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10‐閑話 外伝:年明けの集会 ※本編に関係無いので読まなくても良いです。

新年ですが若干メタい物を書いてしまった感ありますね。

ですが今年もよろしくお願いいたします。

 ここはただ白いだけの空間。

 空間の中央には、複数の大きなテーブルが置かれていて、沢山のお菓子や飲み物、料理が盛り付けられている。

 テーブルの周囲には沢山の人が居て、食べ物を食べたり飲み物を飲んだり、他人と会話したり、と様々な事をしている。


 その見知らぬモブの集まりの中に、ひときわ目立つ集団が一つ。

 三人の女子が集まっている。

 見た目を簡潔に例えると、一人はピンク髪、一人は金髪、一人は銀髪だ。


「イエーイ! ハッピーニューイヤ――――――!!!」


 桜色の可愛い髪を、ツインお団子ヘアーにした少女が、本当に唐突に、背中から生えた翼をゆらゆらさせながら、年明けだと叫んだ。


「もう少し静かにしろアーミラル。ここは隔離された空間ではあるが声は響くのだぞ」


 その隣に居るのは、これまた綺麗な金色の髪を、足元まで流した絶世の美女。

 衣服ではなく白い布を巻いて身体を隠している。

 彼女がはぁ、と肩を落とした際に、大きな双丘がたゆんと揺れる。

 主な名前は無く、ただ神様と呼ばれている存在だ。


「……それで、なんで俺はここに居るんだよ?」


 そして最後の一人が、主人公であるユリスタシア・ナターシャ。

 色々あってこの場所にいる。

 現在の見た目は六歳。

 しかし、記憶はもっと先の事まで知っている。

 それが神様パワーって奴さ。

 まぁ色々あるんだよ。色々と。


「聞きたい!?」

「え?」


 ナターシャの言葉に反応したお団子の少女は、わくわくフェイスそのままに、くるっと顔を向けた。


「ねぇ、なっちゃん説明欲しい!? メタ的な事と設定的な事のニ種類あるけど――」

「こら、それ以上は待て」

「――どっちがむぐぐ!」


 言いかけたその瞬間、ピンクお団子の少女の口を、金髪巨乳の美女が押さえた。

 ちなみになっちゃんというのは、主人公であるナターシャのあだ名だ。


「むー!」

「アーミラル、思い出せ。ここは本編と関係ない場所だと言っただろう? そういう設定だと」

「ぷはぁっ! あっ、そうでした! 忘れてました!」


 えへへへ、と笑ってごまかすピンクお団子。

 ナターシャは訝しんだ。


「……そういう設定ならさ、神様こそ、その少女の名前ネタバレしてて良いの? ソイツ出てくるのもっとあうぶっ!」(パァン!)


 神様はナターシャに向かって容赦ないビンタを浴びせる。


「馬鹿者! お主が言わなければ誰も疑問に思わない事を何故言うか!」


 大きな声でナターシャを叱りつける。


「だっ、だからって突然ビンタする事ないだろ! ううぅっ……」


 女性に転生してからとても泣きやすくなったナターシャは、驚きと痛みで零れる涙を拭う。

 その様子は本当に六歳の幼女のようで、とても中身が男だとは思えない。

 彼女の反応に、神様もついやりすぎたとは思った。

 しかしそれでもと、心の内の怒りを漏らした。


「そういうネタバレをする人間を私は許せん。それは例えせか――」

「はいストーップ!」

「――むぐぐぐ……!」


 次に神様の口を押えたのは、アーミラルと呼ばれた少女。


「もう、神様も熱くなって先の展開漏らしかけちゃダメですって! 作者はまだ妄想してるだけで、プロットすら書いてないんですから!」

「……む、むう、そうだな。すまない」


 神様も謝罪し、一周回って平等になった所でナターシャが口を開く。

 いや、ナターシャがかなり損をしているか。

 物理攻撃を受けたのは彼女だけだから。

 だけど、文句は言わない。

 ナターシャは大人だからだ。


「……それで? なんで俺はここに居るんだ?」


 それでもムカつくのは当然なので、少し怒り気味に質問した。

 帰って来た答えは以下の通り。


「まぁ、年明けだからな」

「年明けだからですね」

「説明になってねぇんだよそれ!」


 二人はさも当然だ、という表情で年明けを理由にし、それに対してナターシャは突っ込み始めた。


「そもそも作者は何を考えてこの短編を投稿したんだよ! こういうのってもっと人気出てから書くもんだろ!」

「まぁ、元々はっちゃけてますしあの人。本編読んでる人なら大体分かるのでは?」

「うむ、まともに捉えようとするだけ無駄であるな。本来ならもっと登場人物を増やしてからとか、せめてナターシャの家族でも呼べばいい物を……何故かこの三人だけである故に、理解出来ん」


