表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/20

王家との晩餐

 ⭐︎⭐︎⭐︎


『ただいまじゃ〜』


 振り返ると、ここが戻ってきていた。


「「ココちゃん・殿、おかえり!」」


『きっともう目覚めたと思うぞ』


 うふふ、ドヤ顔の鳥って見たことないわ。うまくいったのね。


「ありがとうございます! ちょっと行ってくるね」


「ええ、行ってらっしゃい」


 急ぎ足で部屋を後にするサミュエル様を見送りながら、私はココにお礼を言った。


「ココちゃんもお疲れ様。いつもありがとう。」


『いいや、疲れてなどない。……が、今日はちと寝るかな』


「珍しい。ココちゃんが眠るなんて」

 よほど疲れたのね……。


 私も少しお昼寝しようかな、馬車で移動して、血まみれになってヒールかけて、お風呂で洗われて疲れたかも。


 ココちゃんと一緒にベッドに向かった。


 ⭐︎


 晩餐の席、父と私は王様に招かれ、ご一緒することになった。


 ほんとうは、昼食を一緒に取りながら婚約の話を進める予定だったのが、夜に移行したので晩餐の席となった。


 席に着くと、すでに王様、王妃様、第1王子? 第3王子が席に着いていた。


 王妃様、ここで初めてお目にかかったわ。すごい、いるだけで半径1mにお花が咲き乱れてる感じがする。


「ようこそ、ハリスン・ベルタン殿、ローズ・ベルタン殿。此度は到着早々愚息の騒ぎに巻き込んでしまい、申し訳なかった。」


 と、謝罪の言葉を口にする国王様に、父が慌てた。

「そんな、国王様が頭を下げるなど、おやめください。私どもは大丈夫ですので」


「うむ、だが、愚息はローズ殿に命を救われておる。重ね重ね、本当にありがとう」


 と、いうと、なんと、王様だけではなく、王妃、第1王子、第3王子までもが立ち上がり、一斉に頭を下げた。


「「!!」」


 こちらも慌てて立ち上がり、頭を下げる。


 ……なんとも、おかしな構図になっている。王家と侯爵家がお互いに頭を下げているのだ。


『さて、もういいじゃろう。今日は妾もローズからパンをもらおうと思っておるのじゃ』

 と、呑気な声でココが話し出す。


「は! これはココ殿。あはは。ココ殿には敵いませんな。ベルタン殿、実はココ殿には助けてもらった事があるのですよ。」


「はい、娘から簡単な経緯は聞いております。」


「そうであったか、おっと、その話はまた後でだ。まずは、家族の紹介をさせてくれないか。左隣から王妃のイザベル、第1王子のロナルド、第3王子のサミュエルはもう知っておるな」


 すると、王妃様がこちらへゆっくりと進み、私の手を取る。


「あなたが第2王子にヒールをかけてくれたのですね。ありがとう。女性に恨まれるようなバカな子だけど、私にはかけがえのない子なのです。あれから目覚めたのですがまだフラフラするようで、寝かせております。会えるようになれば真っ先にお礼を言わせますので。本当に、ありがとう」


 そして、そっと抱きしめて下さった。


「い、いえ。持って生まれた力を使ったまでです。で、でも。お役に立てて良かったです」


 と、緊張しながら返事をする。と、今度は第1王子が握手をしてくる。


「私からもお礼を言わせて。母上のようにハグしたら第3王子に殺されるので、できないけど、弟を救ってくれてありがとう。心から感謝しています」


 みると、いつの間にかサミュエル様が私の後ろに立っていた。


「……当たり前です。私の大切な方なんですから……」と言って、私の両肩を掴んでい引き寄せた。


「はいはい、席に着いて。おっと、サミュエルはローズ殿の席の隣にしてやってくれないか?」


 と、王様が言ってくださり、サミュエル様と並んで食事会が始まった。


 婚約の話はとんとん拍子に進み、結婚式の話までに至った。成人を待ってサミュエル様が我が侯爵家に入り、同時に公爵に陞爵する事が決まった。


 それから、なぜかココは私からパンを食べるようになっていた。

 今まで実体化しても食事をとった事なんてなかったのに……。

 少し心配。具合でも悪いのかなって気になっちゃう。こっそりヒールかけちゃおうかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