第20話 純白の槍撃手(前編)
「愚かですね」
オーディンはそう言って、私に黄金の槍を放ちました。
黄金の槍は私の左肩を貫通しました。その衝撃で私は後方に吹き飛ばされてしまいました。
……くっ! 獣化魔法によって身体能力、治癒力が上がっているとは言え、痛みがないと言えば嘘になります。
負傷した私にグンちゃんが駆け寄ります。
「……無茶しないで」
グンちゃんはいつも通り無表情でそう言いました。
ですが、その瞳にはいつもとは違った感情が籠もっていた様に感じました。
「でも、合成魔法を使わずに勝たないと……」
……嫌なんですよ。私かグンちゃんのどちらかが記憶を失ってしまう、なんていうバットエンドは。
「大丈夫。僕は忘れないよ、コマの事」
グンちゃんは続けます。
「だから、唱えて。合成魔法を」
このままオーディンと戦っても、今の私達では勝てない。
合成魔法を使わないと勝てない。
そんな事は分かっているんです。分かっているのに……。
……私は、叫びます!
「正義と悪。光と闇。異なる二つの魂よ、今一つに。合成魔法っ!」
そう叫んだ瞬間、私達の身体は光に包まれました。
光が消えると私達は二人ではなく、一つの存在へと昇華していました。
私達の服は純白で、所々には金色の装飾が施されています。背中には槍を入れる鞘の様な物を背負っています。髪は白く、目は紅く変色していました。
どうやら、グンちゃんの身体を基本に、私を合成した存在の様です。
そしてこの身体には、今までに無いほど圧倒的な力が満ち溢れていました。
次話は一週間後に投稿する予定です。




