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オラの嫁  作者: う丸
第2章 魔国キングシャドゥ
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慌てる魔王ゾルト様

今日もありがとうございます

タバサム、コハク、センクウ、キノジの4人は自分達の元騎士団の隊長であるテンゲンの落ち込んでいる姿を見て、ソウ太に相談をした。

ソウ太はリンカ達5人に子供達の世話を任せて、元気の無いテンゲンとタバサム達4人を連れて、センニチ街にある飯処(めしどころ)[ぼさつ]に来た。

テンゲンはしょんぼりとして見るからに落ち込んでいて、ソウ太は店員に頼み、スタミナのある料理を頼んだ。

ソウ太)「テンゲンさん、オラが余計な事をしたからご迷惑をかけて申し訳ありません。」

テンゲン)「ソウ太様!!何を言われますか!!これは私が子供達にツラい運動を押し付けた結果でこうなった事です。ソウ太様が謝る事など一切ありません!!」

そう言ったソウ太に対してテンゲンは慌てて否定した。

ソウ太)「オラ、本当にテンゲンさん達に感謝しているんです。テンゲンさんが子供達のためにいろいろ考えて下さっているからオラは自分のやりたい事が出来る。オラ、本当にテンゲンさんには頭が上がらないです。」

そう言われたテンゲンは少しテレるように人差し指で自身の頬をかいていた。

ソウ太)「今回はオラ自身、良かれと思いやり過ぎましたが、子供達は純粋な心を持っています。だから、テンゲンさん達の思いは子供達にも伝わると思いますよ。」

そこにお店の店員が料理を運んで来た。

ソウ太)「今日はオラからテンゲンさん達にお世話になっている感謝と子供達のために頑張っているお礼をかねまして、ここでたくさん召し上がって下さい。もし…お酒が必要なら構いませんからじゃんじゃん頼んで飲んで下さい。」

テンゲン達はエールを注文しソウ太も同じようにエールを注文した。

店員がエールを6つソウ太達の所に持ち運んで来ると、お互いにエールの入った器を持って乾杯の音頭をとった。

そこからテンゲン達5人はエールを3杯立て続けに飲み干して、陽気に笑い合っていた。

ソウ太はテンゲン達の様子を見て安心した。


その時、お店にダイダロスとヘラクレスとその仲間と思われる男性が12人入って来た。

ソウ太はダイダロスに気がつき会釈をしようとするよりも早く、ダイダロスとヘラクレスの二人はテンゲンに近寄って来た。

ダイダロス)「テンゲンさん、お久しぶりです。まさか、こんな街に来られていたとは驚きです。」

ヘラクレス)「テンゲンさん、お久しぶりです。今日はお仕事でこちらに来られたのですか?」

テンゲン)「おう。ダイダロスにヘラクレス、久しいな。俺達は騎士団をクビにされてな…今はこちらにおられるソウ太様のもとで働かせてもらっているのよ。」

そう言われたダイダロスとヘラクレスとその仲間達はソウ太の顔を見た。

ダイダロスの仲間)「新人が真っ昼間からお酒ですかぁ~?」

「新人サマはお偉いんですねぇ~」

「新人サマ、いつも一緒にいる女性の二人はほっておいて良いんですかぁ~?」

ダイダロスの仲間達はソウ太をからかい始めた。

ソウ太)「テンゲンさん、タバサムさん、コハクさん、センクウさん、キノジさん、オラ、先に自宅に戻っています。テンゲンさん達はここでゆっくりとしていて下さい。」

ソウ太が席を立とうとするとテンゲンがソウ太の肩を掴んだ。

テンゲン)「ダイダロス…ソチラの男達は…お前の仲間で間違いないよなぁ~」

ダイダロス)「テンゲンさん、どうされたんですか?こんな新人が少しからかわれただけでしょう。」

テンゲンは顔を真っ赤にして怒り、ダイダロスに近付こうとしたが、ソウ太がテンゲンの腕を掴んだ。

ソウ太)「テンゲンさん、お願いします。ここは穏便に、オラ、用事を思い出しましたので先に戻りますね。」

ソウ太はダイダロス達の横をすり抜けるように歩き始めたが男性の1人がソウ太の足元に足を出して通行の邪魔をしようとした。

ソウ太は気にせずに、それを避けてカウンターに向かったが、テンゲン達5人は立ち上がり、ダイダロス達を無理やり外に連れ出した。


キノジ)「ダイダロス…10年前にお前に戦闘のイロハを教えたのは誰じゃったかもう忘れたのかの?ワシらの主様を(さげす)んでタダで帰れると思わん事じゃ」

タバサム)「お前らに教育をしてやろう!!自分達の主をバカにした事をきっちりと後悔させてやる!!」

コハク)「お前ら…コロス…」

センクウ)「お前ら生きて帰れると思うなよ!!」

テンゲン)「ダイダロス…ヘラクレス…昔はもっと思いやりのあるヤツだったはずだが…俺達がお前らの性根を叩き治してやる!!」


ダイダロス)「テンゲンさん…キノジさん…仕方ありません…」

ヘラクレス)「テンゲンさん…こんなガキ、どうでも良いでしょう。」

テンゲン達はダイダロス達を殴ろうとしたが、それより早く会計を終わらせたソウ太がテンゲン達とダイダロス達の間に現れて、一瞬で皆を地面に倒した。

テンゲン達、ダイダロス達が気がつくと、地面に仰向けで大の字に倒れ、空を見ていた。

ソウ太)「皆さん、ケンカはダメですよ。ここはみんなが食事をするお店の前です。今日はオラがここの食事代を持ちますから皆さんはここのお店でたらふく食事をしてください。」

