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06 突然レスキュー

最近、文章の書き方がもっと下手になってきました。


もうちょっと研究して、美しい文を書けるように頑張ります!!

「はぁ、はぁ、はぁ。病院、病院はどこだ??」

今、僕は冷たい雨に打たれながら必死になって走っている。

なぜ、今見たばかりのネコにこんなに真剣になれるのかは、自分でもわからない。ただ、このネコを助けたかっただけだと思う。

寒い。体温がどんどん雨に奪い取られていく。明日絶対風邪をひいているだろう。

(奏が風邪をひかないようにって、相合傘をしてたのに、意味が無くなっちまったな)

少し前の事を思い出して、少し顔がにやける。

「奏と相合傘しちまったよ~~。へへ。こんなこと初めてだぜ」

もう、顔がにやけている何でもんじゃない。幸せすぎて、ふにゃふにゃの顔をしているだろう。

「さっきはせっかくいい感じだったのによ。お前のせいだぜ。へへ。」

「にゃ……」

微かにネコが鳴いた。前足をゆっくり動かしている。

「おっ、目が覚めたか?まってろよ。今病院へ運んでやるからな」

「にゃ……にゃあ!!」

その黒いネコは、僕の腕の中で暴れながら、力強く鳴いた。怪我をしているせいか、あまり力が入っていない。

「なんだよ。病院へ連れてってやるって言ってんだろ」

「にゃあ。にゃ~~」

ネコは苦しそうにしながら首輪をひっかいている。

まったく飼い主のやつは何をしているんだ。自分の飼っているネコがこんなに苦しそうなのに。

首輪に住所とか書いてないかを確認しようとする。

いまいちよくわからないのだけど、最近では、ペット用の電話番号が書いてあったりもするらしい。本当にすごい時代になったものだ。

「……あれ??」

よく見てみると、ネコについている首輪、それはネコの気持ちがわかるはずの首輪、『ネコネコ話せる君』だった。

「お前もこんなものつけられてんだな」

「にゃあ」

(やっぱりこの首輪広まっているんだ)

首輪を買った時の事を思い出して、少し悲しくなった。せっかく僕のお小遣いから高いお金を出して買ってあげたのに、全然しゃべらなくて、もう泣きそうだった。

「高かったなぁ。お前の主人も騙されたんだなぁ」

「にゃぁ」

まだネコは首輪をひっかくことをやめない。苦しいのか?

「ん……?電源、オフになってる」

そして、電源を入れる。

別にこの首輪で、今の猫の気持ちがわかると思ったわけではなかった。

ただ、なんとなく。なんとなく、もしかしたら少しぐらいネコがどういう気持ちかわかるかなという好奇心だ。

「ONっと」

「……」

しゃべらない……

「やっぱり、これダメなんじゃねえか。会社に文句つけてやろうかな」

まあ、期待していたわけではないので、そんなに残念ではなかった。

(そうだよな、しゃべるわけがないよな)

いや、しかし、最初につけたときのショックは大きかった。

そんなことを考えていると。

「……ありがとう」

僕の腕の中で声がした。

「!!」

下を見る。ネコが今にも消えそうな声で言ったようだ。いや、実際には首輪の機械が声を出したのだけど。

「……あ、いや、どういたしまして」

慌てて、返事をしてしまった。

(まあ、ありがとうぐらいはしゃべってもおかしくないか。何驚いてるんだろ)

なんか無性に恥ずかしくなった。周りを見るが、誰も見てはいないようだった。

はははと笑いながら、照れ隠しをする。

(こんなこといってもわからないことは、うちのネコ、シロのおかげで知ってるんだけどな)

「わかるぞ」

「えっ!!……今なんて……??」

「私はお前の言う事がわかると言ったんだ」

「……!!」

(あれ、今、僕声に出したっけ?ってか、そのまえにネコってこんなに喋れるもんなの??喋らなかったのはシロが馬鹿なだけか?ってか、ネコって読心術が使えるのか??)

驚いて、頭の中がぐしゃぐしゃになる。今の状況が全く理解できていない。

「まったく、めんどくさいやつだな~~。お前は声に出してないよ」

「えっ、じゃあ何で!?」

「痛い痛い。わかった。説明するからいったん放せ」

興奮してネコを持つ手に力が入っていた。

「ご、ごめん」

そっとネコを下ろしてやる。ネコは今にも倒れるんじゃないかというぐらいフラフラとしながらどこかへ行こうとしている。

ネコが話すことに驚いて忘れてたけど、そういえば、このネコ、怪我してるんだった。

「まって。血、血が出てるよ!!」

「言われなくてもわかってる」

「ねえ、どこいくの??やっぱり、病院にいこうよ」

「いいから、黙ってついて来て」

「ついて来てって、どこに?」

「黙ってついてきて!!」

「……」

ただのネコ(しゃべっている時点でただの猫ではないが)のはずなのに、気迫がある。

僕はその気迫に気圧されて、黙ってそのネコの後ろをついていった。

なんか、えらそうなネコだなぁ。

「悪かったな。えらそうで」

「だっ、だから、何で声に出してないのに僕の思ってる事がわかるんだよ!!」

「ふんっ!!何がいい感じだったのにな――だ。へらへらして、情けないな」

「う、うるせえよ」

ネコは少し怒ったのか、足を速めた。

「なんだよ。」と思ったが、あんまり変な事を思ったらそれもこのネコに知られてしまうと思ったので、何も考えずに、ただただ、ネコの後ろをついていった。

(やっぱりこのネコ、見たことがある)

