第7話 三本の牙
今回は後書きに補足のコーナーがあります。
私とグンちゃんが日本エリアを出ると、そこには三叉の槍を持った一人の男性が立っていました。大人の男性で体つきは筋骨隆々、顔には髭を生やしていました。上半身は裸で、下半身には布を巻いただけの様な服装でした。男は言います。
「槍撃手、だな?」
「そうだけど、君は?」
「我はポセイドン。ギリシャエリアの神だ」
「何か用?」
「お前を倒せ、とゼウスに言われてな」
ゼウス。噂には聞いた事があります。ギリシャエリアの最高神です。ポセイドンが続けます。
「ゼウスの奴、何が「お前暇でしょ。忙しい俺の代わりに、槍撃手って奴倒して来て〜。俺は今日、三十人の女の子と遊ぶ約束してるから〜」だ! 我は仮にもギリシャエリアの実力No.2だと言うのに……」
大変です! ギリシャエリアで二番目に強い存在がグンちゃんを倒しに来るだなんて!
でも……何で?
私は聞きます。
「何故、グンちゃんを狙うのですか?」
ポセイドンが言います。
「“うさ耳少女と槍撃手”」
ポセイドンが続けます。
「そう呼ばれる奴らが北欧エリアの兵士として他のエリアの神を次々に殺している、という噂が流れている。その噂を聞いて、ゼウスも危機感を憶えたのだろう」
「そんなっ! その噂は誰かが広めた、ただの嘘です! グンちゃんがそんな事、する訳ないじゃないですか!」
「仮にその噂が嘘であろうと真であろうと、我のする事は変わらない。我の目的はゼウスの命により、槍撃手を倒す事のみだからだ!」
ポセイドンがそう言い終えた時、グンちゃんが漆黒の槍を抜きます。
「グンちゃん、止めて下さい! フレイと戦った時の様に勝てるとは限らないんですよ!」
いつもは無表情なグンちゃんが、少し悲しそうな顔で言います。
「僕も出来れば戦いたくない。でも、ポセイドンは僕達の意思とは関係無く、戦うつもりだよ。だから……」
「グンちゃん……」
グンちゃんのそんな顔を見て、私はこの十日間の事を思い出します。
グンちゃん、私は知っていますよ。
グンちゃんが、とっても優しい事。石像から私を、キマイラからフレイヤさんを守ってくれましたよね。
グンちゃんが、本当は争いが嫌いな事。キマイラを倒す時も、躊躇ってましたよね。
だからこそ、負けないで下さい。
この世界での戦いが終わったら一緒に元の世界に行く、っていう約束を守る為に……。
ポセイドンが三叉の槍を構えます。
「この槍は神器、三本の牙。お前をこの槍の錆びにしてくれる!」
「コマ、下がってて」
私はグンちゃんとポセイドンから離れます。
「行くぞ!」
グンちゃんとポセイドンが同時に駆けます。
漆黒の槍と三本の牙が重なり、周囲に強風が巻き起こりました。
神器図鑑のコーナー
三本の牙
・地面を突くと、そこから水が噴き出す。
・地面を突くと、地震を起こせる。
次話は一週間後に投稿の予定です。




