に急患扱いでもいいんじゃないかと思ってる。多少は慣れてるといったって、僕のやってることは素人に毛が生えたくらいの診療でしかない。」

「いや、その割には結構堂に入っていたっていうか……」

「それでも精密検査をかけられるわけじゃない以上は、当然の判断だ。僕と君とで時間を稼いで、早いところ検査させてあげるのが当然だろう。

 そしてもう一つは――――彼らを撃退するってこと」

 

 指をもう一つ立てながら、ビヨンドは話を続ける。

 

「追ってくる諸悪の根源の方をたたいてしまえばっていう発想だね。

 さて、どうする?」

「どうするって――――どっちも無理に決まってるじゃない!」

「なんで?」

「なんでって……、そんな、無関係な人たちは巻き込めないし、それ以上にあいつ等にアンタが勝てるわけがないじゃない?」

「女の子の方はきっちり『鼻を折ってきたけど』、その感じからするとただの人間っぽかったし、いけるんじゃない?」

「お、折ったって……(こいつなんでそんなこと顔色一つ変えずに平然と言えるのよ)、って、そうじゃない! たとえあの姉を倒せたって、あのワイヤー男に勝てっこないでしょ!」

「それもそうだけど。んー、状況からして、君、打開策知ってるよね?」

 

 涼し気な顔のまま、ビヨンドは少女を問い詰める。

 

「なんで、そんなこと聞くのよ」

「なんでとは?」

「そんなの、私たちなんて放っておけばいいじゃない。なんで拾って逃げて、そんな、まるで――――」

 

 少女は。

 少女の声は、震えていた。

 

 

 

「――――まるで、助けてくれる、みたいなことを言うのよ」

 

 

 

「あ、もちろん料金はとるよ? 後払いだけど」

 

 

 

 と。ちょっと感傷的になりかけていた少女に、涼やかな微笑みのまま冷や水をぶつける男! ビヨンド!

 は? と口を馬鹿みたいに開ける彼女に、しかし平然と彼は続ける。

 

「まぁ、それは動機とはいえないね。そうだね。端的に言えば、僕がビヨンドだからだかな?」

「ビヨンドだから?」

「そう。それが、僕の存在理由でもある」

 

 トレンチコートの首のあたりを整えて、彼は、少しだけ笑みを深めた。

 

「僕は葛城葵を超える存在としてデザインされてるから。『葛城葵ならできないことを』なすことが出来なければ、僕の存在理由はない。

 だから、葛城葵なら逃げ出してしまうだろう君たちにも手を差し伸べている。おかしなことはあるかな?」

 

 平然と、涼やかな笑みを浮かべて続ける男に、少女は悟った。

 

 この男、何かがおかしい。

 先ほどのビヨンドという名乗りを彼女は妄言か何かだと考えていた。だがこの挙動と、態度が一切変わらないあたりをみて、考えを変える。

 

「……アンタ、多重人格とかなの?」

「まぁ、代理っていうのが正解なのかな? 病院の先生いわく。

 で、どうする?」

 

 手を差し伸べるビヨンド。マルメガネは眉根を寄せてその手を見る。

 

 

 

   ※

 

 

 

 ビヨンドが手を差し伸べた瞬間。それはちょうど、高架反対側のバス停付近で作業着姿の男が、エンブレムを構えた瞬間でもあった。

 

「――――罪破(ギル・ドライブ)――――」

 

 エンブレムの刻印が発光。と同時に全身が光り、姿かたちが一瞬で変化する。若干シルエット自体が光る直前のものとずれているような気がするが、おそらくその一瞬で人知を超えた変化が起こっているのだろう。

 断じて合成の手抜きではない。現実世界の出来事である。

 

 頭に二本の角を持つ。顔はやはりバイザーのようなもので覆われ、目元は光っている。胴体は小太りだったシルエットを無視するようにすらっとしており、そしてやはり背後で六本の機械腕がうねうねと動いていた。

  

 突然の変化に通行人数人が気づくが、それもすでに遅し。背後のマニュピレータよりワイヤーを、真横を走るバスの車体に複数本放出。一定距離まで進んだバスは、ワイヤーに引かれ前進できず、ぎゃりぎゃりという音を立てながら車輪が空回りしている。

 怪人はそのままワイヤーを引き、バスを横転させる。車体から悲鳴が聞こえるが、そんなことを知ったことないとまで言わんばかりに怪人はそれを振り回した。モーニングスターのようなものである。

