1話
テティスは、ゼウスのドンピシャだった。
【本日のゼウスさま浮気ターゲット】
名前 テティス嬢
出身 ポントス3丁目
職業 アルバイト(シーフラワーポントス店勤務)
趣味 模索中
身長 162cm
体重 ひ・み・つ
スリーサイズ 90,59,89
俺はいつも、顔とスタイルでしか判断しない。
となると、もうすでに素晴らしいのだが…
趣味は模索中だとぉっっ?!
それは…俺色に染めてくださいぃ!というアピールか…?
今まで手を出した女どもと言ったら…
俺の前では可愛い!!
が、それ以外だと俺と関係が出来たからといって…偉そうにする奴らが多い。
って、ヘルメスが言ってたな。
こんな内気で、しとやかな奴は初めてだ。
しかし予言によると、テティスとの子はいずれ自分を超える存在になるという…
[アトランティス市 金座 BAR地殻にて]
「おいゼウス、さっきから何を黙っていやがんだ?!」
ポセイドンは2海目のゴッドビアを飲みながら言った。
「ふっ…駄目だぞゼウス…予言は予言だ…お前には他に何人もいるだろう…ふぅ…マスター…私に4光年もののヘルワインを…」
と、見透かしたように言うハデス。
「わーってるよっ!マスター、俺にもゴッドビア。メガテュポン割りでっ!」
ゼウスはそう言い、ポセイドンを見た。
「はーん!そーんなにあの子が気に入ったかっ!ガハハハっ!俺も最初は良いなと思ったが…俺はもっとこう!!ボイーン!としてなきゃ物足りないなっ!ガハっ!!」
ポセイドンは塩を口から飛ばしながら言った。
「だいたいお前…ヘラに見つかればまた悲劇を生むぞ…お前の浮気は常に見つかるからな…ヘラの追跡眼からは逃れられない…ふぅ…マスター…このヘルワインは若いが…とても良い味をしているね…」
「ガハハハ!!まぁ、それもそうだがっ!!あの予言によるとよ!テティスなんかとやっちまったらよ!俺たちのパワーバランスだって危ういぜ!!」
ポセイドンは、たまにまともな事を言う。
「…ふーむ」
ゼウスはヘラの追跡眼をどうくぐるかよりも、ポセイドンの言うパワーバランスについて少し引っかかる点があった。
というのも、そろそろ自分達の力に限界を感じてきていたのだ。
俺を超える存在になる…か。
「ロックヒューマンのオリーブ湯漬けになります」
マスターは、三神達の前に大理皿を静かに添えた。
【用語説明】
⚪︎ゴッドビア
→広く一般的に神々の間で親しまれている飲み物。年齢制限はない。
補足:メガテュポン割(ゴッドビア樽に、テュポンを形どった氷山が入る。氷山には炭酸が入っている。)
⚪︎ヘルワイン
→冥界で毎年決まった時期に収穫される、魂葡萄からなる上質な飲み物。年齢制限はないが、飲んだ量により冥界へ近づく…
⚪︎ロックヒューマン
→メデューサが定期的に石にしている。美味しいが、歯に挟まる。