まだ5時ごろだというのに、あたりは暗く、雲の隙間から細く伸びた月が出ていた。


 ◆       ◆       ◆


「なあ、お前、前にどこかであったことがあるか??」

「……」

返事がない。

ネコは無口だった。怪我をしているせいかもしれないが、話しかけても何の返事もない。

(いったいどこに連れていく気だよ。っとあぶねえ、聞かれてるんだった。無心無心)

僕はネコについて行った。何も考えずに見ず知らずのネコについていくのはどうなのだろうとは思いながら、怪我もしているので最後までついていくことにした。

―――――どれくらい歩いた頃か、ネコが突然言った。

「ついたぞ」

見ると、そこには家があった。一軒家だ。電気はついていない。誰もいないのだろうか??

「ここは??」

「私の家だ」

「お前の??やっぱり飼いネコだったんだな」

「飼いネコではない。と、ここでお前に頼みがある」

飼いネコではないというのは少し気になったが、ネコが真剣な顔つき(どの顔が真剣な顔なのかははっきりとは分からない)で聞いてきたのでそっちを優先した。

「頼み??なんだよ」

何を頼まれるのか全く予想できなかったが、悪い予感しかしなかった。

「この家に入って、リビングの机に置いてあるカバンを持ってきてほしい」

「カバン?嫌だよ。そんなことをしたら、僕が警察に捕まるじゃね~~か」

(ほら来た。悪い事だ。誰がこんなネコのために牢屋に入るか。)

普通、人の家に入って物を取って外に出たら警察に捕まる。

いくらネコに頼まれたからと言って、そんなことが警察に通用するはずがない。

「大丈夫だ。ここは私の家だって言ってるだろ。私が許してるんだから、警察につかまる事はない。絶対だ」

「お前の家って、お前の主人の家だろ」

「違う。私に主人はいない」

ネコは平然とした態度で顔色一つ変えずに言った。まあ、ネコが顔色変えたところでわかるかどうかは微妙だが。

「それって、もう死んだってことか?」

「そうでもない。もともといないんだよ。もういいから早く取って来い!!」

(うそ臭い。首輪つけてんのに、飼い主がいないわけが無いだろ。)

ネコは僕を試してからかっているのだろうか??それとも、本気で言っているのだろうか?

「……そのカバン、大事なものなのか??」

「ああ、絶対に必要だ。――――お願いだ……」

小さく消え入りそうな声でそう言われた。

僕はそんな言葉に弱かった。そういわれて無視することができるような人間じゃない。無視なんかすると、これから一生その罪悪感を抱えながら生きていかなければならない。

(僕はまたこんな事に巻き込まれてしまった。まあ、これが僕の運命なのかな??)

「何かっこつけてるんだ??お前」

「だから、人の心を読むなって。……わかったよ。ほんとに大丈夫なんだろうな」

「しつこい!!ああ、大丈夫だ。警察には捕まらない」

「そっか。じゃあ、ささっとそれを取って来るよ」

「ありがとう。――――ちなみに、家の電気はつけるなよ」

…………

(あれ、今何かおかしな方向へ行った気がする……)

今の言葉で僕の不安が何百倍にも膨れ上がった。

全然問題ない家に入るのに、なぜ電気をつけてはいけないんだ??おかしい、絶対おかしい。

「はぁ??何でだよ。やっぱりこれって不法侵入じゃ……」

「無いって。大丈夫だから。そのほうがスリルがあるだろ」

そんなものはいらない。

「スリルなんて求めてねえよ。何にもないんだったら電気つけてもいいだろ」

「別に電気つけてもいいが……私は知らないぞ」

「うぐっ」

このネコ、なかなかやりやがる。コイツが人間だったら僕はコイツに散々もてあそばれていただろう。今でも振り回されているし。

(危険な香りがする。絶対悪い事が起こるに決まってる。……で、でも、こいつ怪我してるし……)

僕には行く以外の選択肢はなかった。

「……わかったよ。電気つけなきゃいいんだろ。ったく」

「なかなかものわかりがいいな。がんばれよ―――――……まあ、警察以外のやつらに捕まらないようにな……」

(あれ、今ネコがボソッと何か言ったような気がしたんだけど……まあ、いっか。)

これ以上考えても不安が募るばかりだと思ったので、時間が遅くならないうちに取りに行くことにした。

「じゃあ、いって来る」

(あ~あ、初めての犯罪か……少し心臓がドキドキする。ミッションはカバンを持ってくるだけ。敵はいない。簡単な事だ。ネコに命令されているのは気にくわないけど。)

「……頑張れ」

後ろでネコが応援している。これもあの怪我しているネコのためだ。中には、怪我の薬とかが入っているに違いない。

そうして、僕はゆっくりと家のドアノブに手をかけた。

やっと、物語が動いてきました。


ネコちゃん。やっぱりかわいいですね。


これからどんどん深くなっていくので、楽しみにしていてください!!



後、お気に入り登録をしてくださった方、誠にありがとうございます。


すっごくうれしいです。


ではでは、感想待ってま~~す。

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