 

 そのまま振り回し、周囲の建物へバスを投げた。これは砲丸投げのような動きだ。

 

 まだ警察やらレスキューやらが、爆発していた乗用車の対処をし終えてはいない。そんなさなかのこの暴挙である。警告と銃撃。そして巻き込まれた野次馬たちを見て、ほかの見物人たちも悲鳴を上げながら逃走を図る。

 なお、当然のごとく銃撃なぞ怪人にダメージを与えることはできない。だてに金属質な質感をしているわけでもないらしい。弾丸を振りはらい、背後からワイヤーを、弾丸のように短く数発射出する。と、そのいくつかが警察官の胴体や顔面に吸着。勢いや強度の関係もあるだろうが、ともかく被弾した警察官たちはその場に転がる。特に顔面に当たっただろう警察官は呼吸ができないのかうめき、もがき続けている。弾丸のようなワイヤー群はそのまま広がり、地面に警察官たちを縛り付けた。

 

『こんなんで本当に来るか?』

 

「来ますとも。なにせあの妹は、誰より他人を実験(ヽヽ)に巻き込むことをよしとしておりませんでしたもの」

 

 ほら、と。

 事実、駅の屋根の上でそうつぶやいた、手品師風の少女。ビヨンドに折られたはずの鼻は何事もなく回復しているが、それはさておき。

 事実彼女の言葉通り、高架下より目的としていた相手たちは現れた。

 

「なんで、こんな――――」

「順当に考えて、おびき出すための餌ってところかな? マルメガネって、他人を巻き込むのを嫌ってるみたいだし。そのあたりの性格も知ってるんでしょ? 君の、お姉さん」

 

 大正解である。距離こそ離れていて声は聞こえもしないだろうが、彼女は楽し気に拍手をした。

 

 と、その場で立ち上がり、「微動だにせずに」飛び上がると、そのままビヨンドたちの目の前に落下してきた。ふんわり、と落下した彼女を前に目を見開くマルメガネ。当たり前のように半歩前に出るビヨンドに、手品師風の彼女は楽しそうにほほ笑んだ。

 

「大正解、と言っておきましょうか。ハルカさんはどうしたのですか? 妹」

「あ、アンタ……!」

 

 ふむ、とビヨンドは顎に手を当てる。

 

「何とお呼びすれば?」

「初対面の相手になんら躊躇いなく前触れなく暴行を働く男性に名乗る名前はありませんが、まぁ、『マギ』とでも呼んでくれてかまいませんよ?」

「一応の紹介についてはありがとうかな、うん。僕のことはビヨンドとでも。

 して―――― 一体何をしに戻ってきたのかな?」

 

 そんなこと知れたことじゃありませんかぁ? と。マギと名乗った彼女は、ビヨンドとマルメガネとに小ばかにしたような視線を向ける。道理だね、とビヨンドは、やはり涼しい微笑みのままマルメガネを見た。

 

「さて、どうする?」

「どうするって――――」

「君が望むのと望まないのとにかかわらず、すでに『人が死にかねないような状況が発生している』。君の持つ打開策でも使わなければどうにもならないだろうね。

 さて、君はどうする?

 僕を、君の事態に巻き込むのか巻き込まないのか」

「そ、そんなのって――――」

 

 

 

「言っておくけど、巻き込まなくったって僕はあのクモ男みたいなのを殴りにいくからね」

 

 

 

 マルメガネは確信した。涼しげに笑って断言するこのビヨンド、絶対本気であると。そしてその結果死んだところで、やはりこの涼しい顔を崩しはしないだろうと。

 狂人め。内心で幼い少女らしからぬ毒付きを吐きながら、マギを一瞥するマルメガネ。

 

「ええ。手出しはしませんよ。私はあなたより優れているというのが証明されないと、意味がありませんからね。仮にもお姉ちゃんですから、大人げないことはしないですよ」

「……そう。なら、信じるわよ。姉」

 

 そしてにらむようにビヨンドを見据えて。

 

「――――どうなったって知らないわよ。どんなに後悔しても、アンタに与えられた選択肢は2つに一つ。

 負けてすべてを失うか、勝って願いをかなえるか」

 

 彼女の言葉に、ビヨンドは涼しく笑った。

 

「まぁ、ちゃんと報酬らしい報酬があるようで結構かな? うん」

 

 

 

 

 

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