 二人も“作者”と呼ばれる人物に対しての疑問を出す。


「えっ、神様と天使ちゃんにも知らされてないの?」

「うん」

「ああ」

「マジか……」


 ナターシャは驚きつつも、話を続ける。


「てゆうかさ、俺普通に忙しかったんだけど。ここでのんびり遊んでる暇ないくらい色々しなきゃならなかったんだけど?」


 先の記憶まで持ってるせいか、良く分からない事を口にしてしまう。

 神様は改めて説明した。


「まぁ大丈夫だろう。ここは、現実とは全てが隔絶されておる故、時間も流れん。今は全てを忘れ、自由に飲み食いするとよいぞ」

「まぁ、神様がそう言うならそうなんだろうけどさぁ……」


 少女は不満そうな顔になりつつも、テーブルに乗っているエビチリを皿に乗せ、食べた。


「あーでも料理は美味いな。それなら許してやるか」


 パクパクと美味しそうに食べる。

 辛いのは苦手なんじゃなかったのだろうか。

 その時、既にターキーに手を出していたピンクダブルお団子の少女アーミラルが、ナターシャの口調について聞いた。


「あ、そう言えばなっちゃん」

「どしたん?」

「思ったんだけど、いつもと口調ちがくない? いつもだったら『あら、美味しい』とか言ってるじゃん」

「いやー、だってさ」


 ナターシャは、何もない虚空を指差して説明し始める。


「今回はこの喋り方で行けって“作者”が五月蠅(うるさ)くてさ。俺だって美少女として振る舞う方が好きだし、そうしていきたいんだけど、『まだそういうの描写してないからこれで』って」

「ふーん?」

「面倒だけど、中身男の設定なのを最近忘れ気味なんじゃないかって言われたし、まぁ、確かに? って思う節もあったしね。とりま乗ってみた感じ」

「なっちゃんも大分メタいねー……あ、この生春巻き美味しいよ! ね、一緒に食べよ?」

「え、マジ? 食べる食べる」


 テーブルに置いてある生春巻きに集まる二人。

 そして、置いてけぼりになる神様。


「お主たち、私も混ぜるとよい。……というかなんでそんなにナターシャと仲良くやってるんじゃアーミラル! 私とお主の仲じゃろう!?」


 そのことに怒ったのか、普段の荘厳な口調を崩して話し始めた。

 これが素なのかな、とナターシャは思う。

 ……って勝手に俺の思考にするんじゃねぇ!


「まぁそうですけど、なっちゃんって気軽に話しかけやすいし、よくLINEで会話してるし、的な?」

「そうそう。神様も早くスマホの使い方覚えてLINEすればもっと親密になれるって」


 アーミラルとナターシャは生春巻きを食べながらそう言う。


「うぅ、そうだが――」


 神様は人差し指の先をつんつんと合わせ、困った顔をした。


「――電子機器は操作が難しいのだ……下手に口調を崩す訳にもいかんし、それに、神様だし」

「いや神様関係ないよね?」


 ナターシャが再び突っ込む。

 アーミラルははぁ、とため息を付くと、神様を導くと決めた。


「もーしょーがないなー。なっちゃんなっちゃん、神様がLINE出来るようになるまで練習させよ?」

「えー?」

「それにさ、全知全能を謳ってるのに、スマホ操作出来ないなんて知れ渡ったら、天使としても困るから、ねっ?」

「あーいや、俺、前に教えた事あるんだけど」

「うん?」

「神様さ、機械音痴すぎて全然だめだったぞ?」

「いやいやだいじょぶだってー! 今回は私もいるしっ! せめて、軽い会話できる程度には鍛えないと、本編にも影響してくるし!」

「まぁ、そうだよな……それくらいは出来るようにさせないとなぁ」


 二人は、神様にスマホの操作方法を教えると決め、神様を見る。

 神様は不服な表情ながらも、スマホを差し出し、教えを乞うポーズだ。


「うぐ、神が教えられるなどと」


 とても嬉しそうな声だ。


「もースマホ取り出してるのに素直じゃないんだからー♪ ほらなっちゃん、一緒に教えよ?」

「りょーかいりょーかい」


 ナターシャは皿をテーブルに置くと、神様の手を優しく包んで、こう言った。


「……よし、じゃあ神様。スマホの電源の入れ方と消し方から覚えようか」

「うん」

「えっ? そこから!?」


 思わぬ事態に驚きを隠せなくなるアーミラル。

 そこまで酷かったのか、と。


 三人の女子によるスマホ勉強会中にも、このパーティは続き、ここには、様々な人物が入れ違いになって、様々な交流が生まれる。

 その様子は、これからの物語を表しているようで、とてもにぎやかなストーリーになるんだろうな、と私は思った。


 ……あ、新年あけましておめでとうございます!

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