会いたい!
(ねぇ、ねぇ聞いて。今日の晩ご飯のネズミです)
家に帰るなりアポロからそんな奇妙なメッセージが届いていた。
(わぁ、凄いですね! ペットちゃんの餌ですか?)
(いいえ、僕のご飯です!)
そう返ってくるなり、お皿に盛り付けられた無数のネズミの写真が送られてきて、凛は吐き気を堪えた。
この人は、相当やばい人なのではないだろうか。
(でも、こんなの合成かもしれないし、単なる冗談のつもりなのかも)
それに、今やり取りをしている人はこの人しかいない。このままでは由香里の方が彼氏が早くできてしまうかもしれない。凛は焦りを感じていた。今会えそうな人はこの人しかいないのだ。
ちょっとおかしな感じがする人だけど、凛は勇気を振り絞ってメールを送ってみる。
(そうなんですね! あの、よろしければ今度直接お会いできませんか?)
それからしばらくして返信が返ってきた。
凛はドキドキしながらアプリをタップして、トーク画面を開いてみる。
(いいですよ)
(ありがとうございます。今週の土曜日でもいいですか?)
(それでオッケーです)
(じゃあ、〇〇駅の近くにラブリーカフェっていうところがあるんですけれど、そこはどうですか?)
ラブリーカフェは由香里と前に一度行ったことがあるのだが、とてもいい雰囲気でお肉料理がメインのお店で手作りのケーキが有名である。デートにはうってつけのお店だろう。
(そこでも大丈夫ですよ)
(ありがとうございます! じゃあ、そこにしましょう。時間は12時頃にカフェの前で待ち合わせで大丈夫ですか?)
夕方や夜の暗い時間に会うのは怖いため、凛は明るい時間を提案する。
(大丈夫ですよ。着いたら連絡しますね)
(お願いします!)
そこで今日のメッセージは終了した。
思っていたよりも、素早くことが進んだため、凛は驚いていた。
そして凛はその日に着ていく服を選び始めた。