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僕の戦国時代  作者: 虫松
第一章 尾張編
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プロローグ

僕は退屈だった。つい最近、就職も決まった。小さな工場での事務作業、

毎日同じ机に座り毎日同じ書類に目を通す。

こんな人生、僕は望んでいたわけじゃない。彼女もいない。

趣味は、パソコン、ゲーム、はいオタクです。

工業の高等専門学校出ています。図面とか引けます。


歴史シミュレーションが好きです。三国志とか信長の◯望とか

ファイヤーエ◯レムとか指揮官、最高!

多くの兵士を動かして、智略智謀を巡らし、勝利する。

忍者使って情報集めたり、政略結婚したり、

裏切りさせたり、戦国時代って、毎日、命がけだったんだろうな。


今日もいつも通り朝来た同じ道をまた同じ経路で帰るはずだった。

工事中、迂回して下さいの看板があった。

(人生迂回しまくりだな。はぁー絶対出世とか関係ないよな)


迂回する道を歩くと

チャリン!

何か蹴ったか踏んだか鈴の音がした。

(うん?何だ)

暗い夜道の中、鈴のついた先端の尖った

髪留めを足元で見つけた。

(何だ、落し物か?)


僕は髪留めを拾い上げた・・・・・

クッラ!!@@@@@@


(目眩が・・・頭が痛い!)

暫くすると元に戻った。何だったんだ今の感覚は?

(この髪留めは、かなり古いものだな、鈴は錆びて真っ黒だ)

僕は、とりあえず後ろのポケットに髪留めをを入れた。

(後で交番にでも届けるか。)


「よう、久しぶり!」

突然、後ろから声をかけられた。

「おおう、久しぶりこんな所で会うなんてな」

声をかけて来たのは、同じ小学校だった。三好だ。


私立高校、一流大学に入って大手金融会社に入って、イケメンDeath

(あー神様、何て不平等な世の中何でしょう。

しかも可愛い子を横に連れ腕組みしていまーす)


「デート中なのかい」


「今どっか行こうかって話してたんだよ。この子な俺の彼女の菊川さん」


「菊川です。どうも始めまして」


「田中です。」

僕は名前を名乗った。名乗ったじゃないな。名前を言った。

何て平凡な苗字何だろ。田んぼの中で田中だよな僕の祖先、農民に決定。


菊川さん可愛い、大和撫子、黒髪のお嬢様。

いいお家でお産まれになられたんでしょうね

教養の良さがすぐわかります。お顔がお上品です。

大きなお屋敷のお嬢様を想像していたら、

初代 総理大臣の親戚だそうです。

初代総理大臣の名前誰だっけ?


多分、時代が違えば、僕と菊川さんは顔も名前も知らずに死んでいったに違いない。

僕は農民で彼女の牛車が通り過ぎるまで田んぼのあぜ道で平伏するんだよ。


「えーと何か?」


「いいえ、何でもありません。すいません」

僕は謝った。ずーーっと顔を見ていたらしい。


「折角会ったし一緒に飲みに行くか?」


「そ、そうだね。えっでもデートの邪魔じゃないか。また今度にしようか」


「今度って、もうないんだよ。人生一度っきり。

一期一会さぁ飲みに行こう!」

僕は三好と菊川さんと、飲み屋へ連れてかれた。



◇◇◇


飲んだ。楽しかった。笑った。

菊川さんの家族の話や茶道や日本舞踊の話などした。

菊川さんみたいな人と付き合いたい⇒現実は厳しく無理です。


三好のエリートサラリーマンの野望はつまらなかった。

派閥争いとかに巻き込まれてしまえ!

三好も代々続く武家の子孫なんだと、

あーお似合いのカップルである。


そして2時間ほどして三好と菊川さんと別れた。

(は~あ一人かこれからず~っと一人とかあり得るよなぁ

その先に待ってるもの孤独死である。)


帰りにコンビニによりビールを買った。

(サイフ、財布っと、あっ?)


チャリン!

僕はポケットに髪留めを入れていた事を忘れていた。

(帰りに交番に行くか)

髪留めを握りしめ向かいにある交番へ歩き出した。


信号を青で渡り始めていた。

その時・・・


目の前に巨大なトラックが赤信号なのに突っ込んで来た。

(ウソでしょ・・・・・)


僕はトラックに体が跳ね飛ばされ宙に浮いた。


チャリン!

髪留めの鈴の音が聴こえた。


・・・・・・・・・・・・僕は死んだのかな。

・・・・・・・・・・・・・・でも、体は痛みを感じない。

・・・・・・・・・・・・・・・・もしかして、意識ないのかな?


@@@@@


僕は稲刈りが終わった、田んぼの中央に仰向けに大の字に倒れていた。

(田中だから・・・



続く



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