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16/20

シュバルツとココ

ちょっと短め

 ⭐︎


 翌朝、クリスに身支度してもらい、馬車に乗って帰ろうと外に向かうと。

 

 第2王子が待っていた。


「君がローズ? ありがとう、ヒールをかけてくれて」


「いいえ、それよりもう具合はいいのですか?」


「うん。ありがとう。それより、聞きたい事があって……」


「はい、なんでしょう」


「君の、その肩の鳥なんだけど、弟が僕の記憶に入ったのは君の鳥だと言うんだよ」


 言葉に詰まった……。今、魂化しているのに、なぜ見えるの?


「えと、あの。見えるのですか?鳥」


「うん? そりゃ〜、肩に止まっているのだから、見えるよ?」


『はぁ、もう。そうじゃよ。妾じゃ。』


 実体化して返事をしだすココちゃん。


「やっぱり! 小鳥の姿でもわかる! その喋り方! 会いたかったよ〜。もう会えないかと思った」


「ええと、小鳥の姿って?いつも小鳥だけど……」


『……その、なんだ。人の女の姿をして会ったのじゃ……』


 なんだか嫌な気分だわ。だって、私は10年も一緒にいるのに、ココの人間になった姿を見せてもらった事なんて無い。


「……もう、ココちゃん。ちゃんと王子様とお話ししてから帰ってきなさい」


『え〜〜、なぜじゃ? 話すことなど』

「あるよ! いっぱいある! ローズちゃん、ココちゃん置いてって。たくさん話したら返すから」


「わかったわ。ココちゃん、きちんと話すのよ?」


 と、言って肩からココをむんずと掴み、引き剥がす。第2王子にグーの手のままココを渡す。な〜んか腹たって、つい乱暴にしちゃったわ。


「うん?どうしたの? ココ殿は城に残るの?」


 後から来た第3王子のサミュエル様が第2王子の手の中にいるココを見て言った。


「ええ、ココちゃんはまだ第2王子様とのお話が残っているそうなの」


「そっか〜、じゃぁ、ココ殿は私と逆だね、私はこれからベルタン侯爵家で勉強だから。後継の育成だって。時々城に戻る感じかな〜」


 鼻歌でも歌いそうな雰囲気のサミュエル様と、なぜかどんよりしているココちゃん。


 ふふふ、なんだろう。楽しい予感がするわ。


 馬車は走り出すのです。

 ココちゃんを置いて。


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