『無能』じゃなくなったけど『無能』扱い
俺がマンティコアと対峙しているころ、森の外では俺を除く生徒達、そして引率の教師ががあつまってる。
カスペルが悲痛な面持ちだ。
「SS級ランクのマンティコアに、スヴェンが勝手に挑んで。。 俺達は逃げるしかなかった。 止めたんだが、いってしまったんだよ。」
「うそ、スヴェン君はそんな無謀な事は」っていうジョアンナ。
「でも最近はなんか必死だったし、でもスヴェンは大丈夫よね」っていうカトリーン。
「先生たちでもマンティコアの討伐は難しい。。 残念だけど」っていう悲痛な面持ちのカスペル。
「いま騎士団と冒険者に捜索依頼をだした。 無謀な事をしたスヴェンが生きている事を願おう」って引率の教師。
「そんな。 スヴェンは生きてるって。」ってジョアンナ。
スヴェンの無事を祈りつつも、途方に暮れた表情で、目には涙がたまっている。
「ジョアンナ、さっきもいったけど、彼は無謀にも立ち向かっていったんだ。 俺達はとめたのに」
「なんでそんなバカな事を」って泣き崩れるカトリーン。
そんな彼女たちを、慰めるカスペルの姿があった。
◇◇◇
Side:カスペル
俺は、俺が通っている学園の生徒会長をしている。
親が現統括騎士団長という立場もあるし、自分でいうのもなんだが人望もあるし、生徒からの人気もある。 ちなみに成績はもちろん学年一位だ。
そんな俺が狙っているのが、学園の3大美女であるジョアンナ、カトリーンそしてフェリシアだ。 フェリシアは学年が離れすぎてまだ会話しかできていないが、カトリーンそして特にジョアンナには何度か遠巻きにデートに誘っていたが、なかなかなびかない。
理由は簡単で、ジョアンナとカトリーンは、なぜか毎朝、この学園一の『無能』と毎朝登校してくる。 俺としては、『無能』の存在が気に入らないから、俺の言うことを聞く友人に頼んでイジメの対象にしている。
彼の『無能』は、教師陣からも見放されているのもあって学園では孤立しているのだが、なかなか自主退学をしない。
そして、今日の課外授業。
まさか、こんなところにS級の魔物マンティコアが出るなんて、いくら優秀な俺でも対峙するが無理と判断し逃走した。
そして、もう追いつかれるという所にいた、『無能』だ。
奴を囮にして、無事森から逃げ出せた俺と俺の言うことを聞く友人たち。
そして今、俺の胸では、『無能』のことを心配して泣き崩れているジョアンナにカトリーンがいる。
奴が生きて戻ってくることはない。
この隙に、俺は彼女たちを優しく宥めればきっと俺のほうに向いてくれる。




