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8 魔法創造について3行で纏めろ 前編

神様との会合が終わる瞬間告げられた魔法創造のデメリット。

まぁ大体予測はつくけど一言物申さねば気が済まない。

赤城恵(ナターシャ)は怒りを露わにLINE(神)を開く。

 どうも、赤城恵(ナターシャ)です。

 今俺はとても怒っています。メロス並に激怒しています。

 何故なら魔法創造(厨二)にデメリットがあると判明したからです。

 実はもう大体予測は付いてます。多分精神が若干中二病に汚染されるとかそんなんだと。

 なので洗礼後着替えて、母親の温もりをたっぷり堪能してから自宅に戻った俺は自室にてスマホを操作してLINE(神)を起動。

 そして神様に魔法創造(厨二)のデメリットとは何なのか問い詰める事にしました。

 あわよくばデメリットを無くして貰おうと思ってます。まぁ多分無理でしょう。



ナターシャ

[ちょっと? 神様?]


ナターシャ       

[魔法創造にデメリットあるとかきいてないんですけど!?]



天使

[はーい神様代行の天使ちゃんだよー♪]


天使

[あーデメリットね。ちょっと待ってマニュアル読むから……]


 ----------------------------------------------


 どうやら神様の代わりに天使がLINEを使用しているらしい。

 というかマニュアルかよ。そんな物あるなら最初から寄越せや。

 神様に煮え湯を飲まされて内心のイライラを隠しきれず、頬を膨らませて足をバタバタさせながらスマホを持っている幼女の姿な俺は傍から見れば多分可愛い物だと思う。

 ってそんな事はどうでも良いんだよ返信はよはよはよはよ……


 スマホの画面を連続タップして返信を待つ俺。

 なんかコミュニケーションツールにハマる人の気持ちが分かる気がする。


天使

[おまたせーえっとデメリットはねー]


 ようやく返信が入った。

 早くしてくれ。内容によっては自死も辞さないぞコッチは。


ナターシャ

[教えて欲しいです]


天使

[1つ目。精神がめぐちゃんの中学時代に近くなります]


天使

[精神汚染とかじゃないから安心してね。まぁ、そういう思考になりやすいって事]


天使

[意識していれば魅かれる事は無い? ってさ]


 なるほど。つまり気を付けていれば中二病は抑え込めるという訳か。

 クッ、静まれ俺の右目とかする必要が無くなって良かった。なまじ魔法使える分厨二病再発症するとシャレにならないと思うんだよなぁ。

 ってかめぐちゃんってお前……。俺の名前は赤城 (ケイ)であって断じてめぐみじゃない。

 一応[めぐみじゃなくてケイだけど?]と返すと[めんごー☆]と返ってきた。クッソ軽いなこの天使。


天使

[2つ目。創る魔法が中二病っぽくなります]


天使

[これは元になったスキルが原因だね。魔法創造は厨二病っていうスキルのEx進化スキルみたい]


天使

[なんで、魔法創る時はそういうカッコイイ単語とかを使わないとダメなんだって。ただ例外もあるよ?]


天使

[えっと、爆炎? とか氷槍とかの単語系でも意味が通じるなら文字魔法として使えるってさ。でも威力は下がるらしいって]


天使

[なんでも厨二病ならその程度の単語は理解(わか)って当然だから? って書いてある]


天使

[なんか意味わかんないよね。長年転生者見てるけどこのマニュアル難しい単語とか言葉多すぎ!]


 ふむ、どうやら文字使いとして生きるのも十分出来そうらしい。

 というかそのマニュアルどんな書き方してあるんだよ。誰の黒歴史ノートだよ。


天使

[3つ目。まぁデメリットじゃなくてメリットなんだけど、心の中で唱えても発動出来るってさ]


天使

[でも精度と威力が落ちる為、注意した方が良いって。なんでも、詠唱とは神への手向けの言葉に他ならない……決して疎かにしてはならない物だ、とか!]


 とんでもないなそのマニュアル書いた奴。どんだけ拗らせてるんだよ。

 やっぱ天界にもそういう人間が居るんだろうなぁ。俺も前世では相当拗らせてたけど、天国に行っても尚拗らせ続けてるのは才能だと思うわ。


天使

[こんなもんかな。あ、マニュアル要る? アイテムボックスを通じて送れるけど]


 一応お願いします。と返信。

 天使さんがこの調子だと他にも隠された機能や設定があるかもしれないからね。

 しっかり確認してこれからの異世界生活に役立てていかないと。

 あぁ、デメリットを消せるかも聞いておこう。


ナターシャ

[デメリットって消せますか? 色々と不便な気がして]


天使

[うーん、難しいと思うよ。あ、でも魔法創造(厨二)がユニーク化すればワンチャンあるかもね。まだEx進化しただけの厨二病スキルだし]


天使

[スキルのレベルを上げて、何かしらの条件を満たせば本来の魔法創造に戻るんじゃないかな?]


 なるほど流石天使さん。厨二病満載で無駄に難しいマニュアルを解読できるだけの力がある。

 時間はかかるだろうが、なんとか本来の魔法創造に戻そう。そして中二病からオサラバしよう。

 くそぅ、もうフゥーハハハとかクハハハハとか笑う黒歴史からはオサラバしたい。でもまだ暫く付き纏うんですよねこれが。早く離れて。


天使

[もう質問とか無いかな? かなかな?]


