ソウ太の願い
今日もありがとうございます
翌朝、ソウ太はミュウ達の親子のために1人早めに起きて食材を探そうと3人が仲良く寝ている場所から離れて、カラット鉱山から10K先にあった森林に来ていた。
ソウ太は探索の魔法を使って探そうとすると、そこにミュウの父親であるゴルドがソウ太の目の前に現れた。
ゴルド)「ソウ太、朝早くから食材集めか?ご苦労だな。」
ゴルドはソウ太に笑顔で話しかけてきた。
ソウ太)「ゴルドさん、おはようございます。すいません。起こしてしまいましたか?もし、そうなら本当に申し訳ありません。」
ソウ太がうつむきながらゴルドに謝っていた。
ゴルド)「違う。俺はお前が心配で後をついて来たんだ。それで…今から何を集めるんだ?」
ソウ太)「そうだったんですか?ありがとうございます。オラは今から食べられそうな物を探索の魔法で探そうかと思いまして…」
そこでソウ太は探索の魔法を使おうとすると、ソウ太とゴルドの二人の前に巨大なマンドラゴラが現れて、ソウ太の体に蔦のような草を巻きつけようとしてきたがゴルドが素早くそれを掴み火の魔法で燃やした。
ソウ太はマンドラゴラに近付き、死の魔法を使って倒した。
ソウ太)「ゴルドさんありがとうございます」
ゴルド)「何、良いんだよ。ミュウの大切な夫であり、俺とセシルの大事な息子だからな!!」
そう言われたソウ太は恥ずかしそうに照れて、誤魔化すように倒したマンドラゴラに鑑定の魔法を使って、食用出来る事がわかりマンドラゴラを切りながら、そのまま口に入れて味を調べていた。
その後、ソウ太はマンドラゴラをアイテムボックスに入れて、大木を切り倒し、木の実・山菜・キノコを採取して、猪・鹿を捕まえて、全てアイテムボックスにしまうとゴルドと一緒にミュウとセシルが寝ている場所に向かった。
ソウ太達が到着するとセシルは起きて、寝ているミュウを膝枕してミュウの寝顔を眺めて頭を優しく撫でていた。
ソウ太)「おはようございます。セシルさん。今すぐ、朝食の用意しますので少し待っていてくださいね。」
セシル)「あら、おはよう。ソウ太、ごめんなさいね。わたしもお手伝いが出来れば良かったのだけれども、わたしとゴルドは料理をする習慣が無くて全てそのまま食べるから…」
そう言ったセシルは恥ずかしそうにうつむいていた。
ソウ太)「セシルさん、大丈夫です。オラが勝手にする事ですから!!」
そう言ったソウ太にセシルとゴルドの二人は拗ねて、ソウ太に話しかけた。
セシル)「ソウ太!!何故、他人同士のような接し方をするの?お義母さんは悲しいなぁ~」
ゴルド)「そうだぞ!!ソウ太!!俺達は親子だ!!俺も悲しいぞ…」
そこでセシルはパン!!と手を叩きながらソウ太に話しかけた。
セシル)「ソウ太!!今からわたし達の事を[お義父さん][お義母さん]と呼んでみて!!」
ゴルド)「セシル!!それは名案だ!!ソウ太!!今から俺に[お義父さん]とセシルに[お義母さん]と呼んでくれ!!」
セシルの話題にゴルドは頷きながらソウ太に言った。
そう言われたソウ太は顔を真っ赤にして呟くように言った。
ソウ太)「お…お義父さん…お…お義母さん…」
そう言ったソウ太はその場から逃げるように少し離れてアイテムボックスから食材を取り出し、ゴルドとセシルの二人はそんなソウ太を見つめて微笑んでいた。
顔を真っ赤にしたソウ太は取れた食材をを使って急いで調理した。
ソウ太は先ほどの森林で切り倒していた大木をアイテムボックスから取り出し加工して大きなテーブルを作り、調理していた食材を料理してその上に並べていった。
美味しそうな匂いがするとミュウが目を覚ましてソウ太の作った料理を食べ始めたので、ソウ太はゴルドとセシルの二人にも「食べてくださいね」と言って勧めた。
そこからソウ太は料理をたくさん作り、ゴルド・セシル・ミュウの3人は「美味しい!!」と言って舌鼓を打った。
