第一話 出会いました。
廻る回るよ~時代は・・・・・
あの歌のフレーズが頭を巡る。バットを地面に立て頭を固定してグルグル周る
そして真っ直ぐ歩く、あのゲームみたいな感覚です。
僕はゆっくり、薄目を開けた。眩しい~天国かなぁ地獄かなぁ?
「おい!生きてるみてーだなぁ!」
僕の顔の目の前5cmほどに、真っ黒に肌焼けした20歳くらいの若い男が、
僕の鼻が触れる近さで覗きこんでいた。メッチャ近いよ!
着物を羽織り頭はちょんまげ?!侍コスプレしてるよこの人。
「若!危のうございます!おかしな身なりをしています。怪しげな奴です!
お離れ下され!」
「おい!こいつを屋敷まで連れて来い!」
「若!屋敷に入れるというのですか!無法者や暗殺者かもしれませんぞ!」
「いいから!縄で縛って連れて来い!」
そう言うと、やけ肌の、着物を着た男は立派な栗毛の馬に乗っていってしまった。
僕は縄で両腕をきつく縛られた!
「いてぇー!人権無視だぁ!僕が何をしたっていうんだ!」
「交番は何処?弁護士さーん?何これ!僕は悪いことしてないよ!」
「貴様!さっきから訳のわからない事を!さっさと立たないか!」
ガン!
僕は足軽の格好をした人に尻を蹴られた。僕は立ち上がりました。
両手を後ろに縄で縛られ直立に、
(えっ!何処ここ!周りは田圃に畑、農家だな。それにさっきの
着物の男に足軽、僕を縄で後ろに縛り、一緒に歩いているこの人誰?)
僕はトボトボうつむいて歩いていた。
「早く歩かないか!陽がくれてしまうぞ!」
ドン!
「いってぇー」
僕は今度は背中をパンチされた。
(酷いよ!何この時代劇?大河ドラマ?ドッキリか何か?)
僕は空を見上げた。街灯、電柱、マンション構造物が何もない。
あるのは一面の田んぼと平家と川。(どんだけ田舎だよ)
僕は混乱していた。そして歩いてお屋敷についた。
カラスが鳴いている。夕日が綺麗だなぁ。
お屋敷は平屋建ての住居みたいだ。
門番の兵士さんが二人立っている。
「怪しいものを連れて来ました!」
(怪しいものって、あなた達こそ怪しいんですけど、何者ですか?
いや!待て、冷静になれ!僕は誘拐されたのかな?)
そして、お屋敷の中央に連れてかれたんだ。
そこには僕の人生を決める人がいました。
「はははははぁああ、面白いな!そちは!」
「若!こやつはとんだほら吹き!もしくは頭のおかしい奴に違いありません!」
「いやいや!おもしれえ!何!お前の時代には4つの車輪の動く馬じゃない乗り物や空飛ぶ乗りものがあるのか!」
「こんな馬鹿げた話!聞いた事ございませんぞ!」
「馬は何処いったんだ!」
「馬は牧場とか、競馬場とかにいます」
「牧場?競馬場?よくわからんな!説明しろ!」
僕は、現代の事を若様にしゃべったんだ。ようやく理解した。
僕はタイムスリップしたんだな。昔の日本だね。武士ですよね。
今はなに時代かな?
「未来って奴はおもしれえなぁ!お前は名は何と申す」
「田中です。」
「田中!未来人の名前は、そんな名前なのか!ふーん」
「若!早く外に放り出しましょう!」
「それで!儂はこれからどんな人生なんだ!」
「どちら様でしょうか?」
「儂か!織田 三郎 信長様だ!」
ガーーーーーーーン
(信長ってヤバイ人じゃないか!気に入らないとたった斬る人じゃないの?)
◇◇◇
僕は尾張名古屋で信長様に出会った~ぁ。(とある番組風に)
そして儂の人生はどうなるんだ?って聞かれています。
信長は鋭い目つきで僕を見ています。怖いよー怖い。
鳴かぬなら殺してしまえ 不如帰【ホトトギス】⇒僕です。
「どこまで話せばいいんでしょう?」
(色んな事あるよ、これから大ざっぱにしか知らないけど)
「そうだな!儂は何歳まで生きるんだ!」
「50歳まで生きていたような気が・・・・」
「何!50歳だと!まことか!それは!」
「・・・・・・(汗)」
(まずい事いっちゃった僕!口をすべらしたか・・・)
「つまり儂は天下とったって事だな!」
(いや、違います。まてよまてよ。色々歴史変わっちゃうし何十年後には本能寺の変とかあるよ。
本能寺の変 本能寺の変 ホン・ノウジノ・ヘン 400年後にダンスパロディになるとは信長さまもビックリだ )
「そうですね!」
「よし!田中!気にいった!儂の占術者として召抱えよう!」
「若!こんなほら吹きの嘘つきものを!」
「黙れ!儂に文句がある奴は、前に出ろ!」
信長は周りにいる家臣を一喝した。
お屋敷は静まりかえった。
「僕はこれから、何をすればいいんですか?」
「儂が困ったときに助言をすればいい!」
「つまり、ここに住めるんですか?」
「そうだ!部屋を用意させる!飯の支度をいたせ!」
僕は戦国時代の命がけの面接に通りました。
明日はどうなるのかな?
(こいつは、儂の人生を変える奴だ)
織田信長は、未来からきた田中こと怪しい男をにらみつけた。