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勘違い、乙です。

作者: 柚子
掲載日:2026/01/16

「茜!おはよう!」

「おはよう。朝から元気やな」

「今日、占い1位やってさー。ラッキーアイテム、いい匂いの

 ハンドクリームやねんけど、持ってない?」

「持ってない。持っててもいい匂いは巧にもったいない」

「えー、けち」

「おはよう、なんの話?」

「あ、おはよう。加藤くん」

「おはよう。聞いてやー、茜が俺のラッキーアイテムのハンド

 クリーム 貸してくれへんねん」

「そうなんや、残念」

「ちなみに加藤は5位。ラッキーアイテム、のど飴」

「渋いなぁ」

「あ、のど飴は持ってるよ。これ、美味しいからあげる」

「いいの?ありがとう。うん、確かに美味しい。

じゃあ、ちょっと急ぐから」

「バイバーイ」

「またなー!って、なんや、この差は」


ん?待てよ?茜、めっちゃ笑顔やな。

これは、もしかしたら・・・・ってことかな?

こないだ、部活で加藤が彼女と別れたことが話題に上がり、

皆で慰め会してんなあ。

よし、ここは俺がキューピッドになってあげよう。

幼馴染の幸せは俺の幸せやからな!


加藤とは部活の時に話が出来るからいいとして、

まずは茜のことを探ってみるかな~。


「茜。今日さ、昼休みちょっと時間ある?」

「真由美たちと食べようと思ってるけど、なに?」

「お昼代、ご馳走しますので少しお付き合いいただけますか?」

「え、なにこわい。」

「前田がここまで言うの珍しいから、言ってこれば?お金浮くし」

「えー、真由美まで?・・・まぁ、わかった。じゃあ、後で」


そして、迎えた昼休み。

茜から購買で買ってきてほしいものリストが送られてきたので、

それを買って屋上に向かう。


「ごめん、ちょっと混んでた」

「いいよ、人気あるもの選んだの私やし。ありがとう」   


これは、どう切り出せばいいものか・・・・。

                                                                                             

「で、話ってなにさ」

「え、あーうん」

「なにか深刻な感じ?じゃあ、こんな昼休みとかにしやんか」

「あのさ、茜、好きな人、おるやろ?ずばりそれは加藤やな?」

「え!?な、んで?」


お、その驚きようはアタリか?


「なんでって見てたら分かる。幼馴染をナメたらアカン。

 そりゃ笑顔にもなるよな!加藤、いい奴やし、ちょっと前に

 彼女と別れたみたいやから狙い目やと思うねん」

「そんなつけ込むみたいな」

「いや、だってちょっとでも早く話しないと誰かにさ?」

「そもそも狙う理由が別にないんやけど・・・・」

「2人が付き合ったらお似合いやと思うな~。ほら!音楽の趣味とか」

「そもそもバ○プは巧が進めてくれて好きになっただけで、

 普通に一番好きなのは歌い手さんやねんけど。加藤くんは

 そういうタイプじゃないやろ?」

「あ、ほら!加藤も茜も猫派じゃない?」

「どっちかといえばやけど・・・別にどっちでもいいんよ」

「あ!じゃあ・・・・」

「あのさ、なにか勘違いしてるみたいやけど」

「え?」

「私、加藤くんが好きなんて一言も言ってない」

「でも、あんだけ笑顔で話してるなら、そうやろ?」

「・・・・・・違う」

「違う?」

「加藤くんのことは嫌いではないけど、好きな人じゃない」

「でも、好きな人・・・・」

「私が好きなのは、巧やで」

「・・・・・・え?お、れ?」


俺じゃない人とあんなに楽しそうに話してたら、好きな人やと思うやん。

なのに、好きな人が俺!?

そんな馬鹿な・・・・・って思うけど、目の前には真っ赤な顔の茜。

きっと嘘じゃない。

もう、思考回路はショート寸前←


「好きな人やから笑顔で話したんじゃなくて、好きな人とやから

 上手に話せんかったの!緊張して!」

「でも、前までは普通やったやん」

「その時はまだ好きじゃなかっただけで」

「最近、結構冷たかったやん?ほら、朝のラッキーアイテムとかさ」

「なんか自分の好きなもの、巧はあんまり気に入ってくれへん

 かったらどうしようとか考えたら、分けるの躊躇しちゃって・・・」

「いや、そんなこと」

「そんなことでも気になるんやって。朝から今日はこんな話しよう

 とか考えて。巧の好きなものはなるべくチェックするようにして。

 私、自分ではちょっと大きめのこの口がコンプレックスやから

 思いっきり笑って引かれたらどうしよかなとか色々考えて、

 それで・・・・」


一生懸命説明してる茜が可愛くて。

いや、てか、もうこうなったら存在自体が愛しくてたまらん。

元々好きやったけど、これは俗に言う幼馴染として、みたいな。

LOVE寄りのLIKEなやつで。

そりゃ完全LOVEの時もあったけど、何をそんな自分に自信なさげに

してるんか分からんくらい茜は女子からも男子からも人気やったから

諦めたというか、押し込めたみたいなところもあって。

だから、嫌なところなんて1つもないのに。

え、そんなことよりモヤモヤしながら過ごしてた期間が、全部

俺の勘違いやったって恥ずかしすぎひん?

なんやったら、幼馴染ナメんなとかかっこつけてダサすぎ。


「巧?」

「もう、いい」

「え?」

「もう何も言わんでいい。あー!勘違いしてたとか恥ずかしすぎるやろ」

「ごめん」

「いや、違うねん。責めてるとかじゃなくて、謝るのはこっちの方。

 なんか勝手に突っ走ってしまってごめん。そういうのも含めて

 調子に乗りすぎてたから、冷たくされたのかと」

「そんなわけないんよ。だって、その、ほんまは・・・・」


そう言って、シトラスの匂いのハンドクリーム、はちみつのど飴、

固い嚙み心地のグミ、カカオ高めのチョコレートを差し出す。


「巧が好きそうなものはいつも持ってる。だって、好きな人の

 好きなものは好きになりたいから。こっちだって巧の好みは

 全部分かる。幼馴染をナメたらアカン」

「でも、朝はハンドクリーム持ってないって」

「いざ分けてさ、俺が好きな匂いのやつやん!とか言われたら

 恥ずかしすぎん!?」

「ちょっと待ってよ、天邪鬼すぎません?それは」

「それは、まぁ、ごめん。で、その・・・私はこれだけ好きだと

 伝えているわけなのですが・・・」

「あ、えっと、俺も好きです。茜が思ってくれてるよりも多分

 前から」

「興味ないから加藤くんとの恋を応援してきたんかと」

「茜、人気者やから諦めて友達ポジを守った方が賢明なのかと」

「もう!意気地なしめー!」


ムーッとした顔をしながら肩パンをかましてくる茜。

・・・あぁ、可愛い。


「じゃあ、その改めまして、茜さん」

「はい」

「お付き合いをさせていただいてもよろしいでしょうか?」

「はい、お願いします」

「これから2人で好きなものもっと増やしていこな」

「うん、楽しみやな」


まぁ、実際のところ茜が好きなものやったらなんでも好きに

なれる自信あるけどな。

余談ではありますが、加藤はヨリを戻していたらしく、

折を見て俺らに報告してくれる予定やったらしい。

まぁ、めでたしめでたし。

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