そう言ってソウ太は自宅に向かって歩きだした。


ダイダロス)「テンゲンさん…今のは…ソウ太さんですか?」

テンゲン)「おそらく…俺自身、気が付かなかった…」

ヘラクレス)「テンゲンさん…ソウ太さんは…何者なんでしょうか?」

テンゲン)「俺達の大切な主様だよ…しかし…どうやったら俺達全員を地面に寝かせる事が出来るんだ?…おそらく…ソウ太様は…本気でやってないと思う…」

キノジ)「ワシも長い事、生きとるが…ソウ太様を起こらせたらマズイじゃろう…」

その日、テンゲン達とダイダロス達全員はソウ太の言われた通りにお店で食事をして、愚痴やら冗談やらソウ太に対する謝罪やらを言いながら皆、仲良くお店から出て解散した。


翌日、ソウ太が住んでいる自宅にダイダロスとヘラクレスの二人が謝罪に来た。

そこでソウ太はテンゲン達5人とダイダロスとヘラクレスの二人を連れて飯処[ぼさつ]に行こうとした。


ソウ太達8人が歩く先に1人の男性と二人の女性が目の前に現れた。

そこへミュウとシルフィの二人がソウ太の腕を取り、寄り添うように急に現れた。

テンゲン達とダイダロスとヘラクレスはミュウとシルフィの二人に驚いていたが、目の前の男性はお構い無しに話しかけてきた。

男性)「あの~カエンって人物を知りませんか?」

シルフィ)「魔族がこんなヘンピな街に何ようじゃ?」

女性A)「なぁ!?…あなた…タダ者ではないわね?」

ミュウ)「シルフィ?カエンって…この間の?」

シルフィは呑気に相手の質問に質問で返答し、ミュウはシルフィに質問していた。

テンゲン達とダイダロス達は目の前の3人に恐怖して体を震わせていた。

ソウ太)「テンゲンさん、先に[ぼさつ]のお店に向かって下さい。」

テンゲン達、ダイダロス達は我に返って頷き、体を震わせながらお店に向かった。

ソウ太)「あの~魔族さん…場所を変えませんか?」

女性B)「せっかくぅ~ここまでぇ~来たんだからぁ~」

シルフィは自分とミュウとソウ太の3人と目の前の魔族3人を瞬間移動させた。


シルフィが瞬間移動した場所は、先日、1人の魔族と出会った場所だった。


シルフィ)「お前らの目的は…だいたい想像がつく…とりあえず、ほれ…」

シルフィが手を前に出すと魔族3人の前に眠っているカエンが現れた。

シルフィ)「ゾルトに伝えよ。もし…この先、お主らがワシらの住む所に攻めて来るようなら、お主らの国に白雪を振らすぞ!!」


女性A)「そんな一方的な事言われても…私達は竜を探しています。」

シルフィ)「そんな事、わかっておるよ。だから、ゾルトに我が言った事を伝えよ!!それで全て解決じゃ…ほれ…そこへ入ればキングシャドゥじゃ」

シルフィは魔族達の目の前に歪んだ空間を作りだした。

言いたい事があるような顔をした魔族達3人は仕方なくカエンを()(かか)えて、シルフィが作った空間に飛び込んだ。


魔国キングシャドゥに瞬間移動したスイカはかなりご立腹だった。

スイカ)「なんなのよ!!あんな一方的な会話…」

カワラケ)「とりあえず、ゾルト様にご報告しに行くよ。」

スイカ達3人は眠っているカエンを(かか)えてゾルトの前に来た。

ゾルトはカエンの姿を見るとカエンに歩み寄り、()(かか)えて目に涙を貯めて喜んだ。

ゾルト)「お前達…よくぞ無事に帰って来た。本当に良かった。カエンも無事で本当に…ほんとうに良かった…」

ゾルトはカエンの寝顔を見て、我慢しきれず涙を流した。

スイカは先ほどあった事をゾルトに話した。

ゾルト)「そうか…死神竜シルフィは生きておったか…これよりワシら魔族はセンニチ街との干渉を禁止する。」

するとコウハイが慌ててゾルトに伝えた。


コウハイ)「申し上げます。カギャクがセンニチ街に向かっています。」

ゾルト)「そうか…ではこれよりワシはセンニチ街に(おもむ)いて死神竜に謝罪して来るとするか…」

コウハイ)「いやいや!!ここは我らにお任せ下さい!!今すぐ…」

ゾルト)「良い…それに、久方ぶりに死神竜に会いたいからの。」

コウハイ)「では我々もゾルト様にご同行させていただきます。」

スイカ)「ゾルト様、その死神竜は…ゾルト様自(みずか)ら向かわれる程の方なのでしょうか?…失礼ながら先ほど見た感じですと…」

ゾルト)「スイカよ、おそらく死神竜は気配を消しておる。理由は…おそらく…いや…しかし…うむぅ…だがしかし…」

スイカ達の前でゾルトは悩んでいた。

スイカ)「ゾルト様?理由は…」

ゾルト)「おそらく…死神竜は結婚しておる。」

スイカ達)「はい!?」

ゾルト)「とりあえず、現地に向かうぞ!!最悪…この国が消滅してしまう!!」

ゾルトはカエンを()(かか)えて自室のベッドに寝かせてから慌てて動きだし、スイカ達もそれに習うように後についていった。


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