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ウィッチプログラム rev.6

ウィッチたちの夜。

都内のマンション。


僕を導いてくれた。


管理員室。

二人のうち一人の警備員が健の歌声に気付く。

「ん?」

ディスプレイをチェックする警備員に問いかけるもう一人の警備員。

「どうした?」

「健が歌ってます。」

ベッドに横たわり恍惚の表情を浮かべている健。

監視カメラで健の様子をうかがう警備員たち。

「寝てるじゃないか?」

「でも、館内のスピーカーから健の歌が聞こえてきます。」


あなたがいてくれれば。


寝そべる健に跨るブラウスとスカートの女子高生。

苦悶の表情を浮かべる学生ズボンとブラウス姿の健。


全館を監視しているセンターに連絡する警備員。

「第1ラボ、聞こえますか?」


落ち着けるんだけど。


ブラウスの前をはだける女子高生。

ブラを露出して健の首を締めながら、舌なめずりしている少女。


でもあなたはどっかいっちゃた。


第1ラボに状況を確認する警備員。

「館内のスピーカーより健の歌が聞こえてます。」

「分かりますか?」

マンションの警備員に返答する第1ラボ要員。

「ああ、確認している。」

「いったいどういう...」

二人の技術者が事態に驚いている。

「健は生体電気信号を発して精密機器に干渉できたという。」

「寝てる間に無意識にそれをやってるんじゃないか?」


どうすればいいの?


跨っている少女の首に手をかける恍惚の表情の健。

「...」


慌てる第1ラボの要員たち。

「待ってください。」

「なんだ?」

「健の部屋に館内スピーカーの音源なんてありませんよ?」

「あ?」

健に首を締められ、快感に顔を歪める直美。

「っ!?」


どうでもいいけどあなたが恋しい。


戸惑う第1ラボの要員たち。

「じゃあ、どうやって...」

「で、電源ケーブルを伝って、電気信号を流してるんじゃ?」

「んな、バカな。」

管理員室からの報告を受ける第1ラボの要員たち。

「き、聞こえますか、第1ラボっ!?」

「どうした?」


今すぐあなたの声を聴きたい!


健の首から手を放し、首を絞められながら激しく腰を振る直美。

直美の首を絞めながら起き上がる健。

「...」


あなたに触れて抱きしめたい!


管理員室の警備員からの報告に動揺する第1ラボ要員。

「ち、地下2階の自家発電用のガスタービンが起動しましたっ!」

「な、なにっ!?」

上になった健に体を弓ぞならせながらも腰を振っている直美。

「っ!?」


あなたにうけいれられたい。


戸惑う第1ラボの要員たち。

「なんでっ!?」

「わ、分かりませんっ!」

「でも、健に関係あるんじゃ...」


逆に自分が上になり、全裸の女性の首を締めていることに気付く健。

「っ!?」


狼狽える管理員室の警備員たち。

「ものすごい勢いで出力が上がっていますっ!」

「コントロール出来ませんっ!」

「ば、爆発するっ!?」


自分に組み敷かれている女性の顔を覗き込もうとする健。

「...」


動揺しつつ警備員たちを諌める第1ラボ要員。

「心配するな。」

「このビルはマンションを装った研究施設だ。」

「十分すぎる耐震施工が施されている。」


管理員室で焦っている警備員の二人。

「でも、そのタービンは軍用機のエンジンを転用したもんなんですよっ!?」

第1ラボの要員の応答に憤る警備員。

「ああ、B-52のエンジンが2基、らしいな。」

「ただでさえ超大型のうえ...」

「燃料は航空機用なんですよっ!?」


狼狽える警備員。

「ガソリンなんかより異常に発熱量が高く、あっという間に発火してしまう...」

「シュミレーションでは大丈夫っていっても...」

その様子をディスプレイで見ている第1ラボの要員。

「しかも地下1階はガレージです。」

「車のガソリンに引火したら...」

焦り気味に告げる第1ラボの要員。

「分かった。」

「今からタービンへの電源を切断しに行ってくれ。」

「物理的に、な。」

第1ラボの要員の指示にキレる警備員。

「な、なに言ってんだっ!?」

「爆発寸前なんだぞっ!?」

「お前が行けっ!」


虚ろな表情で健を見あげる『晶』。

「...」

慄きながら晶の首から手を放す健。

「っ!?」

目の色を失っていく晶を怯えながら見つめている健。

「...」

晶を抱き上げる健。

「っ!」

晶の額を撫で上げる健。

「僕のせいで、いや、僕が死なせてしまった...」

晶を抱き上げ涙ぐむ健。

「晶さんのいない世界なんて...」

「イラナイ。」

「壊れれしまえばいいんだ。」

健に抱かれて呟く晶。

「ソンナコトナイ。」

「えっ?」

健の首に手を廻し、健に囁く晶。

「生きています。」

「私は生きています。」

見つめあう二人。

「迎えに来てください。」

「...はい」


目覚める健。

「...」

第1ラボ。

管理員室からの報告を受ける第1ラボの要員。

「あっ!?」

「なんだっ!?」

「た、タービンが停止しましたっ!」

タービンの状態をチェックする警備員たち。

「タービンへの電源供給も停止...」

「館内電源も正常に戻りました。」

管理員室の傍らのディスプレイの中で、寝そべったままタバコに火を

つける健。

「...」


こぐまを出る青田、慎一、直美を暖簾をかたしながら見送る健四郎。

「タクシー拾うか?」

「いや、酔い覚ましに歩こうや。」


ベッドから起き上がってタバコを喫っている健。

こんなに苦しむのなら、いっそ...

いや、そんなことあり得ない。


今後の事について議論する慎一と青田をよそに、健二のことを想う直美。

健二クンを...

窓の外を見つめる健。

晶さんを...

巡る旅は始まったばかりだ。

あたしたちの冒険ははじまったばかりだっ!

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