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ヘテロプテラ婦人

作者: アァノルド

そのお方はそれはそれは美しく、周りの空気までもが煌びやかで、

もう見ているだけでメマイがしてしまいそうなお方です。


美しさに驚いて咳き込むほどです。


みんな周りを見渡して夢ではないかと確認します。

でも、やっぱり見とれてそのままお姿を見送るだけなのです。


幾たびか、お声をかけた勇者さまもいらっしゃいました。


しかし、脳天に突き抜ける優雅な香りと

心臓を柔らかに掴むお声に当てられて、

喜びのあまりに失神してしまわれました。


そしてやはりまた見送るだけなのです。


美しさが究極になると誰も近寄ることができないのです。


そして、あの御方は何でもない病に倒れられ、

美しさのあまりに誰もその素肌を診れず見舞いにも行かれず、

助かるものも助かりませんでした。


美し方亡骸を見る勇気は誰にもありませんでしたので、

棺桶に入れて葬儀を執り行うことも出来ず途方に暮れましたが、

けっきょく館ごと焼き払われました。


あのおどろおどろしい焼跡が、あの美しいお方の墓標です。


焼跡には宝石で出来た像か虹色の粉があると皆が噂をしておりましたが、

あとに残ったものは使い道のない炭だけでした。


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