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【歴史ランキング1位達成】 累計332万PV 僕の戦国時代  作者: 虫松
第九部 天下統一編

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第12話 延長戦をしました。

【長久手の戦い】

延長戦 申の刻(十七時)


夕陽が傾き、長久手の平原は赤く染まりはじめていた。

血か、土か、それとも沈みゆく日の色か。

もう、区別はつかない。


そのとき


秀吉軍が、動いた。


数にものを言わせた、正面突撃。

隊列も、間合いも無視した物量の波。


「五千ほどの寄せ集めよ!」


そう思っていたのだろう。

恐れも、疑いもない。


それが、致命傷だった。


物量作戦


圧倒的な数で押し潰す。

思考を止め、前へ、前へ。


だがこの地は、

すでに“戦場”ではなかった。


罠そのものだった。


「伊達軍の騎馬鉄砲隊に続け!!」


叫びと同時に、

中田軍と伊達軍が縦列で突撃する。


地雷原を知っている者だけが、避けながら。


その直後。


ボン――ッ!!


地面が、跳ねた。


土が、空へ吹き上がり、

次の瞬間には人が宙を舞った。


馬の嘶き。

兵の絶叫。


足元から突き上げる衝撃に、

人は声を出す暇すらなく崩れ落ちる。


ボン!

ボン!

ボン!


平原が、呼吸するかのように炸裂する。


踏み出した一歩が、最後になる。


次の瞬間、

そこにいたはずの兵は消えていた。


盾が砕け、

槍が空を回り、

鎧の破片が雨のように降る。


爆風に叩きつけられた兵は、

立ち上がることもできず、

呻き声だけを残して転がる。


逃げようとする者が走る。

――また踏む。


止まろうとする者が留まる。

――隣が吹き飛ぶ。


もう、どこが安全なのか、

誰にも分からない。


秀吉軍は、中央から左右へ散開した。


だが

そこにも、地雷。


ボン!

ボン!

ボン!


逃げ道が、

死への通路に変わる。


叫び声は、次第に言葉を失い、

ただの音になる。


「うあ――」

「たす――」

「――っ!」


途中で途切れる声。

応える者はいない。


「盾の部隊、前へ!!」


中田軍の盾兵が、五列横隊で進み出る。


盾を合わせ、

地を踏みしめ、

一定の歩調で迫る。


ガン!

ガン!

ガン!


槍で盾を叩く音が、

混乱する戦場に規則を刻む。


それは、

処刑人の足音だった。


「前進!

 人力槍衾、援護!

 クロスボウ、続け!!」


矢が降る。

混乱の中に、さらに恐怖が落ちる。


爆発から逃れ、ようやく立ち上がった兵が、

次の瞬間、矢に倒れる。


助けようとした仲間が、

その足でまた地雷を踏む。


――連鎖。


死が、死を呼ぶ。


平原の中央。

そこはもはや戦場ではない。


地獄だった。


炎。

煙。

土と血の匂い。


倒れた者の上を、

さらに兵が踏み越えていく。


躊躇すれば死ぬ。

止まっても死ぬ。


前に進んでも後ろに進んでも死ぬ。




狙いは一つ。


秀吉の馬印。

金のひょうたん。


それを目指し、

中田軍は押し進む。


その背後で、

平原は静かに、

そして確実に


秀吉軍を飲み込んでいった。


夕陽は、完全に沈みかけていた。


赤く染まった空の下、

長久手は、数えきれぬ死を抱えたまま、

なおも呻き続けていた



___________________



黒田如水(黒田官兵衛)


織田信長に謀反をおこした荒木村重を説得するために有岡城に出向き、

そこで捕えられ約1年の間石牢に閉じ込められてしまった。

陽も射さない劣悪な環境に置かれて梅毒を発病、有岡城

が落城し、1年ぶりに救出された時は頭髪は砂利禿げになり、

足は曲がったまま立てなくる。以降杖を突きびっこを引いて歩くことになる。


その為、秀吉には跛足ちんばとあだ名をつけられる。



秀吉が天下を取ったあとの話。


秀吉は家来を集めて言った。

「おれが死んだあと天下を取るのは誰だと思う」


家来は口々に、徳川家康、前田利家、毛利輝元と大大名の名をあげる。

すると秀吉は

「おれが死んだあと天下を取るのは黒田のちんばよ」


黒田は19万石の小大名だった。


「あのちんばに百万石の身上を与えてみよ。わしが生きている間に天下を取ってしまうわい」


と秀吉に言わせた。

それを聞いた黒田は隠居して息子、黒田長政に家督を譲り、

黒田如水という名前になりました。。

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