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【歴史ランキング1位達成】 累計325万7千PV 僕の戦国時代  作者: 虫松
第六部 四国地方・越前編

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第7話 捕縛しました。

「浅井長政の陣へ突撃する!」


俺は決断した。


装甲車部隊。

くノ一の騎馬隊。

合わせて二千。


川沿いを大きく迂回し、

浅井軍の背後――本陣へ一直線。


これは戦ではない。

狩りだ。




浅井長政・本陣

戦場の喧騒は、ここまで届いていた。


太鼓の音が乱れ、

味方の旗が次々と倒れるのが見える。


そこへ、伝令が転げ込んできた。


「殿……!

 織田の反撃により、我が軍は総崩れにございます!」


浅井長政は歯を食いしばる。


「……誰が討たれた」


「遠藤直経様、浅井政澄様、今村氏直様……

 皆、戻りませぬ……」


一瞬、長政の視線が揺れた。


「……朝倉は、どうなっとる」


長政が、低く震える。


「徳川勢に横を突かれ、朝倉軍は敗走……

 もはや立て直しは……」


長政は天を仰いだ。


「……そうか……」


拳を強く握りしめる。


「皆ようやった。

 もう十分や……」


そして、静かに命じた。


「退く。

 小谷へ戻る。

 生き残れる者は、生きて帰れ」


その時


地鳴り。


地面が、唸った。


「……何や、この音は」


次の瞬間。


轟音とともに、陣幕が破れた。


布の囲いが裂け、

鉄と木で組まれた異形の兵器が突っ込んでくる。


「敵襲――ッ!!」


悲鳴が重なる。


装甲車が突進し、

逃げ遅れた兵が弾き飛ばされ、

隊列が一瞬で崩壊する。


「殿! 奇襲です!

 本陣に攻撃が――!」


長政は槍を取り、前に出た。


「たわけ!

 ここで迎え撃たな、皆死ぬで!」


怒号となって響く。




小谷城方面


同時刻。


小谷城へ向かう浅井兵の列は、

もはや軍ではなかった。


・命令は届かず

・旗は乱れ

・誰が生きているのかも分からない


背後からは織田の追撃。

側面からは徳川勢。


山道は逃げ場を失い、

兵は押し合い、転び、踏み越えられていく。


「待て! 殿はどこや!」


「知らん! もうあかん!」


助けを求める声は、

戦場の騒音に飲み込まれて消えた。


忠義が、ここで削り取られていく。




僕は装甲車を降り、旗を探した。


三つ亀甲に花菱。


あった。


「浅井長政!

 ここにおるやろ!」


長政が、一歩前へ出る。


「……来たか」


はっきりと言った。


「浅井長政は、ここや」


槍を構え、退かない。


「討ちたいなら来い。

 逃げはせぇへん」


その姿は、

敗将でありながら、まだ当主だった。


僕は叫ぶ。


「くノ一隊!

 囲め! 殺すな、捕らえろ!」


影のように、女たちが動いた。


投げ縄が空を切り、

長政の腕、槍、脚へ絡みつく。


「――っ!」


踏ん張るが、数が違う。


地面に引き倒され、

槍が手から離れた。


「……無念……!」


長政は歯を噛みしめた。


「ここで討ち死にできんとは……

 無念や……」


俺は一歩近づく。


「死なせん。 まだ役目がある」


そして撤退

浅井長政の捕縛完了。


合図と同時に、装甲車が反転。

くノ一騎馬隊が煙を焚き、道を遮断する。


背後では、

小谷城を目指す浅井兵たちが次々と倒れていく。


城は近い。

だが、辿り着ける者は少ない。


僕は振り返らず、叫んだ。


「離脱する!

 全速で下がれ!」


この瞬間

浅井家の運命は、静かに折れた。

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