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オラの嫁  作者: う丸
第1章 ソウ太の家族
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ソウ太、龍を助ける

書き始めですが、よろしくお願いいたします。

ミゼット村に住んでいるソウ太は薬を作るためにウシオ山に薬草を探していた。

すると、ウシオ山に登る途中に[全快草]を発見して、川の側で1輪の(ホトケ)(ソウ)を発見した。

仏草の花を横に(かたむ)けて、花の中にある蜜を空の水筒に入れて[生命の雫]を手に入れた。

ソウ太)「今日は運が良い。めったに手に入らないモノが2つも手に入った。」

ソウ太は嬉しくてスキップをしながら山頂を目指した。


ソウ太が山頂近くを歩いていると、そこには白銀の傷付いたドラゴンが倒れていた。

ソウ太がドラゴンの様子を(うかが)うと弓矢が片目に一本刺さり身体中は刃物でいくつも斬られて傷付きドラゴンの背中にあった羽も刃物で斬り落とされて赤い血が流れていた。

ソウ太は慌ててドラゴンに近付き助けようとするとドラゴンはしっぽでソウ太の体を攻撃してきた。

ソウ太は吹っ飛び地面に叩きつけられて物凄く痛かったが必死になって傷付いたドラゴンを助けようとした。

ソウ太は何度もしっぽの攻撃をくらったが必死になってドラゴンに近付いた。

するとドラゴンは諦めたのか攻撃をしなくなったのでソウ太は刺さっている弓矢を両手で掴み引っ張った。

ドラゴンはあまりの痛さに暴れ出したがソウ太は掴んだ弓矢を必死になって掴み離さずに振り回されていたがその拍子に刺さっていた弓矢が抜けた。

ソウ太は抜けた弓矢の先を見て綺麗に抜けた事を確認してホッとしていたが、直ぐにドラゴンに採取したばかりの[生命の雫]を飲ませ怪我をしている所に急いで()り潰した全快草を塗りつけた。

すると、傷付いたドラゴンは跡形も無く元通りになり、安心したソウ太は意識を失った。


ソウ太が目を覚ますとドラゴンがソウ太を見ていた。

ドラゴン)「何故、我を助けようとしたのだ?我を殺せば大金が手に入ったのだぞ!!」

ソウ太はドラゴンの顔を見て、微笑みながら言った。

ソウ太)「あなた様は守り神様だと思いました。オラは無駄な殺生はしたくないです。助ける事が出来るなら、オラは助けたい。たとえ、あなた様に食べられてしまったとしてもオラは後悔はしない!!そんな事よりオラは見捨てる事の方がよっぽど後悔する。」

ドラゴンはソウ太の顔を見てニヤリと笑い、体が光った。

するとそこには、白銀の髪をした裸の女性がソウ太の目の前に現れた。

ソウ太は慌てて自身の肩掛け鞄の中から男物の服装を取り出して、目の前の女性に渡した。

女性はソウ太から服を受け取り首をかしげながらソウ太を見ていた。

ソウ太は女性に服を着せたが、胸元が隠しきれずに見えているので慌てて鞄の中から包帯を取り出し胸元に包帯を巻いた。

ドラゴン)「何を焦っておるのじゃ?」

ソウ太)「オラは女性の裸を見た事があまり無いので…焦っているのです。」

ソウ太は顔を真っ赤にして言ったがドラゴンはソウ太の顔を見ていた。

ドラゴン)「そういうモノか?よくわからんが…別に見たいのなら遠慮せずに見て良いのじゃぞ。…そういえば…お主の名はなんと言う?」

ソウ太)「オラはソウ太って言うだよ。オラもあなた様のお名前が知りたいので教えていただけないだろうか?」

ドラゴン)「我か?我はミュウと呼ぶ。特別にソウ太には我の名前を呼ぶ事を許してやろう。」

ミュウは胸を反らして言った。

ソウ太)「ミュウ様、お怪我が治り、お元気になられて本当に良かったよ」

ソウ太は微笑みながらそう言った。

ミュウ)「ソウ太!!我はミュウじゃ。[様]はいらん!!」

ソウ太)「そんな事、オラには出来ない!!あなた様はオラにとって神様だから、そんな烏滸(おこ)がましい真似は無理だよ。」

ソウ太は慌ててミュウに言った。


そこでミュウのお腹が盛大になった。

ソウ太は鞄の中からさつまいもを取り出し枯れ木を集めてたき火をしてさつまいもを焼いた。

続けて鞄の中からパンやおにぎりを取り出してミュウに手渡し食べてもらった。

ソウ太は辺りを見渡し何か食べられる物が無いか探して山菜・キノコを見つけ出し採取して野ウサギ・野鹿を弓矢で射止めて血を抜き皮を()いで解体をした肉に塩・胡椒をして、たき火の側で焼き始めた。

