第22話 交差する神器(前編)
「では決着をつけましょうか、槍撃手」
オーディンはそう言い、余裕の表情で黄金の槍を私達に向かって投擲しました。
グンちゃんは漆黒の槍で必死に攻撃を防ぎます。
しかし、黄金の槍は弾かれてもまたグンちゃんに向かって飛んで来ます。
百発百中で狙った物体を貫き、物体を貫くまで手元に戻って来ない。
それが黄金の槍の能力なのですから。
「……くっ!」
対して漆黒の槍の能力では、黄金の槍を持っている者を貫く事は出来ません。
……この戦いに勝利する方法などあるのでしょうか?
私はグンちゃんとオーディンの言っていた事を思い出します。
◇◇◇◇◇
『大丈夫。まだ打つ手は残っているよ、コマ』
『貴方達が私に勝利する事は、絶対にあり得ません』
◇◇◇◇◇
私には分かりません。どちらの言っている事が正しいのかなんて。
それにこの戦いが終わって合成魔法の効力が切れたら、私かグンちゃんのどちらかの記憶が……。
そんな事を考えていると、オーディンの放った黄金の槍は、私達の身体のすぐ近くに迫っていました。
私は先程の様に、グンちゃんが攻撃を防いでくれると思っていました。
しかし。
グサリ、と……。
黄金の槍が私達の身体に突き刺さりました。
それと、ほぼ同時に。
グンちゃんは漆黒の槍をオーディンに向かって放ちました。
「——何っ!」
オーディンがそう叫んだ時、漆黒の槍は既にオーディンの身体を貫いていました。
二本の槍は、互いを貫きました。
グンちゃんとオーディンは、同時に崩れ落ちる様に倒れました。
次話は一週間後に投稿する予定です。




