第12話 終末に向かって
「……あれ、ここは?」
私が目を覚ますとそこは、小高い丘の上でした。
「気が付いた? ここは北欧エリアの近くにある丘の上だよ」
私の顔を覗き込みながら、グンちゃんが言いました。
「北欧エリア⁉︎ 私達はギリシャエリアの近くにいたんですよ! そんな簡単に移動出来る距離じゃないはず……」
「“この子”のおかげだよ」
グンちゃんはそう言って空を指差します。
そこには……。
青空を優雅に舞う、巨大な烏がいました。
「八咫烏って言うらしいよ」
八咫烏。私と同じ日本エリアの神の使いです。
「この子が私達を、ここまで運んでくれたんですか?」
「うん。でもそれだけじゃない。復活した僕を、コマのいた空を飛ぶ船まで運んでくれたのもこの子だよ」
なるほど。この八咫烏のおかげで、グンちゃんは私を助ける事が出来た訳ですね。
「そうだったんですかぁ。ありがとね、八咫烏」
私は、今も空を飛んでいる八咫烏に感謝を伝えて手を振ります。
八咫烏は空中で旋回して日本エリアの方に飛んで行きました。
◇◇◇◇◇
「ところで……」
私はグンちゃんに聞きます。
「私が眠ってしまった後、ポセイドンはどうなったんですか?」
ポセイドンは確か漆黒の槍に心臓を貫かれたんでしたよね……。
「彼なら大丈夫。コマが眠ってしまった後、ポセイドンは目を覚ました」
「えっ! じゃあその後戦いは第二ラウンドに突入したという事ですか⁉︎」
「いや、そんな事はなかった。ポセイドンは「とどめを刺せる機会があったというのに、我を殺さなかったのか。今回はお前のその慈悲深さに免じて見逃してやる。ゼウスには、噂は嘘だったと伝えておこう」って言って去って行った」
「なんだぁ、良かった〜」
私はホッ、と胸を撫で下ろします。
とにかく、グンちゃんが無事で、グンちゃんが生きていてくれて、本当に嬉しいです!
あれ? そういえば、私の身体。
身体の白い体毛は消え、髪と眼は黒に戻り、うさぎの耳の様な形に変化した耳は元の形に戻っていました。
魔法が解けちゃったのかなぁ?
「これから、どうします?」
「このまま北欧エリアに行ってみようと思う」
北欧エリア。私がまだ一度も訪れた事のないエリアの一つです。そういえば、フレイとフレイヤさんの故郷でしたね。もしかしたら、その二人にも会えるかも知れません。
「よし、行きますよ。北欧エリアー!」
今年の投稿は今回が最後です。
次話は1月9日に投稿する予定です。




