第五話 先制攻撃をしました。
徳川家康の本隊が関ヶ原、美濃赤坂(現在の岐阜県大垣市)
の安楽寺という山の上に着陣しました。
3万人の兵を見た西軍の将軍たちは、あまりの人数に動揺を
隠せなかった。これにより東軍の士気はあがった。
西軍、将軍と兵達の士気低下した状況を打破する為に、
石田三成の軍師、島左近は、
「当方が先勝することにより、戦場は士気高揚致す。」
と僕に進言しました。
「やりましょう。先制攻撃により勢いつきますしな!」
と即承諾。
島左近は500人ほどの手勢を引き連れ杭瀬川の森林に伏兵を
潜ませ。東軍の目の前で稲を刈り取る挑発作戦を行い
ました。
これを見ていた中村一栄は激怒して、有馬豊氏の軍勢と
ともに襲いかかりました。
すぐに島左近は身を翻し敗走します。
そして森林の方に走り出しました。中村軍と有馬軍が猛追撃します。
(あれは以前、僕が行った釣り野伏だな。わざと負けて味方のいるところまで
誘導して伏兵が襲いかかる戦法です)
森林に入った島左近と入れ違いに隠れていた伏兵500人が
びっくり箱のように飛び出します(どっきり大成功バンザーイ)
突然現れた伏兵に中村軍、有馬軍は大混乱します。
そして明石全登のキリシタン部隊4000人と
宇喜多秀家軍も援軍に駆けつけ、中村の家老
を討ち取りました。中村、有馬軍は敗走します。
「えいえいおー!えいえいおー!」
兵たちの雄叫の声が聞こえます。
「殿、島左近がやり申したな。」
ミッチーもご満悦であります。
この勝利により西軍の士気は上がり、島左近の名前は東西
に知れ渡ることとなった。
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その勝利の後、夕飯の準備が始まっている陣営内
島左近から
「今回の勝利により、西軍に勢いありかと、夜襲をしかけてみては
いかがかと」
とまたもや進言がありました。
「左近、今晩は早朝から陣を配置する
大事な次期故、深追いは禁物じゃ。兵たちも疲れておろう
明日の大事な戦に向け休めておくがよい」
ミッチーが押しとどめてしまいます。
「いや、今こそ東軍どもの軍勢に一泡吹かせてやるのじゃあ!」
島津のおじいちゃん66歳、失礼。老将もやる気マンマンです。
「殿、私は無理に今夜襲にて攻めるは時期尚早かと」
ミッチーが止めます。
「うーん、夜襲やっちゃお!こういう時は勢いが大事だ。
どうせなら、いい波にはのった方が良い!」
「秀ちゃんと長宗我部くんも一緒にやるよ!」
「ひでちゃん・・・とは、まさか拙者のことでござろうか」
小早川秀秋くん19歳が、のそのそとメタボで、だらしない体を
揺らして将軍たちの中から出てきました。
「秀ちゃん、まさか怖いの夜襲?初めて体験かな?まさか夜は怖くて
一人で寝れないとかないいね。」
「こ、ここ怖いわけなかろう!拙者は夜は母上様と姉上様と
一緒に寝てるでござる一人で寝たことは、ござらん、」
「・・・・・」
(こいつ、甘えん坊のマザコンやろうだな)
「しかし、今夜は私用にて参加できぬ。」
「どんな様でございますか?」
「そ、それは言わなくても。よかろう。」
将軍の方々が白々と小早川秀秋を見た。
その状況をみた小早川秀秋は口火をきった。
「私用はまたにする!さぁ夜襲をさっさとやろうではないか!小早川秀明は
代々続く名家で怖いものなど、ござらんわ!」
「さすが秀ちゃん、みんなも支度にかかろうぞ!」
僕は小早川秀秋を巻き込み徳川の陣営へ夜襲する下準備に成功した。