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僕の戦国時代  作者: 虫松
第八章 世継ぎ内乱編
35/93

第二話 お茶を頂きました。

信長様が亡くなられたことにより、各地で有力、実力武将が独立を開始、

武田信玄の甲斐の地は真田幸村の真田家、徳川家康の徳川家が進出。

関東地方は北条家、四国地方は長宗我部親王の長宗我部家。

九州は島津義弘の島津家、中国地方は毛利元就の毛利家。

越後は上杉謙信の上杉家、伊達政宗の伊達家と国取り合戦の模様となった。


僕は信長様の次男 北畠具豊に会いにやって来ました。

雪姫ちゃん久しぶり、結納式以来だね。って会えるわけないだろ。

戦国時代なのだから。

お城の大広間に通され目の前には北畠具豊が上座(上段の間)見下ろしています。


「葬儀 ご苦労であった。」


「もったいないお言葉有難うございます。」


「さて、本題に入るが、

後継ぎをめぐって勝手に父の家臣が会議をしてるそうじゃな!」


「そのようですね」


「そのようですねじゃないぞよ!私が父の次男であることは

皆承知の事実であろうが!

次の会議にはわしも出席致す!」


(大激怒です。何で僕が家臣の代表として怒られなきゃアカンの、

まぁハブられてますからお怒りごもっともですが・・・)


「玄白!北畠具豊を織田 信雄として推挙いたせ!」


「はぁはぁー」

僕は頭を床にすりつけ平服しました。

(断れないよなぁ、もし断ったら殺されるのかな)


とはいえ、予想通りの展開です。


織田家の重役家臣は、

秀吉さんと柴田さんに根回しされてるので

周辺の有力大名に協力をお願いするしかありません。


ここは菊ちゃんのお兄様方、本多忠勝様経由で徳川家康にお願いするしかない。

三つ巴戦に持っていくしかあるまいな。

三国志みたいになってきたな。天下3分の計略!



僕は久々に義理のお兄様へ本多忠勝様へ会う段取りを始めた。

書状は明智くん任せた。僕には昔の文体よくわからない。


(いくさ)するには勝つための準備が大変だなぁ。

戦をする場合、沢山の書状を送り協力を要請する。

内容は大雑把なものがおおかったそうだ。

==================================

自分の国が侵略されそうだ。

貴殿に応援を求める。

そちらからなら駆けつけるのが容易だろう。

==================================

また使者の口上という、使者が主君から手紙を預かり

その内容を感情を込めて相手に伝達する方法もあった。




◻◻◻


僕の妻、菊ちゃんに、お兄様(本多忠勝)に会うと報告。


「兄と会うのは何年ぶりでしょうか。楽しみです。」


「僕は、ちょっと苦手なんだけど」


「兄は、人見知りですから、私には何でもしゃべってくださいます」


大事な用だけど、菊ちゃんいた方が

お兄様に頼みやすそうなので連れて行くことにしました。




◇◇◇



僕は、織田 信雄を後継ぎとして、代理戦争をする運びとなり、協力を

要請するため、徳川家康の本拠地、三河の地(現在の愛知県東部)にやって来た。


菊ちゃんと明智くんとくノ一数名で、菊ちゃん実家へ里帰りです。

本多忠勝と菊ちゃんは異母兄弟です。

一人っ子だった忠勝は武将として活躍してましたが、

妹の誕生を、随分と喜んだそうです。

僕が菊ちゃんと結婚したので義理のお兄さんという、関係です。

本多 忠勝の忠勝はただ勝つのみからきている。


本多忠勝 屋敷内 茶室にて


僕は、本多忠勝お兄様と畳半分約1mの近さでお茶をたてていただいております。

お茶の作法は明智くんに習っておけばよかった。全く興味ない。

お茶をたてるとは戦国時代のもてなしの一つであった。


本多忠勝は横にある茶釜で茶碗に抹茶とお湯を注ぎ

茶せん(竹製の泡立て器みたいの)で点てた抹茶を僕の前にすっーと差し出した。

そして両手をつきお辞儀をされました


「・・・・・」


漆黒の陶器の釜と茶碗高そう、はいオープンプライス!1000万円!


僕は鼻と額に汗、毛根から汗が吹き出して、湯気出てます。

そして背中にもビッショリ汗をかいています。

お茶の作法なんて、時代劇のテレビでしか見たことないよ。


「・・・・・」


僕は両手で茶碗を持ち上げようとした。

その瞬間、

本多忠勝は、僕を鬼の形相で睨んだ

(ギャーーー間違えた!!何たる無礼なる振る舞い!この礼儀しらずがぁという心の声が)


「すいません私あの、あのお茶の作法について何も知らないもんで

よろ、よろしければ教えていただけませんでしょうかあああ」


「・・・・・」

10秒間無言


「くっくっくっ・・・・・」

本多忠勝は上半身斜め30度前に傾き全身を震わせた。

拳を腹の前に握りしめている。


(本多忠勝が唇がブルブル震えている、腹の前の拳ですが怒りに小刻みに震えている拳ですかそれは!!!

僕は死の気配を感じた。汗がすーと引き寒気がした)


「がはははははああっっはあああ」


茶室に大声で笑う本多忠勝さん、

あっけにとられる僕。


「最初からそのように申せば教えてやったものを!

茶道の基本は一期一会(人との出会いを一生の出会いと思い、最善のおもてなしをつくすこと)

我々は身内どうし誰も見ておらんわ、気楽にせい」


「どうも、申し訳ございませんでしたー」


良かった、いい人じゃないか。はぁー汗がすげー止まらないよ。

間一髪、崖の淵から生還した僕でした。


そして、本多忠勝さんに徳川家康様に戦の協力のお願いを

してもらえないかお話をしました。やはり直接会って話すようです。


苦い抹茶も飲み茶室を出た僕は

驚いたのはこの後でした。


「菊やぁああああ」

菊姫(菊ちゃん)を見つけるなりものすごい早さで廊下を走る

本多忠勝!


「兄上さまー」


「何か困ったことはないか、酷いことはされてはおらんか、

竹千代(僕と菊ちゃんとの子供)は元気か?」


ものすごいいきおいで菊ちゃんの左右上下に揺さぶりながら質問ぜめにする本多忠勝、

何年ぶりとの再開とはいえ、このドタバタ活劇はドリフさながら。

あーさっきまでの威厳に満ちた本多忠勝様はどーこーへー


「大丈夫でございます。大切にされております。お子は元気でございます。」


「困ったことがあたっら直ぐに駆けつけるのがゆえ、遠慮は無用じゃ」


「菊を早く休ませてやらんかぁあああ、女中は何をしとるかか!」


本多忠勝さんは、ものすごいシスターコンプレックス(シスコン)だった。

年の離れた、弟、妹ほど可愛いというから当然なのかもしれない。







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