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オラの嫁  作者: う丸
第2章 魔国キングシャドゥ
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シルフィとミュウの怒り

今日もありがとうございます

ゾルト達とゴルド達は大きなテーブルを挟み、お互いに向き合うようにして椅子に座っていた。

シルフィ)「そ・れ・でゾルト…何用でここに来た?この間の1人の男性魔族の事なら今回は特別に許してやろう!!」

シルフィは眉間にシワを寄せてゾルトを睨み付けていた。

ゾルト)「いや…ワシ…久しぶりに…そのぉ…ワシら…久しく会った訳で…そのぉ…感動的…と言いますか…穏便に…と言いますか…」

ゾルトは更に機嫌を悪くしたシルフィと顔を真っ赤にして怒っているミュウの二人に睨まれて体を震わせていた。

ミュウ・シルフィ)「あぁあん(怒)!!」

ゾルトは隣にいたコウハイの肩に触れながら話しかけていた。

ゾルト)「ねぇ~キミ…久しぶりの再開だったらもう少し暖かく迎えるよね。」

コウハイ)「ゾルト様、あなた様のキャラクターが変わっております。後…何やら険悪な雰囲気のようですが…ゾルト様、もう帰りませんか?」

コウハイの話を聞いたミュウとシルフィの二人は満面の笑顔になりながら頷いていた。

ゴルド)「ミュウ、それにシルフィさんも…そのくらいにして…」

ミュウとシルフィの二人はゴルドを睨み付けた。

セシル)「ミュウちゃん、シルフィさん、このままだと話が進まないわ。ホンの少しで良いから相手のお話も聞いてあげましょう。」

ゾルトはセシルの顔を見て微笑んで見ていた。

ゴルド)「おう!!オッサン!!ワシの大切な嫁さんに手を出そうとしとるんとちゃうやろうな?あぁあん(怒)」

ゾルトはゴルドの顔を見て首を左右に高速で動かした。

スイカ)「ゾルト様!!私はもう我慢なりません!!何故あなた様のようなお方がこんなに弱そうな人間?のような存在にペコペコとしないといけないんですかぁ?」

シルフィ)「言うやないか…魔族の小娘…一度…自殺したくなるくらいに痛めつけてやろうか?」

スイカは手を伸ばしてシルフィの首を掴もうとしたがシルフィは姿を消してスイカの背後に現れてスイカの後頭部を鷲掴んだ。

するとスイカは自身の体を水に変化させて流れ落ちるようにしてシルフィの手から逃れた。

スイカはシルフィの座っていた椅子に座って現れた。

シルフィからブチッと音がしたが隣で座っていたゾルトが慌ててシルフィの腕を掴もうとするとシルフィはゾルトの顔面を鷲掴みにして阻止した。

その場の雰囲気が一瞬にして殺伐とした感じにガラリと変わった。

コウハイがシルフィの体を貫こうと自身の腕を光の剣に変えて伸ばしてきた。

フウシもコウハイと同じように自身の腕をハリケーンに変えてシルフィの体を貫こうとした。

そこにシルフィの前にいたスイカが自身の体をいくつもの水の刃物に変えてシルフィの体に迫った。

その時、シルフィはゾルトの掴んでいた顔面を解放してコウハイの頭を掴み地面に叩きつけ、フウシの胸ぐらを掴み持ち上げると力いっぱいに地面に叩きつけた。

そこへスイカ自身の水の刃物がシルフィに迫ってきたがシルフィは迫ってくる刃物を凍らせながら掴み取り、刃物を全て掴むと地面にぶつけて叩き割ろうとした。

刃物を地面に当たると粉々に砕けちり、砕けた氷は一つに集まりスイカが現れたがシルフィはスイカの頭を鷲掴み、消滅の魔法を使おうとした。

スイカはそこで全てを悟った。

[私は…手を出してはいけない何かに手を出して怒らせた…ゾルト様に迷惑をかけてしまった…私は…ここで…死ぬのね…最後の最後で私はゾルト様をお守り出来ず、しかも私のせいで仲間が殺されるかもしれない…イヤだ…イヤだ、イヤだ。イヤだぁあ!!]