朝食が終わるとソウ太はミュウ達3人と向き合い、お願いをしていた。
ソウ太)「お義父さん、お義母さん、お二人にオラからお願いがあります。」
そう言われたゴルドとセシルは真剣な顔をしてソウ太の顔を見て、ミュウは期待するように微笑みながらソウ太の顔を見ていた。
ソウ太)「オラはミュウとお義父さんとお義母さんの四人で一緒に生活がしたいです。そうすればミュウも安心して生活できると思います。」
ゴルド)「ソウ太の願いは理解したので一緒に生活する事は俺達も大歓迎だ…ただ…何処を拠点にして生活をするのか?」
ソウ太)「実はオラとミュウの二人はここから少し離れたセンニチ町に住もうかと思っていますのでお義父さんとお義母さんにもそこで一緒に住んでもらえたらと考えています。」
ゴルドとセシルの二人は悩み出した。
ミュウ)「ソウ太、あたし達の龍は人間が嫌いなのよ!!実はあたし達は人間達からしてみれば万能薬みたいな存在なのよ…」
ミュウは悲しそうな顔をしてソウ太の顔を見た。
そう言われたソウ太は驚いてミュウの顔を見た。
ゴルド)「ソウ太、俺達は人間達と一緒には生活が出来ない…お前の願いを叶えたい思いは俺達3人はあるのだが…すまない…」
ソウ太はうつむき、何も言え無くなったが、そこにセシルが話しかけた。
セシル)「あなた、わたし達のソウ太ちゃんのお願いよ。叶えてあげましょうよ。それにわたし達四人が一緒にいるなら人間達は何も出来ないわよ。」
ゴルド)「ソウ太、俺はお前と一緒に生活する事に決めた。しかし…人間達に愛想良くはしないぞ!!それでも…良いのか?」
ソウ太は悩み…ゴルドに答えた。
ソウ太)「お義父さん…自分勝手な事言ってすいません…オラ…少し1人で考えてみます…」
ミュウ)「ソウ太!!あたしは?あたしを捨てるつもり?」
ミュウがソウ太の顔を見て怒り出した。
ソウ太)「ミュウ、違うだよ…実は、初めてミュウと出会った時の事をずっと考えていたんだよ…オラ、ミュウがあの時、傷だらけだった理由を今、知ったから…オラ1人でミュウを守る事が出来るかと不安になったんだよ…オラ1人で大勢の人間を相手に、ましてやズル賢い人間を相手に…オラも元は人間だけど…ミュウのためにオラは死ぬ事が怖い訳では無くて…オラが死んでその後にミュウが傷を…ミュウが攻撃される姿を想像したら…オラ…お義父さんとお義母さんにお願いしたいと思っただよ…」
ソウ太はミュウに自身の不安を話した。
ミュウは悲しそうな顔をしてソウ太の顔を見て、セシルはソウ太に話しかけた。
セシル)「ソウ太ちゃん、家族四人一緒なら大丈夫よ。それで…ソウ太ちゃんは1人になってどうするつもりなの?」
ソウ太)「先ほどまではセンニチ町に大きな家を立てて、そこに家族四人で住もうと考えていました。今は…人間達が…不安です…」
そこでゴルドはソウ太をいきなり抱きしめて話しかけた。
ゴルド)「息子よ!!とりあえず、今はお前のやりたい事をしたら良い!!後の事は俺達に任せろ!!」
その後、ゴルドはミュウの顔を見て両肩に手を置いて話しかけた。
ゴルド)「ミュウ!!お前が認めたソウ太のやりたい事を…ソウ太の悩みが解決できるように…俺達も協力するぞ!!俺達四人は家族だからな!!」
そう言われたミュウはゴルドに向かって頷き、ソウ太の体を優しく抱きしめて、瞳から涙を流した。
ソウ太はミュウ・セシル・ゴルドの3人と別れて、1人でセンニチ町に戻ってきた。
ソウ太が冒険者ギルドの受付にワイバーンの討伐した事を伝えて、ワイバーンの死体を冒険者ギルドの倉庫に預けて依頼料金をもらい、ソウ太は次の高額依頼であるウンカイ砂漠にいるサンドウォームの討伐をするためにウンカイ砂漠に向かった。
ウンカイ砂漠に到着したソウ太は、辺りを見渡すと周りは砂だらけで太陽によりとても暑かった。