山菜とキノコは自前のフライパンで自家製のバターで炒めてミュウに渡した。

ミュウはお腹が物凄く空いているのか、ソウ太の用意した料理を食べて喜びだした。

ミュウ)「ソウ太!!旨かったぞ!!お主!!我の専属の料理人にしてあげよう!!」

ミュウがソウ太にそう言うとソウ太は喜びながらミュウの両手を掴んだが慌てて手を離してミュウに謝った。

そこでミュウはソウ太という人物に疑問をもったので素直に質問してみた。

ミュウ)「のう、ソウ太、1つ質問しても良いか?」

ソウ太はミュウの顔を見て頷いた。

ミュウ)「ソウ太は怒るという感情はあるのか?」

そう言われたソウ太は考えて…思ったままに答えた。

ソウ太)「ミュウ様には、オラは怒らないだよ。それに神様だよ。オラ…ミュウ様に何かをさせてもらえるだけでとても幸せだよ。」

ミュウはソウ太の目を見てから微笑み、さつまいもが焼けたので、ソウ太はミュウに焼きたてのさつまいもを手渡した。


夕方になってきたのでソウ太はミュウに断り、ウシオ山を1人で降りようとするとミュウもソウ太についてきた。

ソウ太は嬉しくなって微笑みながら一緒に山を降りた。

ミゼット村に到着すると自身の家にミュウに案内して夕飯の準備をした。

夕飯は山菜、キノコ、野鹿の肉のスープを作り、パンと一緒に食べる事にしたが…ミュウには料理の量が少なかったようなので、ソウ太は慌てて納屋にある保存食の燻製肉をミュウに渡すと全て食べ尽くして満面な笑顔で寝てしまった。

ソウ太はミュウの体に布団をかけて翌朝の料理の事を考えて、1人でウシオ山に登り闇夜の中、山菜、キノコなどの食材を探しにいった。


翌朝、ソウ太は昨夜の内に手に入れた食材を使って料理をして、お米を10合炊き出し、ミュウがお腹を空かせないようにパンの準備をした。

ミュウは美味しそうな匂いにより目を覚まして、目の前のパンと出来立ての山菜とキノコのスープを平らげて、炊きたてのお米10合全て食べて満足した。

ソウ太はミュウの笑顔を見て微笑みながら、ミュウに一言「ウシオ山に登って来ます」と言うとミュウは立ち上がりソウ太についてきた。

ソウ太は、肩掛け鞄といつも以上に大きな鞄を(かつ)いで、ミュウと一緒にウシオ山に登った。

ソウ太は木に登り、木の実を取り、野ウサギ、野鹿、猪、牛を弓矢で射止めてその場で血抜きをしながら出来るだけたくさんの山菜・キノコを集めた。


お昼になり、牛を一頭を解体して塩・胡椒をして山菜とキノコをあわせて、たき火を準備してから焼き始めた。

ミュウはソウ太の用意した料理を全て食べて、満面な笑顔になっていた。

ソウ太もミュウの笑顔を見て嬉しくなり微笑みながら、食材を担いで自身の家に戻った。

ソウ太はミュウのために夕飯の準備をしながら、野鹿を解体して塩・胡椒をして焼いた料理と牛から手に入れたミルクを使って山菜、キノコ、鹿の肉を使ってスープを作り、お米を10合炊き出し、朝の内に準備しておいたパンも焼き始めた。

料理が出来るとミュウは全て食べ尽くして寝てしまったのでソウ太は自身の畑に行き、食べ頃の野菜を収穫して、田畑を(たがや)して野菜の収穫量を少しづつ増やしていった。

ソウ太が食材の在庫を見て、またウシオ山に登り、山菜、キノコを取りにいった。


そんな暮らしを1ヶ月程していると、ミゼット村でミュウの事が噂になり、村長の息子であるヘイゾウがソウ太に「ミュウに会わせろ!!」と言ってきたがソウ太はヘイゾウにミュウを会わせなかった。

すると、ヘイゾウが仲間を集めてソウ太の体を殴る、蹴るなどしてミュウに会わせろと言ってきたが、それでもソウ太はヘイゾウにミュウを会わせなかった。

そんな時、ミュウがソウ太の体のアザを見つけて、問いただしたが、ソウ太はミュウに「畑仕事で(ころ)げてしもた」と笑って話した。

しかし、毎日続くヘイゾウ達に攻撃にソウ太の体は限界をむかえて、ソウ太はその場に倒れてしまった。

ヘイゾウ達はニヤリと笑ってソウ太の家の扉を開けた。

するとそこには絶世の美女が畳の上に座っていた。

ヘイゾウ達は我慢が出来ずに、その女性の腕を掴もうと近付いたがミュウはソウ太が傷だらけで地面に倒れている姿を見ると怒りだしてヘイゾウ達の体を殴り飛ばした。

慌ててミュウはソウ太に歩み寄り、ソウ太の体を()(かか)えてソウ太の姿を見て泣きだした。

ソウ太は目を覚まして、ミュウの瞳の涙を(ぬぐ)うと、微笑みながら「大丈夫だから」と言ってミュウの腕の中で体を動かして立ち上がった。

しかし、ソウ太の体を優しく抱きしめていたミュウは泣き収まらず、ソウ太はそんなミュウの体を抱きしめて、ミュウの背中を優しく叩きながら「大丈夫だから」と何回も言って安心させた。


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