コ○ピタ
「知ってる?コ○ピタっていう靴下」
「あぁ、知ってるよ? 滑り止めがかかとについているやつ」
「あれを洗濯機で洗ってると、キュッ、キュッって小さい声が聞こえてくるの」
「ほんと?」
「マジマジ。きっと、何かがいるのよ」
「いや、今コ○ピタ洗ったらって言ったからね?」
「ううん。きっと妖精さんが洗濯機の中にいるに違いない」
「……うちでも鳴くかな」
「うちはドラム式!鳴かない時もあるけどね!」
「……めんどいからいいや」
「すっごいかわいい声なのになぁ〜」
「声じゃないって。音だって!」
「夢ないね〜〜あはははは」
⭐︎
……懐かしい。
「友達とおしゃべりをする夢見ちゃった……」
目を覚ました私は、ぼんやりとつぶやく。
「キュッ、キュッ」
「ココちゃん。あぁ、君が鳴いていたからかぁ……ふふ。いい夢……」
ココは、体はコバルトブルー、尻尾が金色で長く、目の下に黄色のワンポイント付きの小鳥。
私にしか見えない、そして、いつの間にか私といてくれている不思議な小鳥。
大きさは、オカメインコぐらいかしら……。鳴き声が「キュッ、キュッ」だから名はさっきの夢のストーリーに
ちなんでココ。
さて、起きよう。
そう、私は転生者。転生特典なのかヒールが使える。
あと、ココちゃんも特典なのかしら?
「話せたらいいのにねー」
と青いお腹をチョンと触る。
「キュキュッ?キュ〜」
とその指にすりすりしてくる。……かわいい。
「も〜〜かわいいぃぃい!」
は〜、ぎゅうってしたい! でも潰すから我慢よ!
コンコン。
「どうぞ〜」
「お嬢様、おはようございます。今朝はお目覚めだったのですね?」
「おはよ〜。ふふふ、たまには自分で起きるわよ」
「ふふ、失礼いたしました。さて、お顔を洗いましょう」
朝の身支度が始まる。
コ○ピタを洗濯している時、本当にあったお話。最初聞いた時「何かいる!」と、思い、よくよく考えてみたらコ○ピタだったのです。
洗ってみてね。聞こえない場合は10足くらい洗うと聞こえる。……はず。