ソウ太は探索でサンドウォームを探していると地中にとても大きな何かを発見した。
ソウ太は気になり、その場所まで歩いて行くと足元が大量の砂により動きヅラくなり、周りの温度が高温のために身体中から大量の汗が出たので、急激なめまいがしてフラフラとなりながら歩いていた。
そこに3体のサンドウォームがソウ太に襲ってきたので鑑定で調べると1つの魔力の核が大量の砂を纏っている事がわかり、ソウ太は魔力の核をサンドウォームから取り出した。
すると、魔力の核を失ったサンドウォームは崩れだし砂山と姿を変えたので、ソウ太は残りのサンドウォームの核も取り出そうとすると、ソウ太の足元に流砂が現れて地中に引きずり込まれた。
目を覚ましたソウ太の目の前には、巨大な船があった。
とりあえず、ソウ太は船の中を探索していると大量の金塊とガラクタの山を発見した。
ソウ太はアイテムボックスに巨大な船・金塊・ガラクタを収納してから、この後どうするかと考えて時空間魔法を使って移動出来ないかと思い試してみるとソウ太の目の前に歪んだ空間が現れた。
ソウ太はその空間にセンニチ町の入口と繋がるように思い描くと目の前にセンニチ町の入口が映り出した。
ソウ太がその空間に入ると、そこはセンニチ町だった。
ソウ太は新しい魔法を覚える事が出来た事に感動して、思わずその場でガッツポーズをした。
ソウ太は冒険者ギルドに向かい、受付にサンドウォームの核を渡して討伐依頼の完了をして受付の人にギルド長に会えないかとお願いするとリンダがソウ太の目の前に現れてギルド長のいる部屋に案内してもらった。
そこでソウ太はギルド長のライオネットに先ほど手に入れた一部の金塊と一部のガラクタをアイテムボックスから取り出して見せた。
それを見たライオネットは体をワナワナと震わせてガラクタを手に取り、念入りに調べていた。
ライオネットはリンダを呼び、副ギルド長マリアを連れて来るように指示をしていた。
その後、リンダと一緒に来たマリアは面倒くさそうにライオネットとソウ太の顔を見たが…ライオネットが手に持つガラクタを見ると慌ててライオネットに近付き、ガラクタを大切に扱うように取り上げて調べ出した。
マリアはテーブルの上に自身のハンカチを置いてその上にゆっくりと慎重に置いた。
マリア)「ギルド長!!こ…これは、失われた[ドジャースの財宝]ではありませんか!!」
マリアはライオネットの胸ぐらを掴み、叫んでいた。
ライオネット)「ま…マリア…と…とりあえず、落ち着け!!」
胸ぐらを掴むマリアの手を払いのけながらライオネットは言った。
マリア)「これが落ち着いていられる事ですかぁー!!歴史的なお宝の大発見ですよぉ~!!」
その時、マリアはソウ太の存在に気付きニヤリと笑い、ソウ太の両手を掴もうとしたが、ソウ太はそれを避けるように移動した。
マリアはソウ太の座っていた椅子に体を当てて、ライオネットは額に手を当てて、首を左右に動かして「やれやれ」と言っていた。
ライオネット)「ソウ太、これを何処で発見したのか?詳しく教えてもらおうか?」
そこでソウ太はウンカイ砂漠での出来事を話した。
その話を聞いていたマリアは、ソウ太の体を捕まえようと抱きついてきたが、ソウ太はそれを避けながらライオネットを見て話をしていた。
受付嬢のリンダはため息をして、3人に紅茶を用意していた。
ライオネット)「ソウ太くん!!これは…失われた財宝でね…それで…ソウ太くんはこの財宝をどうするつもりなのかな?」
ソウ太)「ライオネットさん、オラ…今は物凄く大量のお金が必要なんです。その…この町に自分の家、とても大きな家を建てたくて、それと広大な土地も必要なんです。」
その話を聞いたライオネットは、ソウ太に提案をしてきた。
