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世界は英雄を欲している。
ダンジョンと呼ばれる巨大な塔が出現し、世界は進化した。
何ら変哲のない、面白みの欠けらも無い、あらゆる空想が実現されていないこの世界。
魔法や魔術、超能力に霊能力、これらは、大半が空想でしかない。
異世界も、天国も地獄も、あると言われるが、誰も見た事がない。
やはり、面白みに欠けた、なんとも普通な世界。
の、はずだった。
ある時、日本の東京駅が消滅した。
なんの前触れもなく、なんの予兆もなく、なんの予告もなく、跡形もなく消え去った。
中にいた人々は地上へと放り出されており、負傷者、死傷者、行方不明者のひとりも出なかったという。
しかして、ありえない事はそれだけでは無い。
消えた東京駅跡地には、巨大な塔がたっていた。
天を突くような大きさの塔は、地上からではその最高階が見えないにもかかわらず、宇宙からも見ることは出来なかった。
現代の科学の力ではどう足掻いても不可能な建築速度。
物理法則に反し、地上からも宇宙からも見ることの出来ない塔の頂。
そして、この塔の出現により、呼応するかのように世界中に7つ現れた巨大な塔。
そして、人々は理解した、この世界は、新たな力を得たのだと。