最終通告
短いです
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ココはニグ国に来ていた。瞬間移動である。
『さてと、どうしてくれるかのぅ……。少し姿を隠し、様子を見るか』
魂化して城内を飛ぶと。
「いい加減にしろ!! こともあろうに王子を誘拐しようとするなど、どうかしておる!!」
恰幅の良い、銀髪に白髭を生やした男が目の前の少女に怒鳴っていた。
(あやつが王様か、まともな人間のようだな。で、あれが第2王女だな。王子の記憶通りで気の強い顔立ちじゃな)
「私に想いを寄せられて嫌がる殿方はおりませんわ! 大丈夫です! もう一回会えば」
「何を馬鹿な事を!! 出入り禁止じゃと言われておるのだ!! で・き・ん!」
「ほほほほ、気にしませんわ! 会えば喜んでくださるはずですもの〜」
『やはりのぉ』
2人は急に聞こえた第3の声に驚き、声のした方を見た。
そこには、神々しく輝く、コバルトブルーのドレスに身を包み、黄金の髪を優雅にまとめた女性が空中に浮いていた。
「「!」」国王も、さすがの第2王女も固まった。
見るからに只者ではない演出。このぐらいしないと効果が無いと踏んでの演出だ。
『妾は神の使徒である。そこの娘の振る舞いは神の目にもとまるほど。良いか、聞くがいい。今後、そこの娘はジノ海洋国に立ち入る事を禁ずる。もし破ればこの国ごと消えるであろう』
そして稲妻を娘の足元に一発落とし、シュンと消える。
「お、お前、神の怒りを買うような事を……」
「そ、そんな……」
「衛兵! 第2王女を北の塔に連れて行け!」
「お、お父様……あそこは、入ったら2度と出られないのでは」
「……のこのこ出かけて、国が消されては困るのだよ」
「い、嫌です。おとうさまーー」
(ふむ。まぁ、良いだろう。手ぬるい感じもするがな。さて、帰るか)
魂化して様子を見ていたココだったが、そう呟くと本当にその場から消えた。