第13話 北欧の最高神(前編)
「う〜ん! 美味しいですよ、このお肉!」
「……こっちのスープも美味しい」
私とグンちゃんは、私達の為に用意された沢山の料理に舌鼓を打っていました。
何故、この様な状況になっているかというと……。
数時間前。
私とグンちゃんが出逢ってから十三日目。
私とグンちゃんは北欧エリアに辿り着きました。
私達は北欧エリアに入るとすぐに、一人の老人に声をかけられました。
「久しぶりじゃのお、槍撃手よ」
「久しぶり、オーディン」
オーディン。この世界に迷い込んだグンちゃんを助け、槍撃手という名前を与え、漆黒の槍という神器を授けた、グンちゃんの恩人でしたよね。
「初めまして、オーディンさん」
「初めまして、お嬢さん」
挨拶を済ませた私達は、オーディンさんと雑談をしました。その会話の中でオーディンさんが私達を歓迎する食事会を開いてくれる事になり、オーディンさんのお城“ヴァーラスキャールヴ”を訪れる事となったのです。
食事会には、北欧エリアの神様と思われる方々が十人ほど出席していました。
そして、その中には……。
「それにしても、こんなに早く再会出来るとはなぁ」
「えぇ、きっと私の愛がグンちゃん様を呼び寄せたのでしょう!」
フレイとフレイヤさんも出席していました。
私達がフレイとフレイヤさんと話していると、オーディンさんが話を遮ります。
「……そろそろ、本題に入らんか?」
オーディンさんが続けます。
「お主も、ただフレイヤ達に会いに来た訳ではなかろう」
オーディンさんの声を聞き、グンちゃんが話し出します。
「今回、僕達が北欧エリアに来たのは“交渉”する為」
「交渉? それは如何なる交渉じゃ?」
「神々の黄昏を中止して欲しい」
「神々の黄昏を中止? 笑わせるでない、神々の黄昏とはな、戦争なんじゃ。仮に我々が中止しても、他のエリアは構わず攻め込んで来るぞ!」
「その点なら大丈夫だと思う。日本エリアの神は好戦的な性格じゃないし、ギリシャエリアの神は戦争よりも女の子と遊ぶ事の方が大切そうだし、エジプトエリアとインドエリアに関してはこの争いに参加すらしていない。だから神々の黄昏を、戦争を、中止しても大丈夫」
なるほど! グンちゃんが北欧エリアに来た理由はこれだったんですね。
私は今まで、旅をする理由を求めて旅をしていました。
つまり、結局の所。
私には旅の目的なんて、無かったのかも知れません。
けれど。
グンちゃんは違ったんですね。
いつの間にか神々の黄昏を、戦争を、止めるという自分なりの目標を作り、そこに向かって努力していたんですね。
すごいなぁ、グンちゃんは。
オーディンさんはじっくりと考え込んだ後、こう答えました。
「そこまで言うのなら、考えよう。一日分、時間をもらえんか?」
「いいよ、ありがとう」
どうやら考え直してもらえる様です。よかったですね、グンちゃん‼︎
オーディンさんとの会談も無事に終わり、楽しかった食事会は恙無く終了しました。
次話は一週間後に投稿する予定です。




