136 五日目:鑑定スキルの真価とナターシャの敗北
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Lv5/99 名:ユリスタシア・マルス
年齢:10歳 職業:一般人(冒険者登録済)
称号:なし 71/300exp 利き手:右
HP20/20 MP158/200
ATK:30 VIT:20
STR:10 DEF:8
INT:60 RES:9
DEX:8 AGI:30
SPD:80 LUK:20
武器1(左):なし 武器2(右):なし
頭:なし 体:布の服
左腕:なし 右腕:ミサンガ
腰:革のベルト 脚:布の服
足:革のブーツ アクセ:なし
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所持スキル一覧
魔法適正Lv1 会話術Lv3 鑑定Lv8(10MP)
広域鑑定Lv5(100MP) 速読:Rare
知識欲:passive 閃き:passive 並列思考:Unique
商運:Unique ファイアーボールLv1(10MP)
???の血筋Lv5:Unique
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ステータスの情報量多ッ!
ナターシャは兄の鑑定画面を見て驚き、本来の目的を忘れて色々と質問し始める。
「おぉー……お兄ちゃん。この称号って何?」
「ん?調べるか?“鑑定”」
兄の鑑定スキルが発動するとステータス画面の“称号”の文字が緑色に光り、別ウィンドウに説明が表示される。
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“称号”
人々の記憶、社会、歴史に名を遺す行いをした者
に与えられる呼び名。
仇名、二つ名、通り名などがこの場所に宛がわれ
る。
“称号”の文字に触る事で今まで貰った称号の一
覧が表示され、自由に変更する事が可能。
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ナターシャは感動で椅子から立ち上がると兄の後ろに回り、纏わりつきながら騒ぎ始める。
「凄ーい! お兄ちゃん何か称号持ってる!? 見せて見せて!」
「おう!ちょっと待てよぉー……?」
兄は不慣れな感じで称号の説明を消し、ステータス画面を操作。称号一覧を表示する。
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称号一覧
なし
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残念ながら兄は何も所持していなかったようだ。少しだけ落ち着くナターシャ。
「ざんねーん」
「まぁ、まだそういうモンだろ。これからだ。これから」
「だね。次はその文字化けしてる場所を調べてよ。所持スキル一覧の上の場所」
ナターシャはステータス画面の中央下部のはてなマーク群を指差す。兄も了承して鑑定。
「分かった。“鑑定”」
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表示された説明文も文字化けしていて読めない。意味不明だ。
ナターシャもはてなマークを浮かべながら兄に聞く。
「何だろうねこれ」
「分からん。そもそも読めん」
「……この説明文を鑑定すれば読み方が出るかな?」
「おぉ良いなそれ。試してみるか。“鑑定”」
マルスは説明文に鑑定を掛ける。するとはてな文字の一つが光り、説明文が表示される。
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?
?という文字。
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「だよねー」 「だよな」
そんなもん見りゃ分かるわ。
でもまぁ、鑑定でも分からない物があるという事が分かったので良しとするか。
「んで最後なんだけど、そのスキルの一番最後にあるファイアーボールって何?昔はそんなの持ってなかったよね」
兄はナターシャの質問を聞き、少し困りながらも教えてくれる。
「……あぁ、これな。これは……あれだ。スキル本」
「おぉー」
スキル本か。スタッツ国で製造されているというあの。
そして兄は、後ろに居るナターシャに向かって内緒話のように覚えた経緯を教えてくれる。
「そんでこれは秘密なんだが……このスキルは国立魔導士育成学園に潜入した時読んで覚えた。絶対誰にも言うなよ?」
「ふふ、お兄ちゃんは相変わらずだね」
ナターシャは少し悪い顔をして微笑み、他人に聞こえないよう兄の耳元で囁く。
「……いつもそうやって村の協会の書庫に侵入して、神父さんに見つかって怒られてたのに。反省しないの?」
「うるせー知識欲には勝てねぇんだよ。スキルのせいだスキルのせい」
マルスがナターシャの煽りと髪モシャをそこそこに受け流していると、エメリアが階段を上って帰って来る。
「ただいまー。マルスくん次入って良いよー」
湯上りなので頬が火照っていて、茶色の髪は濡れ時雨。
身体のラインを隠すように白いもこもこのガウンを着ている。
エメリアの言葉を受け、マルスは礼儀正しく返答する。
「あ、はい分かりました。……じゃあ先に風呂入って来る。また後でなナターシャ」
「行ってらっしゃーい」
兄は一階の風呂場へ向かい、風呂上りのエメリアはキッチンに水を取りに行く。
残されたナターシャは椅子に座り直し、兄の鑑定画面を思い出して悔しがる。
くっそー……俺も兄貴と同じようにステータス画面出せるんだよーって煽ろうとしたら兄の方が一枚上手だった。まさかあんなに詳しいステータスが開示されるとは。
むむむ……何とかして兄に勝ちたい……ステータス表示の詠唱を改造すれば勝てるか……?
