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つりみこ3 ~LINDORM~  作者: 島風あさみ
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終章・その四

八尋やひろ起きろ~‼」

「わぁぼぉ⁉」

 風子ふっこのおはようボディープレスで強制起床させられました。

「……って、あれ?」

 目を覚ますと知らない天井……ではありません。

「そっか……ぼく、先生の部屋で眠っちゃったんだっけ」

 歩たちからの逃亡に成功した八尋は、由宇ゆう先生に見つかって社務所しゃむしょに一時保護され、風子と合流して先生の部屋で情報交換と議論を重ねたのです。

 ――訂正、先生と議論したのは風子でした。

 由宇先生が持つ知識や解読されたばかりの記録と、風子のSF知識を重ね合わせた結果……。

「えっと、あれからどうなったんだっけ?」

 八尋は難しい話が始まったところで眠り込んだので、異世界創世談話の行方ゆくえは夢の中。

「検証はまだだけどぉ、謎のほとんどはけちゃったわよぉ?」

「わあっ!」

 ベッドのわきにいた由宇先生は、下着が丸見えのスケスケネグリジェを着ていました。

「まさかネコミミの由来ゆらいまでわかるとは思わなかったわぁ」

 先生は歩と一緒でおっぱいが大きく、歩より全体的にムチムチもっちりしています。

「なんでここの人って羞恥心が変なの⁉」

「それでどうにかなる八尋じゃないから~、みんな安心して脱衣アーマーパージできるんだよ~」

 要領ようりょうのいい風子は、すでに制服に着替えています。

「それ以上軽量化してどうするの⁉」

 一番重いエアバッグを捨てずに軽くなれる訳がありません。

「そんな訳で八尋も脱衣だ~! さっさと着替えろ~!」

「わあちょっと待ってネグリジェ引っ張らないでよ!」

「早くしないと朝ごはん抜きだよ~? お昼ごはんになっちゃうよ~?」

 時計を見ると午前九時を回っていました。

「ホントだ……って、陸女おかじょの二人は?」

「もう行っちゃったよ~」

 陸野おかの女子高校海釣り研究部の藍子あおこ百華ももかは、対立の時代を終えた川釣り部との合流を果たすため、始発電車で出立しゅったつしています。

「ちゃんとお別れしたかったのに……」

「お昼に召喚されるんでしょぉ?」

「そっか、また会えるんだっけ」

 玉網媛たまみひめの予告では、今日のお昼に召喚されるはず。

 時差などでズレる可能性があるので、朝食くらいはとっておきたいところです。

「私はもうちょっと寝るわねぇ。昼食の時にでも起こしてぇ」

 議論で徹夜したので疲れている模様。

 対して風子の元気は若さによるものか。

「たぶん釣りしてると思うよ~」

「じゃあ終わったらスマホで起こしてぇ。部室小屋で食べるからぁ」

「この人無銭飲食する気マンマンだ!」

「あゆちゃんは~、自分で釣った魚を食えっていってたよ~」

「歩さんはどこ?」

「さよちょんと釣り行った~」

 平常運転のようです。

「嫌ならゴンズイ食べろって~」

「私ぃ、しばらくゴンズイ見たくないわぁ……」

「ぼくは食べたいかな?」

「じゃあ着替えろ~!」

「きゃあっ⁉」

 ポポーンと脱がされました。

「やめてよ一人で着替えるから! 制服はどこ⁉」

「大部屋~」

 ダッシュで部屋を飛び出す風子。

 その手には八尋のネグリジェがにぎられています。

「キャ――――――――ッ⁉」

 ブリーフ一丁で廊下ろうかを歩く破目はめになりました。

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