第11話 二人の絆
「——行くぞっ!」
ポセイドンはそう言って三本の牙を構え、グンちゃんに向かって走り出します。
私は手足に力を込めます。
バギン! という音を立てて私を拘束していた枷が砕けました。
「グンちゃん、私がポセイドンの動きを止めます!」
そう言って、私は走ります。
ポセイドンに向かって。
グンちゃんが、もう一人で苦しまなくてもいいように。
グンちゃんを、もう二度と失わなくていいように。
「破ァーーーっ!」
私は三本の牙を掴み、ポセイドンに勢い良く飛び蹴りを食らわせます。
「ぐはっ……!」
ポセイドンが少し怯みました。その反応を見て、私はすぐさま追撃を試みます。
グンちゃんですら敵わなかった相手と、正面から戦えている。
いけます! この調子なら。
これが、魔法の力なのですね!
そう思いました。
しかし。
ポセイドンはすぐに体勢を立て直し、私の追撃に対応しました。
一進一退の攻防。
そう呼ぶに相応しい戦いかも知れません。
私達は互い決め手に欠け、膠着状態を打破出来ずにいました。
ですが。
ポセイドンは私の一瞬の隙を突いて、グンちゃんに向かって三本の牙を投擲しました。
それと、ほぼ同時に。
グンちゃんも、ポセイドンに向かって漆黒の槍を投擲しました。
◇◇◇◇◇
漆黒の槍はポセイドンの心臓を正確に貫いていました。
ポセイドンは膝を突き、そのまま倒れました。
流石に心臓は弱点だった様です。
一方、グンちゃんは三本の牙を身体を捻る事で躱しました。
しかし、この“スキーズブラズニル”から足を踏み外してしまいました。
ここは上空です。普通の人間が落下すれば、間違いなく死んでしまう様な高さです。
私はグンちゃんの手を掴む為に、走ります。
「間に合えーーーーーっ!」
ガシッ! と私はグンちゃんの手を握ります。
私はグンちゃんを船の上まで引き上げます。
「はぁー、危なかったぁ!」
「コマこそ大丈夫? ポセイドンの攻撃が何発か直撃してたけど……」
「私ですか? 私は大丈夫ですよ。魔法で強化された私は無敵なのです!」
「そっか、心強いね」
「えへへ〜、………………あれ?」
ふらっ、と私はよろけてしまいました。
そんな私を、グンちゃんは優しく受け止めてくれました。
グンちゃんの身体はとても温かく、心地よいです。
なんだか、眠たくなってきました。
あぁ、瞼が重いです。
………………。
…………。
……。
ポセイドンに連れ去られた緊張からか、あるいは魔法を使った疲れからか、私は眠ってしまいました。
次話は一週間後に投稿する予定です。




