ツンデレ
「その荷物持ってやる。理科室までだな?・・・べ、べべ、別にお前の為じゃねぇから!た、ただ単に、ほら、筋トレしたかっただけだかんな!」
私は、この、明らかに動揺している少年《藤川 拓真》に目を付けられたようです。
なにかにつけて私に絡みついてきます。
「こっち見んな」って、見てもいないのに怒鳴られたり、「お前、ちゃんと食ってんのか?」とか、食生活に口出しされたりされます。
ムゥ・・・。
何故私は藤川君に怒られるのでしょう?
納得いきませんよ。
私、なにかしましたっけ?
疑問がもくもくもくもく出てきます。
「ほら!ボーっとしてっからもう理科室ついたぞ!」
藤川君がそう言って私の頭を軽く小突く。
・・・藤川君は軽いつもりだろうが、だいぶ痛かった。ジンジンする。
「ボーっとなんてしてません!・・・運んでくれて有難うございました。」
藤川君を理科室に残し、教室に向かっていきます。
全く『ボーっと』だなんて、失礼な野郎だ。
そう思いつつも、藤川君が重そうな(というか、実際にカナリ重い)荷物を持ってくれたのは嬉しかった、と思いました。
気が付いたら、口元が緩んでいました。
お目汚しすみません;orz