『万能』と『空間』
『万能』という性質を与えるとき、同時に我々はそれを顕現する『空間』を定義している。そして『万能』の発生源は、その『定義空間』の外部に位置するとよく考えられるが、実態は、『万能の行使者』は、その『定義空間』と同一である。また、これは気付かれにくいことだが、『行使者』は『定義空間外』に対して直接態である。彼等は、常に『定義空間』の限りなく薄い皮膜に覆われ、常にその内なる世界で、限られた空間の中で『万能』を行使すべきなのだが、その外部に於いてさえ、その『万能』を持ち出そうとするから、滑稽である。例えば、ある人間は、形而上で組み合わせた事象・事物を、そのまま形而下に持ち出しこれを誇るが、実際には、依然それは形而上的存在のままであり、形而下の存在である我々は、そのあまりにも形而下に精通しない事柄を前に困惑を否めず、そして、それが直接態の所産であることを理解したとき、我々はそれを『幼稚』と定義するに至るのである。
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