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プロローグ

中央の円柱状のモニターを囲うように、円形のテーブルが数列並べられている。大勢の人々が席につき、モニターに表示される画像を眺めていた。

現在、この部屋には各エリアの代表で構成される元老院の人々が集まっている。その誰もが、目をパチパチと瞬かせた。


男は軽く咳払いをした。ゆっくりと瞬きをして、もう一度モニターを見る。

そこには、3人の男女のデータと、彼の管轄である、日本エリアが映されていた。


男の斜め後ろで、ヒソヒソと話し声が聞こえた。若すぎるだとか、人数が少ないだとか、そんなようなことを話している。


男は、今度は大きく咳払いをした。

今回の人選は彼によるものではない。元老院と共に地球を統べるコンピュータ、マザーによるものだ。

ここ数十年、マザーの意見が絶対という雰囲気が、元老院に流れている。男も、その雰囲気に当てられた者の1人だった。


「マザーの決定について意見のある方はいらっしゃいませんでしょうか」


司会の女性が辺りを見回す。

会場は水を打ったように静かになった。


「いらっしゃらなければ、こちらをこのまま最終決定とさせていただきます」


パラパラとした拍手が次第に大きくなっていき、会場を包み込んだ。手を叩かない者は誰もいなかった。


「では、これにて議会を終了といたします」




各エリアの代表が、次々と席を立ち、去っていく中で、男はまだ席に座り、モニターを眺めていた。


確かに、若すぎる。全員がまだ、16、17歳の子供だ。それに--。


そこで男は考えるのをやめた。

男の仕事は、日本エリアの代表として、公の場に出ることと、日本エリアの安定した統治の維持だ。人民一人ひとりの安全を考えるのは、コンピュータの仕事で、男の考えるべきことではなかった。

3人の少年少女が、これからどのような道を歩むのか、これは確実に彼の考えるべきではない。


男は立ち上がり、部屋の外へと出た。

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