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ココの帰還

 ⭐︎⭐︎⭐︎


ー ローズ視点に戻ります ー



「ココちゃん、どうしてるかな……。」


 ベッドに入っても寝付けない。まだ、たった2日なのに。


 サミュエル様、ココちゃん。会いたいな〜。


『ただいまじゃ』


「ココちゃん!!!おかえり!!ココちゃん!!!」


『ふふ。騒がしぃのぉ。あぁ、ただいまじゃ』


「よかった。元気そう。でも、早かったのね! 王子様のお手伝いはできたの?」


『もちろんじゃ。完璧に手伝ったぞ。それとな、王子は2〜3日中には来るぞ』


「え? そうなの? 何か忘れ物でも?」


『そうじゃ。其方へのプロポーズじゃな。婚約したいそうじゃ』


「……え? ええと、婚約?」


『そうじゃ。惚れているそうじゃ』


 ぼっと音がしたような気がした。私の顔、火がついたように赤くなってない?

 惚れてるって言った?


「ほ、ほ、ほれてる?」


 私、夢見ているのかしら……。ココちゃんは戻ってくるし、王子様がプロポーズって。


 フラフラ〜っと立ち上がると、部屋を出てお父様の元へ……。


「あら、お嬢様? お休みになったんじゃ……。お嬢様?」


 クリスの声が聞こえるけど、それどころじゃないわ。


 早く、早く知らせないと……。


 コンコンとノックする。


「誰かな? 何かあったのかい?」


「お父様、私です」


 すぐに扉を開けるお父様。


「どうしたんだい?……ローズ?」


 きっと、私、惚けた顔をしているに違いないわ、だけど、だけど。


「お父様、たった今、ココちゃんが戻ってきたの」


「そうか! よかったね。寂しがっていたもんね」


「でね……王子様……サミュエル様が私と婚約したいんですって」


「な、なんだって? それは本当ですか? 神の使い殿」


 私の肩にいるココに話しかけるお父様。


『其方もココ殿で良いぞ。婚約はしたいと言ってたな』


「ココ殿、……もしや、それは口止めされませんでしたか?」


『うん? あぁ、うっかり口が滑るかもしれんと言っておいたからな、大丈夫じゃ』


 それって、喋らないっていう約束してから言うセリフじゃ……普通、すべらないけど。


「……なるほど、はぁ〜、もう言ってしまったんだし。仕方ないか」


「でも、お父様……私、嬉しいのです。第3王子様なら、我が家に来てもらえるのでは?あの方ならとても賢いし、お父様の跡を継げます。」


「ローズの気持ちはどうなんだい?」


「私も好きなのです……だから嬉しぃ」


「! そ、そうか。いや、ローズの気持ちが一番重要なんだよ?好きなのならそれでいい」


「はい。お父様」


 気持ちも落ち着いてきた。いつの間にか控えてくれてたクリスが、

「お嬢様、そろそろ眠りましょう?」と手をとってくれる。


「お休み、ローズ。また明日話そう? いい夢を」

 お父様もおでこにキスしてくれる。


「おやすみなさい、お父様」


 自分の部屋に戻るとベッドに潜り込む。眠れるかしら……。


「おやすみなさいませ。お嬢様」


「おやすみ……」


 先ほどまで抱えていた不安が嘘のようになくなっていた。

 ココちゃんも戻った。サミュエル様も無事だし私と婚約したいって……。


 ありがとう、お母様。今日はすごくいい夢が見られそう。


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