そして10秒程思考し、思いつく。
……あ。フルステータスオープンで良いじゃん。
語感も良いし。
ナターシャが“フルステータスオープン”と詠唱すると、昔とは一味違う新たなステータスウィンドウが表示される。
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Lv∞/∞ 名:ユリスタシア・ナターシャ
年齢:∞歳 職業:一般人(冒険者登録済)
称号:なし ∞/∞exp 利き手:両手
HP∞/∞ MP∞/∞(Ex)
ATK:∞ VIT:∞
STR:∞ DEF:∞
INT:∞ RES:∞
DEX:∞ AGI:∞
SPD:∞ LUK:∞
武器1(左):なし 武器2(右):なし
頭:なし 体:厚手の服
左腕:なし 右腕:なし
腰:なし 脚:厚手の服
足:革のブーツ アクセ:なし
????(???)
?∞ ?∞ ?∞ ?∞ ?∞ ?∞ ?∞ ?∞
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所持スキル一覧
剣術Lv∞ 魔法適正Lv∞ 会話術Lv∞
神の加護(魔法)Lv∞ 熾天使の紋章:Unique
???の血筋Lv∞:Unique
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「いやなんでやねん」
バン、と机を叩いてつい突っ込むナターシャ。
今日此処に、主人公特有の最強ステータスウィンドウを生み出す魔法が爆誕した。
なんだ? あれか? 天界には文法警察でも居るのか? くっそぉ詠唱作り直しか……。
ナターシャはフルステータスウィンドウをさっさと消し、新たな詠唱を考え始める。腕を組み、唸る。
「んー……」
どうすべきか……
そんな風に銀髪の少女が難しい顔をしていると、キッチンから水入りの瓶を持って戻って来たエメリアが対面に着席。
水を瓶から直接飲みながら、火照ったままの頬でナターシャが唸っている理由について聞いてくる。
「ん、ナターシャちゃんどうしたの? 困り事?」
エメリアに話しかけられたナターシャは相手を一度見て、気まずそうに視線を逸らして断る。
「あ、いえ、お気遣い無く……」
「えー? お姉さんに相談して欲しいな。これから一緒に住むんだから。ね?」
エメリアはそのまま肘をつき、ガラス瓶を両手で持ちながら軽くウィンク。
「いや、えっと……」
またしても言い淀むナターシャ。
やべぇ、兄に負けず劣らずエメリアさんも強敵だぞ……
押しの強いエメリアを何とかすべく、即興の嘘を考えて話す事にする。
「あー…………えっと、ですね。じゃあ、お話します」
「うんっ。お姉さんに任せてっ」
「……えっと、これからこの街で、どうやって友達を作ろうかな、っていう悩みなんですけど……何かいい手はありますか?」
ナターシャは純粋に求めるような声音で質問する。
……これは嘘ではあるが、嘘ではない。
人によっては気にするだろうが、俺にとっては今のところ気にする必要の無い悩みで、今聞く必要の無い物。
そう、実際の悩みとは違う物だから嘘なのだ。だから普通に言い通せる。
「お友達かぁ……うーん……」
エメリアも正直な人で、ナターシャの悩みに応えるべく真剣に考えてくれる。
頬杖を付きながら遠いところを見て思考し、少し経って一つ思いついたのか、両手の人差し指をピン、と立てて話し出す。
「あ、そうだ。あそこ。えっとねナターシャちゃん。この街の女の子が沢山集まる良い場所があるんだ」
「へぇー……それってどこですか?」
「それはねー……」
“最強”をただ名乗れるだけのステータスウィンドウ出来たのホント想定外で笑う