ライオネット)「ソウ太くんさえ良ければ、この冒険者ギルドが所有している広大な土地とそこにある大きな家を君に渡す事が出来る…その~ドジャースの財宝をだね…この冒険者ギルドに渡してもらう事が出来るなら…という条件なのだが…ちなみに金塊はソウ太くんが持っていて良い!!何ならその金塊をお金に換金する所にも案内をしよう…どうだろう…」
ソウ太)「ライオネットさん、この品物を渡す事は良いですよ。その土地はどの辺りになるのでしようか?…後…オラ、建物を作り変えても良いのかな?」
するとライオネットはニヤリと笑い、リンダに指示を出してセンニチ町の地図を用意させた。
ライオネットはソウ太に説明した…その場所はこの町の真ん中の土地で、その土地の大きさが普通の家が100軒は入る広さでそこに少し大きな家が一軒建っているらしかった。
ライオネットは説明をしながら土地の権利書をソウ太に見せてきた。
その後…ソウ太とライオネットの二人は、その建物のある場所を案内してもらうと…冒険者ギルドを出た目の前の土地…空いている土地とその土地にポツンと建っている家がそうだとライオネットが言うのでソウ太はライオネットに交換する事に了承した。
次にソウ太はライオネットに財宝を何処に出したら良いのかと聞くと…冒険者ギルドの裏にある倉庫に案内された。
そこでソウ太はライオネットに見えないようにしてアイテムボックスから財宝を倉庫に出した。
ライオネットはソウ太の了解を得たので、倉庫の中に入ると呆然としてカタマっていた。
そこには、ドジャースの財宝とドジャースの船が倉庫内にあった。
ライオネットは慌ててリンダとマリアを呼び寄せた。
マリアが倉庫内に入ると見渡す限りのドジャースの財宝と船を見て、その場に自身の膝を地面につけて座り、感動をして静かに泣いていた。
ライオネットはソウ太に土地の権利書と家の鍵を渡して、リンダにソウ太に金塊の換金所の案内を指示した。
その後、ライオネットは倉庫に入り、マリアと二人、お互いに手を取り合いながら、ドジャースの財宝を前に泣いて喜んでいた。
リンダはソウ太を連れて換金所の場所に向かった。
リンダがソウ太とそのお店に入り、リンダがお店の店員に話しかけると、お店の奥から1人の老人がソウ太とリンダの前に現れたのでリンダはソウ太に会釈をしてそのお店から出て行った。
老人)「初めまして、ワシはここの責任者であるセルロースと申します。どうぞ、よろしくお願いします。…もし良ければ、あなた様のお名前をお聞かせください」
ソウ太は自身のお名前を言うとセルロースはお店の奥にソウ太を案内した。
案内された場所は頑丈なテーブルに羽毛の椅子が二つあった。
セルロースとソウ太は向き合うように椅子に座り、そこに綺麗な女性が白い下着姿でソウ太の前に現れて紅茶の用意をした。
女性は後ろに下がり扉の前に待機した。
セルロース)「ソウ太さん…そう…緊張せんでほしい。…とりあえず、商談からしましょうか?…金塊を換金してほしいとの事ですが…どのくらいの量ですか?」
するとソウ太はテーブルの上に金塊を10K程置いた。
セルロース)「ソウ太さん…この金塊を触っても良いですかな?」
ソウ太が頷くとセルロースは金塊を調べてから待機している女性に指示をした。
セルロース)「ソウ太さん、この金塊はどのくらいありますかな?今、出された金塊をワシは1,000万ギルで買い取ります。」
ソウ太は素直に100トンあると言うとセルロースは驚いていた。
セルロース)「ソウ太さん…とりあえず今日はこのくらいにしていただけますかな?…その~金塊が流出しすぎると値打ちが下がりますので…お願いします。」
セルロースはソウ太に頭を下げてお願いしてきた。
ソウ太は換金されたお金を受け取り、セルロースから白いカードを渡された。
セルロース)「このカードがあれば、その辺の貴族はソウ太さんに逆らえず、施設は無償で利用出来ます。…良かったらお持ちください。」
ソウ太はセルロースに感謝して、お店から出て行った。