その時、スイカの体を優しくて暖かくて安らぎのような感じが包み込んだ。

スイカが目をゆっくりと開けると知らない男性にお姫様抱っこをされていた。

ソウ太)「シルフィ、そんなに怒らないでオラからのお願いだよ。」

ソウ太はスイカの体をゆっくりと降ろして立たせた。

ソウ太)「大丈夫ですか?」

ソウ太はスイカの顔を見て微笑みかけた。

その後、ソウ太はミュウとシルフィに近付くと二人を優しく包み込むように抱き寄せ、愛情いっぱいの笑顔でミュウとシルフィを見た。

ミュウ・シルフィ)「ソウ太…何故そんな女を助けて…お姫様抱っこをした?」

ミュウとシルフィの二人は困惑しながらソウ太を見た。

ソウ太)「ごめんなさい。でも、急いで助けないと死んでしまうと思ったから…」

そう言ったソウ太はミュウとシルフィの二人の顔を悲しそうな笑顔で見た。

シルフィ)「でも…あやつが…」

ソウ太は怒りながら話しかけてきたシルフィの唇を自身の口付けでふさいだ。

シルフィは顔を真っ赤にして静かに黙り込むと今度はミュウがソウ太に訴えかけるようにソウ太の唇を見た。

ソウ太はミュウの唇に自身の口をゆっくりと近付けて口付けをした。

ソウ太がミュウの唇から離れるとミュウは切なそうな表情でソウ太の目を見ていた。

ゾルト達、ゴルド達から見て、ソウ太はミュウとシルフィの二人にとって先ほどの殺伐とした雰囲気そのものさえ忘れさせてしまうように優しく包み込んでいるように見えた。


ソウ太)「シルフィ、ミュウ、周りの皆さんに自己紹介しようと思うのだけれども手伝ってもらえるかな?」

ミュウとシルフィの二人はソウ太に言われた通りに、まずはソウ太をゾルト達に紹介するとゾルト達も慌てて自己紹介した。

ゾルト達は先ほどのミュウとシルフィが今、目の前で見ている人物と同じようには見えなかった。

ミュウとシルフィの二人はソウ太の腕を優しく包み、顔はまるで女神のように優しく微笑んでいた。


ゾルト)「ソウ太さんだったかの…失礼を承知でお伺い致します。今のシルフィさんと先ほどのシルフィさんは同じ人物でしょうか?」

ソウ太は笑顔でゾルトを見て答えた。

ソウ太)「ミュウもシルフィもオラの大切なお嫁さんです。」

そう言われたミュウとシルフィは体をくねくねとさせて悶えながらソウ太にしなだれかかって甘えていた。

スイカは心の中で羨ましく思い、ソウ太を注意深く見ていた。

ゾルト)「ソウ太さんやこの度は本当に申し訳ない事をした。かなりご迷惑をおかけしたかもしれない…」

ソウ太)「ゾルト様はカギャクをどうされますか?もし、連れて帰るのでしたら今、この場に出しますが…」

ゾルト)「…あやつの処分はソウ太さんにお任せします。好きにして下さい。」

そう言われたソウ太は悩み込んでしまった。

シルフィ)「ソウ太…別に悩まずに処分してしまえば…あなたはそういう人だったっちゃ…わかったっちゃ、ウチが後で有効利用するっちゃ」

シルフィの目が怪しく光った瞬間をゾルト達は見てしまい体を震わせた。

ソウ太)「シルフィ、ありがとう。助かるよ。」

シルフィ)「ソウ太のためなら何だってするっちゃよ。」

そんなシルフィを見てゾルト達は[カギャクの扱い方]を考えてから静かに両手を合わせた。

ゾルト)「ソウ太さん…ワシらと有効関係…もとい同盟のような関係をワシらと結ばんかね?」

ソウ太)「ゾルト様…オラはそこまで価値のある存在とは…」

シルフィ)「ゾルト…何を企んでおる?」

ミュウ)「もし…ソウ太を利用しようとしているなら…」

シルフィとミュウの顔が般若のように怒りだした。

ゾルト)「ソウ太さん…ワシらは最初から平和主義じゃよ」

シルフィとミュウの二人がゾルトの顔を冷めたように目を細めて見ていた。

ゾルト)「わかった!!ではスイカとフウシの二人をソウ太さんの嫁にやろう!!これでどうじゃ?」

ソウ太が答えるよりも早くミュウとシルフィの二人が答えた。

ミュウ・シルフィ)「ゾルト…ソウ太はそういう事が嫌いよ!!」

スイカは少し残念そうに思い、フウシは無表情でソウ太の顔を見ていた。

ソウ太)「ゾルト様、同盟のお話は…また後日にでも話し合いましょう。オラ、ゾルト様にお会いできて良かったです。」

ソウ太は椅子から立ち上がりゾルトに歩みより握手を求めた。

ゾルトとソウ太の二人が握手をするとシルフィがゾルト達の目の前に空間の歪みを作り出し、魔国キングシャドゥに瞬間移動できる入口を作り出した。

ゾルト達はソウ太達全員に見送られながら瞬間移動の入口に入り戻っていった。

ゴルド)「ソウ太、お前は周りを信用しすぎるから、ここにいる俺たちは家族だ。何か決めるなら俺たちにも相談して欲しい。」

セシル)「そうよ。ソウ太ちゃんは私達の大切な息子なんだから何でも相談してね。じゃないと私達…寂しいわ」

セーラ)「そうですよ。ソウ太さん、アタイ達も協力しますから何でも相談して欲しいですよ。」

ルーシー)「そうやでぇ~!!ワテもソウ太さんに協力しますからねぇ~」

カイン)「(それがし)も一緒に考える。」

サトル)「小生(しょうせい)も同じく、頼ってくだされ。」

ソウ太)「皆さん、ありがとうございます」

ソウ太はゴルド達に頭を下げるとゴルド達、ミュウ、シルフィはソウ太を優しく見つめていた。


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