第四話 足止めしました。
長久手の戦いで三好秀次他敗戦を聞いた羽柴秀吉は急いで
援軍をおくるべく本陣、楽田より2万の軍勢を率いて進軍していた。
徳川家康は大勝利にも関わらず
”秀吉が速やかに軍を動かすので矢田川の線まで敗残兵を追った、
ならば小幡城へ戻るよう”と厳命した。
12時ごろ終わった戦いの後
徳川と織田信雄の軍勢およそ9000は小幡城へ戻った。
僕と伊達正宗の軍勢約5000の兵は長久手の平原
で秀吉の軍勢を待ち構えた。
(ここで秀吉を大阪城に戻してしまっては、
歴史は変わらない。秀吉は天下を平定してしまう。)
横にいる伊達正宗をみると馬上でガクガク震えている。
「拙者のふる、ふるえは敵と戦える喜びでござるーよーおー」
そうだよね。武者震いだよね。
早く秀吉と戦いたくってしょうがない震えだよね。
びっびってんじゃない・・・よね。
さっきの戦いでは後方支援みたいな戦いだったので
次の戦いでは伊達軍は果敢に特攻してもらいたいものである。
「ちょと小用にいくでござる・・・」
「くノ一の部隊!伊達様を落ち武者からお守りしろ!」
逃げんなよチラ見。
「・・・・」
僕は先程、降伏した三好秀次(秀吉野甥っ子)を尋問した。
僕の息子は羽柴秀吉のところかと?!
なんと知らないらしい。
僕の息子が誰かの手によって人質となったのは
くノ一の部隊から報告済みである。
◇◇◇
その頃、本多忠勝は500の兵で秀吉軍を足止めしようとしていた。
本多忠勝は自軍に叫んだ
「今ここで命を落としても、秀吉の軍勢を一旦食い止めることができる。
その間に家康公が体制を整え秀吉と戦えるものだ。忠臣の死すべき所は
今こそ来たれり。潔く一戦をとげ、屍を戦場に晒し、その名を後世の残すのだ!!」
対岸の小川挟んでと秀吉の大軍に鉄砲を放ち戦を挑みますが、
羽柴秀吉の2万の大軍は無視をして進軍を進めます。
本多忠勝は途中、竜泉寺の川の端へ馬を寄せ、
落ち着き払って馬に水を飲ませた振る舞いを見た者は、
皆感心した。
本多忠勝は再び対岸に現れた。
「あの鹿の角の兜をつけているの 誰じゃ」
秀吉は小川の対岸から鉄砲をけしかけてくる大将の本多忠勝を横目で見た。
「徳川家康の家臣 本多平八郎(本多忠勝)でございます。」
すると秀吉は目に涙をため
「五百に足らぬ兵で儂の二万の軍勢に戦おうとするとは
千に一つの勝ち目も無かろう。」
と感激した。
「しかし、儂の軍勢を足止めして主君を勝たせようとするその志、
勇気、比類無き忠臣本多かな。あのような者を撃つでない。」
といい弓や鉄砲で本多忠勝の軍を攻撃することを禁止した。
本多忠勝と羽柴秀吉の軍勢は長久手に向かって進軍してきた。
◇◇◇
時刻は16時ごろになっていた。
長久手の戦場は徳川の軍は完全に撤退し
秀吉連合軍の落ち武者の列となっていた。
羽柴秀吉をここで向かい撃つ。
僕は九州の島津では使えなかった地雷を大量に持ち込んで来た。
それを戦場の左右に隙間なく
三列四列と植物を種付けのように埋めていく
目印に赤い紐と棒を刺した
地雷 地雷 地雷
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準備完了。
秀吉の首が飛ぶか僕の体が爆発するか
勝負だ!
背水の陣で臨む僕と伊達軍の前に
秀吉の2万の大軍の前衛が姿を現すのであった。
【背水の陣】
一歩も退くことのできない絶体絶命の立場状態。
失敗すれば再起はできないことを覚悟して
全力を尽して事に当ること。「背水の陣を敷く」(広辞苑)
◇◇◇
僕にとって幸運な情報が入った。今回の戦で秀吉の二兵衛と言われた
竹中半兵衛と黒田菅兵衛の有名な軍師が参加していないということだ。
竹中半兵衛は肺の病気で36歳ですでに亡くなっていた。
黒田菅兵衞に協力を要請しなかった。(黒田菅兵衞を警戒していた)
後の黒田如水である。関ヶ原の戦いでは息子、長政に親友の
小早川秀秋を寝返らせ東軍を勝利にみちびいた。
今後のためにも仲良くなっておこう。根回し、根回し。
こちらの軍勢を侮って秀吉は数で押し負かす気何だろう。
こっちとしては願ったりかなったりである。
本多忠勝お兄様と合流。
足止め、乙でーす。←(こんな事言えるわけがない心の声です)
長久手の戦い 延長戦17時ごろ始まった。
秀吉軍は数にもの言わせる物量作戦で
突撃してきた。たかだか5千の兵力だと思ってる。
きたきた秀吉軍のアホな猿どもめ!
【物量作戦】
圧倒的な戦力、頭数をもって
少数な敵を完膚なきまでに叩き潰す戦法の事。
「伊達軍の騎馬鉄砲隊に続け!」
「うわあああああ!!!」
僕の中田軍と伊達軍の騎馬鉄砲隊は地雷を
避け縦列に突撃した!
秀吉の軍と中田、伊達軍連合は
平地の中央で激突した。
ボーン! ボーン! ボーン!
ボーン! ボーン!
ボーン! ボーン! ボーン!
次々と地面から炸裂する地雷の音と爆発!
人の悲鳴と飛び散る体の一部・・・。
秀吉軍は中央から左右に分かれた!
そこにはまた地雷が埋め込まれていた。
ボーン! ボーン! ボーン!
ボーン! ボーン!
ボーン! ボーン! ボーン!
よし!中央の秀吉軍は総崩れだ!
「盾の部隊前へ!」
中田軍の盾の部隊500人が
前方に隙間なく100人が5列に
横に並んだ!
ローマのハンニバルの戦法
包囲・殲滅戦法で秀吉軍を潰滅させる。
「前進!人力槍衾の部隊とクロスボウガン部隊援護しろ!」
「おおー! おおー! おおー!」
盾を槍でガンガン叩きながら前進する。
威嚇ですハイ
僕の中田軍は混乱している秀吉軍の
戦場の中央へ前進を始めた。
狙うは秀吉の馬印 金のひょうたん。
◇◇◇
黒田如水(黒田官兵衛)
織田信長に謀反をおこした荒木村重を説得するために有岡城に出向き、
そこで捕えられ約1年の間石牢に閉じ込められてしまった。
陽も射さない劣悪な環境に置かれて梅毒を発病、有岡城
が落城し、1年ぶりに救出された時は頭髪は砂利禿げになり、
足は曲がったまま立てなくる。以降杖を突きびっこを引いて歩くことになる。
その為、秀吉には跛足とあだ名をつけられる。
秀吉が天下を取ったあとの話。
秀吉は家来を集めて言った。
「おれが死んだあと天下を取るのは誰だと思う」
家来は口々に、徳川家康、前田利家、毛利輝元と大大名の名をあげる。
すると秀吉は
「おれが死んだあと天下を取るのは黒田のちんばよ」
黒田は19万石の小大名だった。
「あのちんばに百万石の身上を与えてみよ。わしが生きている間に天下を取ってしまうわい」
と秀吉に言わせた。
それを聞いた黒田は隠居して息子、黒田長政に家督を譲り、
黒田如水という名前になりました。