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代わり。
四月十六日。
七回目。
好きになった、好きになってもらった人を救わなければならない。
由越交差点。
そして十二時が過ぎ、当たり前のように彼女が来た。
彼女は自分に気が付き小走りでこちらに来る。
僕も彼女に向かって歩き出した。
そして、彼女よりも先に誰かとすれ違った。
その時、不意に携帯にメールが来て機械音を発した。
これは、今まで一度も無かった事だ。
どうしても気になって携帯を開いた。
そして、そのメールには
「四月十六日。この日は灯白 月々火、夜空 朱那巡、鼕華 雨露の誰かが死ぬまで終わらない」
鼕華 雨露より
そう表示されていた。
読み終えると同時にトラックのスリップ音が聞こえる。
僕は灯白月々火の手を握って走ろうとした。
しかしその時、目に入ったのは横断歩道の真ん中に立つ鼕華雨露だった。
左手には刃物。右手にはあの懐中時計を持っている。
それが彼女の手から懐中時計が滑り落ちる。それを踏みつけ粉砕した。
一瞬、目に映った鼕華雨露は、
ただ当たり前のように、無表情だった。
それでも一つ、後悔だけは感じ取れた。
そして・・・。