ナターシャ

[あっ、はい。これくらいで。後神様に伝えておいてください。厨二病の真髄はいつも傍にいるって]


天使

[んー? 良く分かんないけどりょーかい。伝えとくねー]


 そうしてLINEでの会話が終了する。スマホをボックスに収納し、ため息をつく。

 ……はぁ、しかし厨二病が進化しちゃったかぁ。まぁ、確かに俺の厨二病レベルが高かったのは事実だよなぁ。

 中学校でもブレザーの上に黒くて長いコートを常に羽織り、右目にカラーコンタクトを入れて魔眼っぽくして、休み時間はレシーバーで組織のメンバーと常に会話して……ぁぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!


 厨二病スキルを考えるついでに赤城恵時代の中学生活を()てしまいのたうち回る。


 あああああああああああああああああもう嫌だああああああああああ忘れさせてくれぇぇぇぇぇぇぇえええええええええ!!!!!!!!

 何が魔眼だ、何が組織だ、何がル・メンダス・リスティータだふざけるな馬鹿野郎ぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!


 ベットの上を寝転がって跳ね回り、ドッタンバッタン大騒ぎ。

 君は厨二病のフレンズなんだね。その深淵を汝の手により我が前に示せ……

 そしてその騒ぎを聞きつけたのか、誰かがナターシャの部屋の扉をノックして話しかけてくる。


「……な、なんだか凄い音がしてたけど、大丈夫かいナターシャ?」


 くぐもった声だが、多分父親のリターリスだろう。心配で見に来たらしい。


「えぇっ!? な、なんでもないよお父さん。ちょっと洗礼で色々あったから……」


 俺はベットの上でブリッジした体勢のまま返答する。

 リターリスは不安に思ったのか、優しい声音に変えて問いかけてくれる。


「そうかい? 何か不安な事でもあったのかい?」

「い、いや、無いんだけど(むし)ろ、う、嬉しくってさぁ! 洗礼でスキル貰えたから、これからバンバン頑張っていこうと思ってね!」


 アハハーと笑い誤魔化す。ブリッジしたまま。

 その言葉にあぁ、そういう事かと言葉を残し、リターリスは去っていく。

 コツコツと廊下を歩く音がして、次第に遠ざかっていく。


 ……はぁ。

 ブリッジを解き、枕を手に取り思いっきり抱きしめる。

 くっそぉ、絶対魔法創造(厨二)をユニーク化させて今度の人生こそ本当に中二病とオサラバするぞ……!


 そう心に決めた俺はマニュアルを貰った事を思い出し、アイテムボックスを起動させる。

 確か、心で唱えても魔法が発動するんだったか。つまりアイテムボックスの恥ずかしい呪文は言わなくても済むって事だな。まぁ心の中で唱えてるから結局ダメージ入るんだけども。えっと……


(“秘匿されし宝物庫よ、我が前にその門を開け放て”)


 プワン、と身体の前に異次元の扉が開く。そしてスマホとコードと一冊の本がナターシャの枕の上に落ちてくる。

 この魔法、早いうちに改良してなんとかアイテムボックス内から物が落ちないようにしないとなぁ。じゃないと使いづらくて仕方ない。

……あぁもしかして、神様もそれを分かった上でこの詠唱なのか? お主の最初の課題は収納魔法の改良だぞ、みたいな。


 神様の意図を何となく読み取った所で身体を起こし、落ちてきたマニュアルを見て目線を逸らしてもう一度見る。


 ……あれ、おかしいな。この本、どっかで見た事あるな……。


 眉間を摘み、目を瞬かせ、何度も何度もマニュアルの見た目を確認する。


 そのマニュアルの本の題名は“我が叡智の結晶-魔法創造-”。

 

 ……そう、俺が中二病時代に創り上げた伝説の魔導書だ。

赤城恵の設定


赤城恵(ケイ)

冴えないサラリーマンで26歳童貞。その他もろもろは割愛。

中学時代はそれはもう厨二病を拗らせていて、学校では季節を問わず黒く長いコートを羽織り、右目にはカラーコンタクト、コートのポケットにはレシーバーが入っていて休み時間は常にそれで組織のメンバーと会話。

幸いにも友人はいた。しかし赤城恵の姿を見た彼らも拗らせてしまい本当に組織を指揮する事に。


視力と身体能力向上の為サイバネティックス手術を受けた結果、両目にスコープ、左手にスピリットガンを手にした世界最強の狙撃手となり、白狼の二つ名で恐れられている狙撃手のジュン。


ケイの魔眼の力により真の叡智を手に入れ、

常に自作した魔道書を持ち歩いていた眼鏡の男“世界の真理書(アカシックレコーダー)”後藤。


前世から王としての天命の才を受け継ぎながらも

社会から拒絶され、傷付き、路頭に迷っていた所をケイに拾われた包帯まみれの女暗殺者、エリカ。


常に裏から社会(クラス)を牛耳り、監視し、その情報をケイに(もたら)す事を至上の喜びとし活動する情報屋、エードゥ(遠藤)。


この計4人を四天王とし、ケイを玉座に迎えて彼らの(ホーム)暗黒の月曜日(ブラック・マンデー)が組織されていた。


ブラック・マンデーは世界の真理を解き明かす為、世界の完全解体を目標とする“機関”と常に戦い続けている。

ちなみに機関のエージェントには先生や駄菓子屋のお婆ちゃんまで様々居る。

彼らは常にエージェントに悟られないよう行動し、速やかに任務を完遂しなければならないのだ。


組織は彼らの中学期間の終わりと共にその任務を全て完遂し、解散。一般人へとその身を変えて日常生活へと溶け込んでいった……

(と言うのが建前で全員現実を理解して正気に戻っただけ)


とまぁこんな感じです。

ちなみに12月31日の0時くらいにこの設定書き上げました。

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