個性豊かなはぐれもん
優莉が他のはぐれもんとついに!会うんですねーっ!
ぜひぜひ読んでください!
そして優莉がはなみ公園に着くと、
「優莉っち!はやくはやく~!」
夢芽ちゃんたちが、もう集まっていた。
「遅くなってごめん。これ、お菓子。」
謝って、お菓子をみんなにわたす。
「ありがとうございます。」
「ありがとう・・・。」
「あ、ありがと。」
「優莉っち、ありがと!」
お菓子を受け取ったみんなは、くちぐちにお礼を言う。
「ごほん。それではみなさま、本日は、お集まりいただきありがとうございます。この会の司会を務めさせていただきます、土田夢芽と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」
夢芽ちゃんはとても丁寧な言葉づかいであいさつをし、何の会かよくわからない会の司会を始めた。
「はいというわけでみなさまには、ねえこのしゃべり方、疲れたからやめるね。自己紹介をしてもらうよ。じゃあ最初は、理子っちから!」
夢芽ちゃんに紹介された身長の低い子が、不満そうな顔をして、
「なんでうちからなの?ていうか夢芽。理子っちって呼ぶなっていったじゃん。」
と言った。すると、
「こういう時のトップバッターは理子っちが最適だからね。あとうち、友達はあだなで呼ぶ主義なんだよね~。」
夢芽ちゃんがそう答えた。
理子ちゃんが、
「何の主義だよ。」
とつぶやきながら、いやいや前に出る。
「山田理子です。好きなスポーツはバスケ。よろしくね。」
バスケやってるのか。だから半そでに短いズボンでショートカットの髪の毛なんだね。バスケかあ。すごいなあ。優莉、球技をやると必ず変な方向にボールがとんでっちゃうから、苦手なんだよね。
「じゃあ、次はみー、よろしく。」
緊張のかけらも感じさせないあっさりとした理子ちゃんの自己紹介。夢芽ちゃんが言った通り、トップバッターに最適なのは理子ちゃんだ。
夢芽ちゃんが、何の会(何の会か分からない会を略したもの。)を進めていく。
次は・・・、みーって誰だろう?
「えーっとぉ、臼倉美桜でぇす。好きなフルーツはいちごでぇす。よろしくねぇ。」
ま、まさかのぶりっ子だった。
ひらっひらレースがいっぱいついた、ピンク色のワンピースに、ゆるいウェーブがかかったロングヘアは、少女マンガに出てくるお嬢様みたい。
「みーさ、いい加減ぶりっ子語やめたら?みんな引いてるよ。」
夢芽ちゃんがそう言うも、
「別にぃ、引かれてもいいもぉーん。これがみーのぉ、しゃべり方だもぉーん。」
背筋がぞわあっとする話し方だなあ。
夢芽ちゃんのおでこに血管浮き出てるし。
「もう、みーはいいや。次、はるはる!」
「えええええええ~!ひどぉーいー」
何の会を進めた夢芽ちゃんに、美桜ちゃんは文句を言ってるけど、
次の、はるちゃんかな?
は、かまわず自己紹介を始めた。
「辻春香です。趣味と特技は勉強です。臼倉さん、いちごはフルーツではなく野菜です。他にも、フルーツと思われている野菜には、すいかやメロンなどがあげられます。常識ですよ。」
はるちゃんじゃなかった、春香ちゃんは、ため息をつきながらたんたんと語った。きっちりまとめたおだんごに、紫色のメガネ。大きめの白いTシャツ。そしてひざより少し上くらい長さの紺色スカートは、見るからに学級委員長タイプ。
ってあれ?美桜ちゃんが、プルプル震えてる。どうしたの?ときくまでもなく、
「う、う、うるさぁーい!そんなのどっちでもいいし、春香のマジメちゃんうざぁい!」
(うおっ。)
ただいま、美桜ちゃん山が噴火いたしましたっ。
「臼倉さん・・・。」
静かな声が聞こえてきた。見ると、春香ちゃんは憤怒の形相になっている。
「マジメちゃんうざいって何ですか!それにどっちでもいいわけないでしょう!あと、あなただってぶりっ子語すごくうざいです!」
次は、春香ちゃん雷神の雷が落ちましたっ。
美桜ちゃんは、うぐっとうめきながらも負けずに春香ちゃんをにらんでおりますっ。
バチバチッと火花をちらしながら、二人がにらみ合っていると、
「はいはい、けんかおしまい!はるはるは口調がカタいの。友達に敬語禁止ね!みーはぶりっ子語やめなさい。」
夢芽ちゃんがパパッとまとめた。
「承知。だが、過ちを正すのは大切ではないだろうか。」
・・・春香ちゃんって、なんでこんな、カタい口調になんだろ・・・?
そんな優莉の心の声を読み取ったように、夢芽ちゃんが、
「はるはる~。どーしたらそんな、時代劇のセリフみたいなカタい口調になんの?ちょっとすごいね。」
と、なかば感心したような感じで言った。
「んじゃ、最後に優莉っち!」
(ひえっ。)
すっかり油断してた優莉ましたあ!
「ゆっ、ゆゆゆゆゆ、優莉です!」
ぎゃあ!緊張のあまりかんだ!それも盛大に!
