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【歴史ランキング1位達成】 累計331万1千PV 僕の戦国時代  作者: 虫松
第十部 関ケ原の戦い 前哨戦編

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第7話 戦乱へ動き出しました。

「上杉景勝に謀反の疑いあり」


大阪城、大広間。


徳川家康は、畳に置かれた書状を指で叩いた。


「上杉家を、討伐する」


その一言で、空気が凍る。


「内府様、会津は遠うございますが……」


「遠いからこそだ」


家康は立ち上がる。


「謀反の芽は、 小さいうちに踏み潰す」


こうして徳川家康は大軍を率い、

会津へ向けて出陣した。


その瞬間、大阪城は、空になった。




その夜。


大阪城の一室。


僕は上座に座り、

石田三成は一歩下がって控えている。


「……家康は、動きました」


三成の声は低い。


「なら、今だ」


僕の一言で、

部屋の空気が変わる。


小西行長、

毛利輝元、

増田長盛。


西国の名だたる面々が揃う。


「これより、 内府のちがひ条々・十三か条を結ぶ」


「徳川家康を天下の逆臣として糾弾する」


毛利輝元が頷く。


「中国地方の関所は、 すべて封鎖しよう」


「西の兵は、 一人たりとも徳川に加勢させぬ」


小西行長が言う。


「大阪に残る徳川方の家族は?」


「人質だ」


僕は淡々と言った。


「戦には出させない」


三成が、静かに筆を走らせる。


「……これで、

 家康は戻らざるを得ません」


伏見城、炎上


翌日。


「伏見城を、攻め落とせ!」


一万の反徳川軍が、伏見城を囲む。


城内には、わずか一八〇〇。


城主・鳥居元忠。


「徳川に殉ずる!」


炎が上がる。


矢が降る。


城は燃え、

鳥居元忠は討ち死にした。


その報が会津へ向かう家康の元に届く。


家康、引き返す


「……伏見が、落ちた?」


家康は、しばらく黙った。


そして、ゆっくりと笑った。


「なるほど……

 そう来たか」


「兵をまとめよ」


「京へ戻る」





小山評定


小山。


徳川勢の武将が集められ、

軍議が開かれる。


重苦しい沈黙。


家康が、ゆっくり口を開いた。


「おのおの方」


「妻子は大阪に捕らえられておる」


「さぞ、 心配であろうな」


武将たち、ざわめく。


「よって」


家康は、一人ひとりの顔を見る。


「この陣を去り、

 大阪へ戻り、

 中田側(西軍)に味方しようとも」


「わしは、一切、恨みに思わぬ」


「心おきなく、去るがよい」


沈黙。


そのとき

「それがしは!」


福島正則が、


一歩踏み出した。


「妻子を犠牲にしてでも、

 中田殿を討つ!」


「最後まで、

 徳川殿にお供いたす!」


「おお……!」


次々と、武将が続く。


「我も!」


「我もだ!」


家康は、

静かに頷き

口元に、

かすかな笑みを浮かべた。


そのとき。


一人、

前へ出る武将がいた。


田中昌丸。


「……中田ごときが、

 家康様に刃向かうなど笑止」


場が、

一瞬和む。


しかし


「されど」


「私は、

 石田三成殿に恩義がある」


「ゆえに、

 お味方にはなれませぬ」


凍る。


誰も、

息をしない。


田中昌丸は、

深く一礼し、

帰り支度を始めた。


家康のはなむけ


「待て」


家康の声。


田中昌丸が振り返る。


家康は立ち上がり、

腰の刀を抜いた。


「最後の、

 はなむけじゃ」


「持っていくがよい」


刀が、

畳を滑る。


「……かたじけない」


田中昌丸は刀を受け取り、去った。


家康は、

しばらく沈黙したまま、

呟くように言った。


「……石田三成ではないな」


家臣たちが、顔を上げる。


「この戦を仕組んだのは」


「中田だ」


「お主だ」


家康は、

はっきりと名を呼んだ。


「中田」


「わしは、

 お主と戦う」


その目には、

もはや迷いはない。


こうして

全国の戦国大名を巻き込んだ、

天下の分け目の大勝負。


関ヶ原の戦いが、間もなく始まろうとしていた。



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