第十話 いきなり来ました。
東軍本陣より、騎馬砲兵200騎と血走りの軍1600人
德川軍25000人、井伊直政3600人、福島軍5000人は出陣した。
血走りの軍の伝令の馬が家長の騎馬戦車へ走り寄ってきた。
隣には影武者、家康公の載せた騎馬戦車がいる。
「家長様!小早川秀秋殿が東軍に寝返り大谷軍隊を攻撃してます。」
「そうか!まずは予定通りだな。敵軍の注意を引きつけ
ちょうど良い目くらまし程度にはなろう。」
「はっ、援軍は送りましょうか?」
「京極隊と東堂隊に救援に駆けつけるよう申し伝えよ」
(小早川秀秋殿には人柱としてがんばってもらわなければ)
「家康公、震えておられるのか?」
「わしの身柄は本当に大丈夫であろうな?」
「今日でこの戦を終わらせます。ご心配には及びませぬ。
家康公が弱気な態度でおられますと指揮に関わりますぞ。
兵が見ており東軍の総大将でございますからな。」
「・・・・」(あれをやるのか)
「福島正則殿はおられるか」
「これは家康公殿、ご機嫌麗しゅう」
「貴殿の働き、しかと目に焼き付けておくが故、存分に暴れてもらいたい」
「神君家康公から恐悦至極の言葉、有り難き幸せで御座います。福島正則の
剛腕、馬上より槍裁きをしかと目に焼き付けてくだされ〜」
(福島殿は扱いやすい。せいぜい影武者にごますりしておるが良い)
西軍本陣笹尾山へ東軍約35000人がの本陣が動き出した。
◇◇◇
西軍本陣 笹尾山
「申し上げます。小早川秀秋殿が寝返り。立花隊と大谷隊で
迎え撃ち、一進一退の攻防です。東堂隊と京極隊が援軍に
駆けつけているもようです。」
「やっぱり裏切るのね。長宗我部隊を救援に送って」
「申し上げます。東軍本陣から德川軍、およそ30000人が
笹尾山方面に移動開始しました。如何致しましょうか!」
「やっぱりこっちに来るのね。っておい!本陣って、まさか
德川家康公来ちゃうの?」
「殿、昨日は德川家康攻めてこないかと、おっしゃっておりましたぞ」
「言ったけ?ホンマや!言ってるよ僕!どーしよ。本気で来ちゃうのかよ!
突然すぎるでしょ、準備ってものがこっちにもあるよね」
※第七話 夢を見ました。下から十四行目「徳川家康攻めて来ないかなぁ」
「願ったり叶ったりではないですか!
今日決着をつけられるとは、いい日でございますな」
(ミッチー全然僕の言ってること聞いてねぇーよ)
「弥助と武蔵!今日はいきなり決勝最終決戦だ!準備しといて」
「装甲車!盾の部隊!最前線に整列!クロスボウガン!くノ一隊後方より
撹乱!人力やり襖左右より敵を挟み込んで、ハングライダー部隊上空より
爆弾投下ね」
「殿、一つずつ命令を言ってくださらないと。皆理解できませぬ」
「そうだよね。すまん」
(あーいきなりすぎるわ!浮気現場にいきなり鬼嫁が今からそっち行くから!
状態じゃん。例えが長いね。切迫詰まって余裕がないってことである。)
僕はミッチーに各部隊へ指示をお願いしました。
◇◇◇
南宮山 毛利軍陣内
「申し上げます。東軍の本陣より、德川軍約30000人が出陣
笹尾山方面に向け進軍しました」
「殿、東軍の本陣を後続から攻めるは今かと」
「小早川秀秋隊は東軍へ寝返っておるのか?」
「はい、只今大谷軍と混戦模様です。」
「全軍待機!今暫く戦況を見る!」
(この戦況の見極めこそが毛利100年続くかどうか決まる)
関ヶ原の戦いの戦況は刻一刻と動き出した。
僕は今だ動かない毛利の軍旗を笹尾山頂より眺めるのだった。