夢芽ちゃんが、「優莉っち緊張しすぎ。落ち着きなって」って笑ってるし、
恥ずかしい・・・。よ、よし。気を取り直してもう一度!
五時です。子供たちは、気を付けて、おうちに帰りましょう
(はあっ?おい、五時のチャイム!空気をよみなさい空気を!あと五分くらい遅らせてくれよっ。)
五時のチャイムに八つ当たりしてもしょうがない、か。
はああああああああああああああああああああああああああああああああああ
/\]:[@^\^[@]:\/\/]:[@^\-@[^-\[:]\/\/]:@[^\-^/\:]@[-^\^@[]:\:]/.[@^\^^\\--@。
「ゆ、優莉っち。自己紹介、今度でいい?ごめんね!では、これにて解散!」
司会さんが何の会をしめくくり、帰っていく。
「はああ、私は、夢芽さんに怒られに来たのでしょうか?」
春香ちゃんが、げっそり疲れた顔で、ため息をついている。
「みーもそう思うよ、はるりん・・・。みーも、ゆめりんに怒られに来たんじゃなぁい。」
美桜ちゃんは、ゆるいウェーブがかかった髪の毛をいじくりまわしながら唇をとがらせている。
「ていうかぁ、はるりんさぁ、友達にぃ、敬語禁止ってぇ、言われてたじゃぁん。」
美桜ちゃんの、言葉をぶちぶち切るようなねっとりあまあい声、優莉は苦手かも。
「何を言っているのですか。臼倉さん。私、あなたの友達ではありません。ですから、はるりんなどと呼ばれる筋合いもありません。それに、私の口調に何か言う暇があるのなら、自分のぶりっ子語をなおしたらどうですか。」
冷たい顔で、冷たい声に戻った春香ちゃんの言葉には、スキがなく、完璧だ。
さすがに美桜ちゃんも言い返せず。
「うぐっ。で、でもぉ、」
しぼりだした声は小っちゃかった。
それでも春香ちゃんは容赦しない。
「でもではありません。では、私はおいとまさせていただきます。」
(おいとまさせていただきますってどういう意味?)
よくわかんない言葉でぴしゃりと言い返してから、自転車でさっさと帰っていった。
「あの・・・。今、声かけていいやつ?」
ちょっぴり不安そうな声の主は、
「理子ちゃん!いいよ、どしたの?」
理子ちゃんだった。何言われんのかな。ちょっと怖い。
「あのさ、一緒に帰ろう。」
「ええっ。」
思いもよらなかった言葉が理子ちゃんの口から飛び出してきて、思わず声をあげてしまった。
「ああいやいや、いやならいいんだ。じゃねっ!」
そう言って自転車に飛び乗ろうとする理子ちゃんに、優莉は慌てて声をかける。
「やややっ、嬉しいんだけど、びっくりしただけだよ。い、一緒に帰ろうっ。」
言葉の最後の方から、うつむいちゃった。おそるおそる理子ちゃんを見ると、花が咲いたような笑顔が広がっていた。
「いいのっ?ありがと、優莉っ。」
よっ、よびすて!そのコミュニケーション力、尊敬するよ。
優莉に半分わけてください・・・。
「優莉、美桜どうする?あのままおいてったらやばい気がする・・・。」
理子ちゃんが指さす先は、怒りの炎に燃える美桜ちゃん。
たしかに、おいてったらダメだ。燃え尽きて炭になっちゃう。
「声、かけよっか。」
「そうだね。」
優莉と理子ちゃんがうなずき合う。
「美桜ちゃーん。」
「おーい美桜―。帰ろうよー。」
二人して声をかけると、美桜ちゃんが振り向いた。そして、
「なあにいい?みー今、はるりんに勝ち逃げされて、怒ってるんだよぉぉ!」
周りの草をぶちぶちぬいてる。そーとー悔しかったんだろうなあ。
「美桜、落ち着いて。一緒に帰ろ。」
理子ちゃんがそう言うと、美桜ちゃんがこっちを向いてにこっと笑う。
「あぁー、ごめぇん。今日みー、ピアノあるからぁ、あっちのみちなんだぁ。ゆうりんとぉ、りこりんはぁ、そっちのみちでしょぉ。あっちのみちはぁ、学区外だからぁ、あっち方面にぃ、住んでるわけぇ、ないもんねぇ。」
と言った。
理子ちゃんは一瞬、「え?これから習い事いくの?」って顔して、
「じゃあ、また今度、一緒に帰ろう。」
と、にっこり笑っていった。
でも、
「あぁー、それも無理ぃ。みー、月曜日は塾ぅ、火曜日はバレエぇ、水曜日はピアノぉ、木曜日は塾と習字ぃ、金曜日は塾とテニスがあるからぁ。」
ぴっきーんって、空気が凍り付く音が聞こえた。
理子ちゃんも、完全に笑顔が引きつってるし。
「ってなわけでぇ、ばいばぁい。」
美桜ちゃんが手を振ってさっていく。
美桜ちゃんってこう、強いっていうか鈍感っていうか。
「ゆ、優莉。うちらも帰ろっか。」
「う、うん。」
白目むいてる理子ちゃんに言われ、優莉たちも帰ることになった。
なんかこのあと、めんどくさい展開になりそうですねえ。
ぐふふふふ。(←性格悪い)
では!最後までよんでくれてありがとうございました!