第3話 勝負を申し込みました。
僕は薩摩に来ていた。
九州の最強勢力、島津家。
かつて信長様を返り討ちにした武の一族
島津義久、島津義弘。
今回は黒田官兵衛こと黒田如水と共に、
「戦争協力、よろしくお願いします」という
命が軽すぎるお願いをしに来たわけである。
交渉役は石田三成。
その内容を聞いて、
僕は一瞬、耳を疑った。
「関ヶ原で勝利した暁には、
日本の半分を島津義弘殿に、と確約いたしました」
「……え?
そんなにあげられる?」
しかも島津家、現在兄弟喧嘩中。
大軍は動かせないらしい。
(完全に話がデカすぎる)
とはいえ、今の僕は地ならし係。
明智君は老中というか、ほぼ隠居。
副盟主は石田三成。
そして
黒人の弥助を、
ボディーガードとして連れてきている。
道中、暇だったので聞いてみた。
「ミッチーさぁ」
僕は石田三成なのでこう呼ぶことにした。
「はっ。何でございましょう」
「宮本武蔵って、薩摩出身なんだよね?」
「……みやもと、むさし?
聞いたことありませぬ。
武将でござるか? それとも大名で?」
「いや、天下の大剣豪」
「……?」
完全に伝わっていない。
そこへ弥助が首を突っ込む。
「ケンゴウ?
ソレ、タイショウツヨイノ?」
「弥助、剣豪ってのはな……
剣の勝負で、
誰にも負けたことがない人、かな」
「オー!
ソレ、スゴイ!
オレ、タタカイタイ!」
弥助、馬上で金棒を
ブンブンブンブン振り回す。
「おいおい、落ち着け」
「ハハハ、
勝負したら面白そうだな」
(そんな漫画みたいな展開、
あるわけ――)
あった。
次に立ち寄った村で、
とんでもないのがいた。
「……なんだ、あのゴリラ」
「15歳と聞いておりますが…… どう見ても30代ですな」
そこに立っていたのは
宮本武蔵(15才)
・身長 五尺八寸(約175cm)
・肩幅、板戸二枚分
・首、ない
・目、獲物を見る目
どう見ても
中年の山賊の親玉である。
弥助、目を輝かせた。
「オマエ、
ツヨイッテ、ウワサ、キイタ!」
武蔵、じろり。
「……なんだ、お前」
「オレ、
ツヨイ! オマエ、ツヨイ!
ナラ――」
弥助、金棒をドン!と地面に突き刺す。
「オレト、コロシアイ、シヤガレ!!」
ボビー〇ロゴン風である。
村人、全員フリーズ。
石田三成、小声で。
「殿…… 止めた方が……」
「……もう無理だな」
武蔵、鼻で笑う。
「勝負?
お前、刀も持っとらんのにか?」
弥助、満面の笑み。
「ダイジョウブ! コレ、ツヨイ!」
金棒、再びブンブン。
武蔵、じっと見て
「……面白い」
え?
乗った?
「なら明日だ」
「オー!
アシタ! ヒロイ、トコロ!」
完全に決まった。
その夜。
僕は三成に言った。
「……これ、どうなると思う?」
「正直に申し上げますと」
三成、即答。
「どちらが勝っても、周囲が被害を受けます」
「弥助。大丈夫かな」
僕は心配で寝れなかった。
決闘は明日平原で行われる事となった。
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【宮本武蔵】
二刀流の使い手として、1対1の戦いでは
60勝無敗。かの有名な巌流島の戦いでは宿敵の佐々木小次郎を
島でイライラ待たせて。船のオールを削った木刀で頭をかち割り
勝利する。




