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汚れバイバイ
「優しく、優しく、馬を撫でるように」
「こうかしら?」
「そうだ。上手だな」
「(いや、そんな優し過ぎると汚れが落ちない)」
「お父さん」
「ん?なんだ」
「また、海から人魚の歌声が聞こえたんだって」
「はぁ、そうか。口ばっかり動かさず、手を動かしなさい」
「はーい」
洗濯屋の娘は洗濯物をゴシゴシと洗っていた
「人魚?」
「人魚を知らんのかえ?」
「いや、まあはい」
「まあ、珍しきもないものですが。もしかして、海なしの町に住んでましたか?」
「まあ」
「でしたら、人魚伝説も知りませんか」
「なんですか?」
「人魚伝説は昔の人魚が人間の男に恋をしたと言う話ですよ」
「(人魚姫か)最後はどうなるのですか?」
「…愛した男と一緒に処刑ですよ」
「はぁ?」




