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はぐれもんの優莉に

小学六年生になります。藤枝雪です。このお話は、絵をかいていたらふわーんと思いつきました。初めてなのでへたくそですが、読んでいただけると幸いです。

1、はぐれもんの優莉(ゆうり)


キーンコーンカーンコーン


今日から優莉は六年生です。

いつもと違う教室、いつもと違う机といす。

小学校最後の一年だなあ、と思いながら席に着く。

優莉の席は最前列のはじっこだ。


隣の席には優等生の真面目くんとして有名(だと思う、多分)な、

眼鏡をかけたこがらな男子。


後ろの席は陽キャたち。

孤独感半端ない席になってしまった。

そんなことを考えている間に、六年生最初の授業の、自己紹介が始まった。


「好きな色が緑色の、浅井優莉です。」

ブナンなことを言っておく。

パチパチパチ・・・とまばらな拍手。


「好きな色が緑色の浅井優莉さんの隣の、算数が好きな渡辺星夜です。」


優莉のクラス、六年二組の担任になった田中涼太先生は、ちょっと自己紹介のやり方が変わっていた。


前の人が言ったことを繰り返してから自分のことを話すというもので、

優莉は覚えられそうになかったけど、

幸い席が最前列のはじっこだったおかげで、

自分のことを話すだけで良かった。


隣の渡辺星夜くんは、算数が好きらしい。

やっぱ真面目くんだな。


優莉には、好きな教科なんて一つもないし、

そもそも、できる教科は図工くらいしかない。


「算数が好きな渡辺星夜さんの隣の、

テニスが得意な鈴木真菜さんの隣の、

サッカーが好きな与田大晴さんの隣の、

手芸が得意な金井ひなたさんの隣の、

犬が好きな玉田結人でーす。」


おお、そんなに覚えられるなんて凄いな。って、おい!なんか優莉、忘れられてるだろ!


しかも誰も気づいてないっぽいし!どなってやろうかな。


いや落ち着け優莉。


こんなとこで男子なんてどなったらヤバいヤツ扱いされるし、

目立ってしまうぞ!目立つのはごめんだろう?心の中で殴っとけ☆


自分で言い聞かせる。


まあ優莉は超絶存在感薄いはぐれもんなのでね。

忘れちゃうのもしょうがないと思いますよ。


でも、隣の方が忘れてなかったから、お、ちょっとは存在感あんのかな?って思ってたのにさ。と、席でため息をつく。


トントンっと肩をたたかれた。気がした。


はぐれもんだし自己紹介で忘れられるような(←けっこう根に持つタイプ)

優莉に話しかけようとする人なんて、いないもんね。


トントン。また肩をたたかれた気がした。

振り向いただけじゃ変に思われないよね。と、一応振り向いてみる。


「優莉ちゃん!やっと振り向いた~。ね、結人のやつサイテーじゃん?優莉ちゃんのこと忘れてたよね。」


(?!)


そこにあったのは、ボブカットのきらきら笑顔。服はダボっとした長ズボンにパーカーだ。


「あ、うち夢芽!よろしくね。」

「よ、よろしくね・・・?」


突然の挨拶に、優莉は驚きながらもよろしく。と返す。

まあ夢芽ちゃんも、優莉のことはすぐ忘れんだろうなー。

自己紹介の時、秒で忘れられたし(←めっちゃ根に持ってる。)


「優莉ちゃん!うちと、友達になろう!」

「え?」


やばっ。声に出ちゃった。とたんに夢芽ちゃんが不安そうな顔になる。

「え、いや?」


いやじゃないよ。いやじゃないけど・・・。

「はぐれもんと友達になっていいの?」

きいちゃった。変に思われたらどうしよう・・・。

優莉はぎゅっと目をつむった。


「はぐれもんかあ。」

優莉の心配とはうらはらに、考えこむような返事。

そして、覚悟を決めたように言った。

「そんなん、どーとでもなるよ。うちがそうだったもん。」


今の、どういう意味?まさか、夢芽ちゃんが、はぐれもんだったの?そんなことをきく前に、夢芽ちゃんは話し始めた。


最後まで読んでいただきありがとうございます。どうでしたか?感想があったら書いてほしいです。

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